感染症迅速検査アップデート
36巻13号 2008年12月20日 p.1489-1323
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はじめに | ![]() |
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敗血症は,集中治療を要する重症病態における最大の死亡原因である.その診断と治療開始の遅れは転帰の悪化につながる.敗血症の診断においては血液培養が重視されてきているが,重症敗血症あるいは敗血症性ショックにおいても,その陽性率は 30〜50%に留まるとされ,一方,血液培養陽性はかならずしも敗血症を意味しない.現在,敗血症の診断は, @ 感染の証明と, A 体温,白血球数,心拍数と呼吸数で定義される全身性炎症反応(SIRS)によってなされている.しかしながら,敗血症によって生じる全身性炎症反応とそのパラメーターである CRP(C−reactive protein),白血球数,炎症性サイトカインレベルなどの変化は,全身性炎症反応の大きさを示唆するものの,その原因が感染であることを示すものではない.診断と重症度判定を従来の臨床的マーカーのみで行うことは容易でない.
その病態認識,診断,そして治療開始の遅れが転帰の悪化につながる敗血症では,起炎菌同定を含む確定診断より,敗血症であることの速やかな診断と治療開始が重要である.本稿においては,@ 細菌感染による敗血症診断に有用とされるプロカルシトニン(PCT), A グラム陰性桿菌感染症による敗血症診断におけるエンドトキシン測定,とくに近年開発された endotoxin activity assay,また, B 白血球中細菌核酸同定検査であるハイブリゼップに関して解説する.……(雑誌本文は続きます) |
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36巻13号 2008年12月20日
月刊(B5判,222頁) 発行時参考価格 4,200円 注文コード:296040 雑誌コード:08608-12 |
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