内容紹介
嗅覚,味覚,内臓感覚,痛覚など原始感覚を介して生じる不快情動は個体や種を維持していくための生体防御システムとして獲得された機能である.しかし生体防御システムである情動系の異常が,うつ病などの精神疾患やストレスにより発症・増悪する身体疾患(心身症)を引き起こすこともある.
目次
1.原始感覚による情動の生成とその破綻(福土 審)
PART1
2.内臓刺激による不快情動生成機構の解明(福土 審)
3.痛み誘発負情動から考える“心”の起源(加藤総夫)
4.痛みによる不快情動生成―分界条床核の役割(南 雅文)
5.原始感覚による情動生成およびその制御機構に関する脳機能画像解析(吉野敦雄・青山志緒里)
6.感情制御の発達不全とその回復―嘔吐経験がトラウマとなった小学生事例の治療経過から(大河原美以)
7.痛みと鎮痛における個人差の遺伝子メカニズム(池田和隆)
8.多様な動物種における情動に関与する候補遺伝子の解析―動物の心の共通基盤を探る(井上-村山美穂)
PART2
9.哺乳類の匂いに対する情動を先天的に制御する神経回路の発見(小早川 高・小早川令子)
10.味覚受容機構と味覚誘発行動・情動の脳内神経機構(杉田 誠)
11.ストレスの統合におけるプロスタグランジンの役割(古屋敷智之・成宮 周)
12.痛覚による恐怖条件付けにおけるセロトニンの機能的役割(井上 猛・小山 司)
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福土審 編