硬組織と骨代謝を学ぶ人のための名著「骨の科学」をベースに全く新しく書き下ろした最新刊!
内容紹介
●ベストセラーとなった名著「骨の科学」をベースに,骨の形態学・生化学・整形外科学の権威3名と気鋭の研究者3名によって書き下ろされた「新 骨の科学」! 骨・歯という組織の全体像をクリアに提示した最適の入門書である同時に,この領域の研究の方向性を示唆.
●「基礎医学的側面と臨床医学的側面が一体となるように編集し,骨の生物学についての全体像が本書一冊で把握できる」など前著の特徴を引き継ぎながら,「ライフサイエンス」の視点からの厳しい評価に耐えられる新しい研究成果・新知見などを存分に取り入れて,専門家にも魅力的な内容としている.
●高齢社会の21世紀,医学・歯学・薬学・理学・農学・栄養学など,骨・歯の臨床と研究に関心のあるすべての人に提供する良書!
目次
第2章 硬組織の構造(小澤英浩,中村浩彰)
第3章 骨と歯の形づくりの分子メカニズムと,組織発生ならびに成長
第4章 硬組織の細胞とその分化
第5章 骨・軟骨・歯に特有な有機成分
第6章 石灰化の機構
第7章 骨と成長因子(田中 栄)
第8章 血清カルシウムの恒常性とその調節機構(須田立雄)
第9章 骨の量と質の測定(森 諭史)
第10章 骨のリモデリングとモデリング(橋榮明)
第11章 骨折の病態生理(森 諭史)
第12章 骨移植の病態生理と人工材料の応用(森 諭史)
第13章 病的骨吸収と骨形成
第14章 骨粗鬆症(森 諭史)
第15章 骨粗鬆症以外の代謝性骨疾患の病態生理
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
須田立雄【すだたつお】
1935年 東京に生まれる
1960年 東京医科歯科大学歯学部卒業
ニューマン夫妻の名著『骨の生化学』に啓発されて,骨の研究を始める
1964年 同大学大学院博士課程歯学研究科修了(生化学専攻)
1968年 ウィスコンシン大学留学(H.F. DeLuca教授の下でビタミンDの代謝研究に従事)
1971年 活性型ビタミンDの構造決定を終えて帰国,母校助教授
1977年 昭和大学歯学部教授(口腔生化学教室)
1992年 スペースシャトル「エンデバー号」での宇宙実験で,鶏胚の発生と骨形成に及ぼす無重力の影響を調べる
1997年 昭和大学歯学部長,法人理事,日本骨代謝学会理事長
ニューマン賞受賞(米国骨代謝学会)
1998年 紫綬褒章受賞
2000年 朝日賞受賞
昭和大学定年退任,名誉教授
2001年 日本学士院賞受賞
埼玉医科大学ゲノム医学研究センター副所長
2006年 埼玉医科大学客員教授
日本学術会議20期連携会員
「骨とビタミンD」に関する研究.ニューマン夫妻の名著『骨の生化学』(1960年,荒谷真平監訳,医歯薬出版)との出会いによって骨の研究を始め,H.F. DeLuca先生と知り合って(1968年)「ビタミンD」の研究を始めた.研究もヒトとの出会いによって始まり,研究の輪が広がる.人生そのものである.
小澤英浩【おざわひでひろ】
1935年 東京都に生まれる
1960年 東京医科歯科大学歯学部歯学科卒業
1960年 弘前大学医学部解剖学第二教室助手
1961年 新潟大学医学部解剖学第三教室助手
1963年 東京医科歯科大学医学部付属硬組織生理研究施設助手
1967年 新潟大学歯学部解剖学第二講座助教授
1967年 バンダービルト大学医学部分子生物学教室(米国テネシー州)へ留学,68年まで
1973年 新潟大学歯学部解剖学第一講座教授
1993年 新潟大学歯学部長,大学院歯学研究科長
1996年 日本電子顕微鏡学会賞
1996年 新潟日報文化賞(科学部門)
1998年 歯科基礎医学会功労賞
1999年 日本骨代謝学会賞
2000年 日本学術会議解剖学研連委員会委員
2001年 新潟大学定年退官
2001年 松本歯科大学教授,副学長,総合歯科医学研究所長
2002年 日本骨形態計測学会功労賞
2003年 松本歯科大学副学長,大学院研究科長,総合歯科医学研究所長
2004年 松本歯科大学学長,大学院歯学独立研究科長,総合歯科医学研究所長
2006年 松本歯科大学理事長補佐
2007年 日本歯科医学会会長賞(研究部門)受賞
硬組織の形成と吸収に関する微細構造学的・分子細胞生物学的研究,硬組織の石灰化に関する微細構造学的・分子細胞生物学的研究が現在の主な研究テーマである.
田中 栄【たなかさかえ】
1962年 大阪府に生まれる
1987年 東京大学医学部医学科卒業
1990年 昭和大学歯学部口腔生化学教室研究員(須田立雄教授)
1993年 Yale大学医学部留学(Roland Baron教授)
1996年 東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(外科学専攻)
1996年 東京大学医学部整形外科学教室助手
2004年 東京大学医学部講師,現在に至る
骨粗鬆症や関節リウマチなど,さまざまな骨代謝疾患の分子メカニズム,特に破骨細胞の分化・活性化・アポトーシスの分子メカニズムに興味をもっている.臨床の専門は関節外科.
中村浩彰【なかむらひろあき】
1962年 新潟県に生まれる
1996年 新潟大学歯学部卒業
1990年 新潟大学大学院歯学研究科博士課程修了(基礎系歯科学専攻)
1990年 新潟大学歯学部口腔解剖学第一講座助手
1997年 米国スタンフォード大学医学部留学,1999年まで
1999年 岡山大学歯学部口腔解剖学第一講座助教授
2004年 松本歯科大学歯学部口腔解剖学第二講座教授,現在に至る
骨芽細胞と破骨細胞の細胞間相互作用の形態学的解析,歯周組織の再生機構について研究を行っている.
橋榮明【たかはしひであき】
1933年 山梨県に生まれる
1958年 新潟大学医学部医学科卒業
1959年 新潟大学医学部整形外科学教室入局
1959年 米国ニューヨーク州アルバニー医科大学病院外科専攻インターン研修,整形外科リサーチフェロー,60年まで
1960年 米国ミシガン州デトロイトヘンリー・フォード病院整形外科レジデンシー,63年まで.リサーチフェロー,64年まで
1965年 新潟大学医学部整形外科学教室復局,助手,講師,助教授
1989年 新潟大学医学部整形外科学教授
1995年 日本骨代謝学会賞
1996年 新潟日報文化賞
1998年 環日本海新潟賞
1999年 定年退官,新潟大学名誉教授,新潟骨の科学研究所所長・顧問
1999年 日本整形外科学会賞
2001年 新潟医療福祉大学学長(現在に至る)
2005年 新潟医療福祉大学大学院医療福祉研究科研究科長(現在に至る)
整形外科学一般,脊椎外科学,特に脊柱側弯症の治療,骨腫瘍学,特に骨盤の骨および軟部腫瘍の治療,骨粗鬆症を含む代謝性骨疾患の研究,骨形態計測学の日本における開発と普及,骨粗鬆症に関する健康関連QOL研究,日露医学医療交流,健康関連専門職間連携教育が主な研究・関心領域である.
森 諭史【もりさとし】
1955年 東京に生まれる
1981年 金沢大学医学部卒業
1985年 琉球大学医学部整形外科
1987年 米国ユタ大学放射線生物学留学
1989年 米国ウェストバージニア大学解剖学留学
1990年 米国インディアナ大学解剖学留学
1991年 琉球大学医学部整形外科
1994年 香川大学医学部整形外科助教授
2000年 日本骨代謝学会学術賞受賞
2007年 聖隷浜松病院 骨・関節外科部長
メカニカルストレスと骨が一生の研究テーマである.