
遺伝因子の発見から病態機序解明が進展しつつある神経変性疾患の例として,Parkinson病(PD)と多系統萎縮症(MSA)をあげる.PDにおいては,common disease-common variants仮説に基づいて多型をマーカーに行われてきた関連解析の成果や,家族内集積性を契機に発見されたcommon disease-multiple rare variantsの一例であるGBA遺伝子について紹介する.MSAにおいては,これまでに家族内集積性の知見が乏しく,遺伝因子の研究の進展がみられなかった.しかし近年,家族性MSAの原因遺伝子の1つがあらたに発見され,孤発性患者にも共通する遺伝因子であることがわかった.

Parkinson病(PD),多系統萎縮症(MSA),Common disease-common variants仮説,Common disease-multiple rare variants仮説,孤発性疾患