医学のあゆみ
288巻3号
CAR-T細胞療法の最前線 ─現状と残された課題
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年1月
- 注文コード:928803
- 雑誌コード:20473-1/20
内容紹介
・世界初のCD19 CAR-T細胞が米国で承認され, T細胞が主要組織適合抗原非依存性に,抗体の特異性によってがん細胞上の抗原に結合し,直接傷害することが可能になり,抗体製剤の反復投与も不要となった.
・CAR-T細胞療法は,抗原を喪失した腫瘍細胞の出現により再燃をきたす.腫瘍微小環境を有するソリッドキャンサーに対する効果は限定的であり,CAR-T細胞調製の成否や所要時間の長さの課題もある.
・本特集では,CAR-T細胞開発の歴史から最新動向,CAR-T細胞療法の現状と課題,バイオマーカー,高品質のCAR-T細胞を供給するための体制構築などについてエキスパートが最新知見を紹介している.
目次
はじめに(赤塚美樹)
CAR-T細胞開発の歴史と開発動向(堤 一仁・保仙直毅)
リンパ腫に対するCAR-T細胞療法の現状と課題(伊豆津宏二)
多発性骨髄腫に対するCAR-T細胞療法の現状と課題(石田禎夫)
CAR-T細胞療法の有効性と安全性を予測するバイオマーカーの現状(下茂雅俊・加藤光次)
非ウイルス遺伝子改変CAR-T細胞の開発動向(柳生茂希)
ゲノム編集iPS細胞を用いたuniversal CAR-T/NK細胞のフロンティア(泉 響介・他)
固形腫瘍に対するCAR-T細胞療法─腫瘍微小環境(TME)制御の重要性(酒村玲央奈)
CAR-T細胞療法の標的拡大へ向けた取り組み(藤原 弘)
TOPICS
認知神経科学 赤ちゃんはどう学ぶ? 乳児の学習メカニズムの解明(平井真洋・鹿子木康弘)
救急・集中治療医学 COVID-19患者の診療と一般救急医療・集中治療の狭間で(中根正樹)
連載
医療システムの質・効率・公正─医療経済学の新たな展開(20)
健康経営とプレゼンティーイズム(永田智久)
遺伝カウンセリング─その価値と今後(10)
遺伝カウンセリング研究の現状(吉田晶子)
FORUM
ノーベル生理学・医学賞2023 mRNAワクチン開発につながったブレイクスルー(位啓史)
世界の食生活(9) インドネシア・西ジャワ州のコメ食(小坂理子)
戦後の国際保健を彩った人々(5) 木村英作と蟻田功─天然痘との闘い(山本太郎)
死を看取る─死因究明の場にて(1) 生と死の境界線(1)(大澤資樹)
数理で理解する発がん(7) ポアソン分布,指数分布,正規分布(中林 潤)
次号の特集予告
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