
神経変性疾患の病態に関してproteinopathyという観点で,プリオン病の知見と比べ類似性をもとに整理した.プリオン病において認められた伝播という現象が最近,アミロイド形成を起こす種々の神経変性疾患で認められつつあり,Alzheimer病のAβ,タウ,Parkinson病のシヌクレインなども,マウスの脳内に接種することで伝播することが示された.同じ蛋白質の沈着でも,疾患によって異なる構造多型がある可能性も示されている.凝集蛋白質の構造が脳内で伝播することによって広範な病変を引き起こす可能性があり,このような考え方で病態がどこまで説明可能か,今後の展開が期待される領域である.

proteinopathy,プリオン,伝播,タウ,シヌクレイン,TDP-43