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269巻5号 2019年5月4日
第1土曜特集マイクロRNA研究の進歩5月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 マイクロRNA研究の進歩 はじめに 落谷孝広・山本雄介
  1993年,線虫において発見されたマイクロRNA(miRNA)は,約20塩基という少数の塩基から構成される小さなRNA分子でありながら,驚くべきことにほぼすべての生命現象に関与する重要なプレーヤーであることが明らかになった.ヒトの体内には2,000種類以上のmiRNAが存在しており,進化学的にその配列が種を超えて保存されているものも少なくない.これまでの研究から,個体発生や器官形成などに関わっているだけでなく,多くの疾患の発生にも寄与しうることがわかっている.
 細胞外に分泌されるmiRNAを標的にしたリキッドバイオプシーに基づくがん診断技術の普及に期待が高まっているが,特定のmiRNAが腫瘍細胞の発生・進展・転移に深く関わるという事実がある.したがって,疾患の診断マーカーとしての有効性だけでなく,がんを治療するための標的,あるいはツールとして,近年,miRNAはがん医療の分野でとりわけ高い注目を集めている.これまでは標的とする組織・細胞への高率的なmiRNAのデリバリーの困難さや,miRNA自身の安定性の低さから,核酸医薬として利用するには克服すべき課題が多く存在したが,DDS技術の改善や核酸への化学修飾技術の進歩によって,それらの問題は解決されつつある.開発の流れが完成すれば,塩基配列を変えるだけでさまざまな創薬の標的に対応できることも大きな魅力である.
 miRNAを対象にした治療を可能にするためには,腫瘍生物学におけるmiRNAの機能や作用機序を理解するだけでは不十分である.核酸医薬品として開発・実用化させるためには化学や工学分野との融合が必要であろう.本特集では「マイクロRNA研究の進歩」というテーマで,miRNAの核酸医療への応用について,各分野の第一線で活躍している研究者の方々にmiRNAによるがん治療の現状について解説していただいた.本特集がmiRNAを対象とした核酸医薬とこれからの臨床応用への展望を理解する一助となれば幸甚である.
目 次
総論
核酸医学によるがん治療の最前線……今野雅允・石井秀始
多様な核内マイクロRNAの機能……大野慎一郎・黒田雅彦
マイクロRNAを用いた核酸抗癌薬の開発……井上純・稲澤譲治
核酸医薬のためのDDS……西山伸宏
各論
乳がんに対するマイクロRNA治療薬の開発現状……橋陵宇
K-RAS変異大腸癌に対するマイクロRNA医薬の開発……赤尾幸博
マイクロRNA発現異常を利用した肉腫における診断法・治療法の開発……藤原智洋
マイクロRNA発現異常を基盤とした新規転移抑制薬の開発──骨肉腫肺転移をモデルとして……尾ア充彦
老化関連マイクロRNAを用いた核酸医薬の開発……山本佑樹・田原栄俊
マイクロRNAが形成する制御ネットワークと疾患―マイクロRNAの阻害による治療法の開発……伊庭英夫
野生型・変異型p53とマイクロRNA――ネットワーク理解とがん分子標的の同定……土屋直人
有機化学的に修飾した核酸の有用性……梅本忠士・小比賀聡
イヌの四肢骨原発骨肉腫に対してマイクロRNA阻害核酸製剤Synthetic Tough Decoyを用いた前臨床的検討……伊藤博
最新トピックス
lncRNAを標的にした遺伝子治療……勝島啓佑・近藤豊
lncRNAの機能と関連疾患……山崎智弘・廣瀬哲郎
腫瘍生物学におけるlncRNA研究の現状と展望……山本雄介・他
lncRNAの解析から明らかとなったポリペプチドワールド……松本有樹修
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マイクロRNA研究の進歩
269巻5号 2019年5月4日
週刊(B5判,120頁)
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