日当直 これだけは知っておきたい
緊急検査マニュアル
37巻13号 2009年12月20日 p.1567-1574
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はじめに | ![]() |
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外科的に切除された組織は,血流の遮断により細胞活動が停止する.血流の遮断から細胞活動が停止する時間には組織間差があるが,遅かれ早かれ,その組織,細胞の生命活動は停止する.組織,細胞活動の停止した組織にみられる変化は自家融解,腐敗および乾燥である.
日当直時に病理,細胞診検体が提出された場合,これらの細胞変化をできるだけ食い止め,翌日まで保存することが,日当直臨床検査技師の職務である.日当直時に病理・細胞診検体が提出される頻度は少ないと思われるが,適切な検体処理をしなければ組織診断ができなくなる可能性がある. 細胞診検体はベッドサイドで塗抹,固定が行われることが多く,日当直時に検体として提出されるものには喀痰や体腔液,髄液および尿などの液状検体が想定される.日本病理学会の「技術マニュアル 6 細胞診とその技術」(日本病理学会編,医歯薬出版,1982)には,検体採取から固定までの許容時間として,喀痰:室温 12 時間以内,体腔液(胸水,腹水,心嚢液):室温 12 時間以内,髄液,尿:冷蔵して 2 時間と記載がある.液状検体を放置した場合,いわゆる細胞の変性が起こり,性状によってはフィブリンの析出がみられる. 本稿では緊急検査における組織,細胞診検体の保存,検体処理法について解説する.……(雑誌本文は続きます) |
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37巻13号 2009年12月20日
月刊(B5判,270頁) 発行時参考価格 4,200円 注文コード:296050 雑誌コード:08608-12 |
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