
がんの家系,糖尿病の家系,脳卒中の家系…と古くから病気は遺伝が影響するのではないかと疑われてきた.Alzheimer病(AD)も遺伝素因の関与が強く示唆され,常染色体優性遺伝形式をとる単一遺伝子病の報告に続いて孤発性ADについても多くの遺伝的感受性遺伝子が同定された.とりわけ
Apolipoprotein E遺伝子は民族を超えて強力なリスク遺伝子である.AD関連遺伝子の解析法もこの10年間で,家系をベースとした連鎖解析,同胞対解析,細胞生物学的機能から推測した候補遺伝子アプローチ,SNPベースの大規模GWAS(Genome-wide association study),客観的バイオマーカーの中間表現型と遺伝型解析,解析も数千を超える検体数,と大きく進化した.

Alzheimer病,リスク遺伝子,ゲノムワイド相関解析,中間表現型