いま,患者さんは漢方を求めています
内容紹介
●漢方は口腔の慢性疾患に奏功する薬物療法
口腔乾燥症,舌痛症,味覚異常,口内炎,口臭症などいわゆる口腔の慢性疾患を薬物療法で治療する場合において,漢方処方だからこそ効を奏する症例が多くあります.
本書では入門編と応用編に分け,入門編では症例漢方療法の紹介を通して,漢方医学の基礎や歴史的背景などを解説.応用編では口腔疾患別の治療を口腔漢方の名医に詳述していただきました.本書を手にすることで,患者さんへのアプローチ方法の幅が広がっていくことでしょう.
●漢方医学はこれからの医学
2002年には文科省の医学部コアカリキュラムに,2008年には薬学部でも「漢方薬」が始まりました.古い歴史をもつ漢方ですが,今後,臨床的エビデンスから十分に検討が重ねられていく新しい分野です.西洋医学を中心に外科的な医療を行っている歯科医師にとっても,漢方医学が理解できるようわかりやすく解説しています.
ルビ満載で,初めての方でも読みやすい! この1冊で漢方を始めましょう!
目次
2 西洋医学と東洋医学の違い(王 宝禮)
3 中国医学と漢方医学の違い(王 宝禮)
4 漢方医学のおさえておきたい歴史の知識(王 宝禮)
5 入門編:さあ,今日からできる口腔漢方療法(王 宝禮・王 龍三)
6 歯科開業医・歯科口腔外科の漢方処方の現状(砂川正隆)
7 歯科医師が行う舌診の有効性(柿木保明)
8 漢方処方(王 龍三・王 宝禮)
9 漢方医学による診断法の基礎―陰陽・虚実・寒熱・表裏・六病(王 龍三・王 宝禮)
10 漢方医学治療の考え方―四診からわかる「証」―(王 宝禮)
11 漢方薬の薬物学的なお話し―漢方薬の分類―(王 宝禮)
12 剤 形(王 宝禮)
13 漢方煎じ薬と漢方エキス製剤の違い(王 宝禮)
14 漢方基礎医学研究(王 宝禮)
応用編 名医が教える実践口腔疾患別漢方治療法
〈名医の扉を開く前に〉
(1)口内炎(久保茂正)
(2)舌痛症(椋梨兼彰)
(3)口腔乾燥症(瀧沢 努)
(4)味覚障害(松本考司・久保伸夫)
(5)歯周病(英保武志)
(6)口臭症(亀山敦史)
(7)顎関節症(小澤夏生)
(8)口腔癌(山口孝二郎)
(9)顔面神経麻痺(別部智司)
(10)三叉神経麻痺・知覚麻痺(別部智司)
(11)歯痛・抜歯後疼痛(柿木保明)
(12)口腔不定愁訴(王 宝禮)
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
王 宝禮(大阪歯科大学教授)
1960年 大阪府生まれ
1986年 北海道医療大学卒業,北海道大学歯学博士
1990年 北海道大学歯学部予防歯科学講座助手
1992〜1994年 米国フロリダ大学歯学部口腔生物学講座研究員
1996〜2002年 大阪歯科大学薬理学講座講師
2002〜2010年 松本歯科大学歯科薬理学講座教授・附属病院口腔内科担当
2010年より 大阪歯科大学歯科医学教育開発室教授
日本歯科東洋医学会理事・指導医,日本薬物療法学会漢方EBM委員会委員長,日本薬理学会評議員,日本東洋医学会関西支部監事,日本口腔内科学研究会会長,日本口腔サプリメント研究会顧問,オゾン医療研究会副会長
王 龍三(医師・王医院院長)
1928年 中国生まれ
1955年 京都大学医学部大学院修了後,京都大学医学博士,
京都大学医学部附属病院研修,医学研究所北野病院外科を経て,
1966年 王医院開業,現在に至る
日本内科学会認定医,日本漢方医学会専門医,日本東洋医学会専門医