
本稿では,統合失調症を対象とした positron emission tomography(PET)や single photon emission tomography(SPECT)を用いた
in vivo 分子イメージング研究を中心に,とくに病態と深くかかわるドパミンに関する最近の著者らの知見を交えて概説する.統合失調症のシナプス後ドパミン機能である受容体や,シナプス前ドパミン機能であるドパミン合成能やドパミントランスポーターに関する PET や SPECT 研究は,知見も蓄積し,そのなかには補助診断に利用できる可能性のあるものもある.ドパミン以外にも本病態に重要な役割を担っていると想定される GABA や NMDA 受容体のイメージング研究の現状についても紹介する.