日当直 これだけは知っておきたい
緊急検査マニュアル
37巻13号 2009年12月20日 p.1418-1420
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胸水,腹水とは | ![]() |
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胸腔や腹腔は,臓側,壁側とも漿膜組織で覆われており,肺の呼吸運動や外界の激しい振動による腹腔内臓器間の摩擦を少なくする潤滑油の役割として,胸膜腔内にはおよそ 10 ml,腹腔内には30〜50 ml の体液が存在している.しかし,腔内に循環障害,炎症,悪性腫瘍の浸潤などがあると,産生亢進や吸収障害が生じて異常に貯留する.この貯留した体液が胸水,腹水である.この検査は原因疾患を鑑別するために行われる.
胸水,腹水は臨床的に漏出液と滲出液とに区別されている.漏出液の原因疾患は,肝硬変やネフローゼ症候群などの血漿浸透圧低下や,うっ血性心不全や門脈圧亢進などによる毛細血管内圧亢進などで,滲出液は感染症や炎症などの血管透過性亢進である.悪性腫瘍の場合は一般的には滲出液であると報告されているが,腫瘍の進行状態などにより一様ではないために,漏出液である場合もある.……(雑誌本文は続きます) |
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37巻13号 2009年12月20日
月刊(B5判,270頁) 発行時参考価格 4,200円 注文コード:296050 雑誌コード:08608-12 |
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