医学のあゆみ
269巻5号
マイクロRNA研究の進歩
5月第1土曜特集
- 総頁数:120頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2019年5月
- 注文コード:926905
- 雑誌コード:20471-5/4
内容紹介
・近年の研究により,マイクロRNA(miRNA)が腫瘍細胞の発生・進展・転移に深く関わることがわかり,診断マーカーとしてだけでなく,がん治療における標的あるいはツールとして高い注目を集めている
.
・これまでは標的への効率的なデリバリーの困難さや,miRNA自身の安定性の低さなど克服すべき課題が多く存在したが, DDS技術の改善や核酸への化学修飾技術の進歩によって,それらが解決されつつある.
・miRNAの核酸医療を実現するには,腫瘍生物学における機能や作用機序を理解するだけでは不十分であり,化学や工学分野との融合が必要である.本特集号では,miRNAによるがん治療の現状を解説いただく.
目次
総論
核酸医学によるがん治療の最前線 今野雅允・石井秀始
多様な核内マイクロRNA の機能 大野慎一郎・黒田雅彦
マイクロRNA を用いた核酸抗癌薬の開発 井上 純・稲澤譲治
核酸医薬のためのDDS 西山伸宏
各論
乳がんに対するマイクロRNA 治療薬の開発現状 橋陵宇
K-RAS 変異大腸癌に対するマイクロRNA 医薬の開発 赤尾幸博
マイクロRNA 発現異常を利用した肉腫における診断法・治療法の開発 藤原智洋
マイクロRNA 発現異常を基盤とした新規転移抑制薬の開発−骨肉腫肺転移をモデルとして 尾ア充彦
老化関連マイクロRNA を用いた核酸医薬の開発 山本佑樹・田原栄俊
マイクロRNA が形成する制御ネットワークと疾患−マイクロRNA の阻害による治療法の開発 伊庭英夫
野生型・変異型p53 とマイクロRNA−ネットワーク理解とがん分子標的の同定 土屋直人
有機化学的に修飾した核酸の有用性 梅本忠士・小比賀 聡
イヌの四肢骨原発骨肉腫に対してマイクロRNA 阻害核酸製剤Synthetic Tough Decoy を用いた前臨床的検討 伊藤 博
最新トピックス
lncRNA を標的にした遺伝子治療 勝島啓佑・近藤 豊
lncRNA の機能と関連疾患 山崎智弘・廣瀬哲郎
腫瘍生物学におけるlncRNA 研究の現状と展望 山本雄介・他
lncRNA の解析から明らかとなったポリペプチドワールド 松本有樹修
次号の特集予告
サイドメモ目次
siRNA
piRNA
エンハンサーRNA (eRNA)
エピジェネティックの制御因子を標的としたスーパーエンハンサー活性の阻害
長鎖非翻訳RNA(lncRNA)
エクソソーム
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