やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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最新臨床工学講座
生体機能代行技術学 体外循環装置

定価 4,180円 (本体 3,800円+税10%)
  • 総頁数:240頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年2月
  • ISBN978-4-263-73474-2
  • 注文コード:734740

講義から国試対策まで幅広く役立つ定番テキストがリニューアル!

内容紹介

●全国の教育施設で用いられている定本テキスト「臨床工学講座」シリーズが,新たに「最新 臨床工学講座」シリーズとしてリニューアル!
●日本臨床工学技士教育施設協議会監修.
●「令和8年版臨床工学技士国家試験出題基準」を網羅.
●「新カリキュラム」「タスク・シフト/シェアに伴う業務拡大」に対応.
●紙面構成を工夫し,見やすい・わかりやすいテキストとして内容を刷新.

序文

『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 日本臨床工学技士教育施設協議会の「教科書検討委員会」では,全国の臨床工学技士教育養成施設(以下,CE養成施設)で学ぶ学生達が共通して使用できる標準教科書として,2008年から『臨床工学講座』シリーズの刊行を開始しました.シリーズ発足にあたっては,他医療系教育課程で用いられている教科書を参考にしながら,今後の臨床工学技士育成に必要,かつ教育レベルの向上を目的とした教科書作成を目指して検討を重ねました.刊行から15年が経過した現在,本シリーズは多くのCE養成施設で教科書として採用いただき,また国家試験出題の基本図書としても利用されています.
 しかしながらこの間,医学・医療の発展とそれに伴う教育内容の変更により,教科書に求められる内容も変化してきました.そこでこのたび,臨床工学技士国家試験出題基準の改定〔令和3年版および令和7年版(予定)〕,臨床工学技士養成施設カリキュラム等の関係法令改正,タスク・シフト/シェアの推進に伴う業務拡大等に対応するため,『最新臨床工学講座』としてシリーズ全体をリニューアルし,さらなる質の向上・充実を図る運びとなりました.
 新シリーズではその骨子として以下の3点を心がけ,臨床工学技士を目指す学生がモチベーション高く学習でき,教育者が有機的に教育できる内容を目指しました.
 (1)前シリーズ『臨床工学講座』の骨格をベースとして受け継ぐ.
 (2)臨床現場とのつながりをイメージできる記述を増やす.
 (3)紙面イメージを刷新し,図表の使用によるビジュアル化,わかりやすい表現を心がけ,学生の知識定着を助ける.
 医療現場において臨床工学技士に求められる必須な資質を育むための本教科書シリーズの意義を十分にお汲み取りいただき,本講座によって教育された臨床工学技士が社会に大きく羽ばたき,医療の発展の一助として活躍されることを願ってやみません.
 本講座のさらなる充実のために,多くの方々からのご意見,ご叱正を賜れば幸甚です.
 2024年春
 日本臨床工学技士教育施設協議会 教科書検討委員会
 最新臨床工学講座 編集顧問


序
 本書は,臨床工学技士が卒業後にかかわる体外循環業務に必要な知識と技術について,基礎から応用までを体系的に学べる教科書として編纂されました.初学者にも理解しやすいよう,豊富な図表を用いるとともに,各章では平易かつ明快な記述を心がけています.ご執筆いただいたのは,体外循環の臨床と教育の両面において豊かな見識と経験を有する先生方であり,現場のリアリティと教育的配慮が融合した内容となっています.
 体外循環装置は,1930年代にGibbonによって開発が始まりました.それから約90年,技術は著しい進化を遂げ,今日では臨床に欠かせない重要な医療技術として確立されています.
 日本国内では,現在も年間6万件を超える心臓血管外科手術が行われており,その多くにおいて体外循環装置が用いられています.とくに,新生児から高齢者まで幅広い年齢層に対応する必要があるなかで,遠心ポンプ,中空糸型人工肺,陰圧吸引補助脱血など,機器の高性能化や安全性の向上が進み,さまざまな技術革新が臨床現場に取り入れられています.
 一方,医療技術の進展により,カテーテル治療,オフポンプ手術,MICS(低侵襲心臓手術),ロボット支援手術,人工心臓(VAD)など,先進的な治療手法が広まりつつあります.また,新型コロナウイルス感染症の流行下では,重症患者へのECMO管理において臨床工学技士が最前線で活躍し,その専門性と役割の重要性が社会的にも広く認識されました.
 このように,体外循環を取り巻く技術や環境は日々進化を遂げていますが,その根幹をなすのは,装置の構造や動作原理に関する確かな理解と判断力,そして医療従事者としての倫理観にほかなりません.
 本書では,そうした教育の原点に立ち返り,基礎からしっかりと学べる構成としました.臨床工学技士を目指す学生が,国家試験合格にとどまらず,将来の臨床現場においても確かな判断と安全な操作ができるようになることを目指しています.
 近年,臨床工学技士の職域は大きく拡大し続けています.体外循環業務においても,単なる装置の操作だけでなく,術中の循環管理,多職種との連携,さらには突発的なトラブルへの対応など,より高度な専門性と,チーム医療の中核としての役割が求められています.今後も,手術チーム全体の密な連携のもと,装置作動時間の短縮や操作の標準化,業務の効率化を図ることで,合併症リスクの低減と手術成績のさらなる向上が求められていくことに変わりはありません.
 本書が,臨床工学技士国家試験を目指す学生にとっての良き学習指針となるとともに,すでに現場で活躍されている技士の皆様にとっても,知識の再確認や業務の質の向上に資する一冊となることを願っております.
 最後に,本シリーズのさらなる充実と発展のため,読者の皆様からのご意見・ご助言を賜れましたら幸いです.
 2026年1月
 福長一義
 古平 聡

目次

 『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 序
第1章 人工心肺の基礎知識
 1 人工心肺とは
  1.人工心肺システムの特徴
  2.人工心肺装置の発展
 2 人工心肺に必要な工学的知識
  1.単位
  2.流体力学
第2章 人工心肺システム
 1 人工心肺システムの概略
 2 脱血と送血
  1.脱血
  2.送血
 3 人工心肺回路
  1.回路チューブ
  2.プレコネクト仕様
  3.カニューレ
  4.吸引(サクション)
  5.ベント
 4 貯血槽(リザーバ)
  1.静脈貯血槽(静脈リザーバ)
  2.ハードシェルリザーバ
 5 血液ポンプ
  1.ポンプ(pump)
  2.血液ポンプに求められる特性
  3.ローラポンプ
  4.遠心ポンプ
 6 人工肺
 7 熱交換器と冷温水供給装置
 8 動脈フィルタ
 9 心筋保護液供給装置
 10 その他の関連装置
第3章 循環生理と心臓疾患
 1 体外循環の生理
 2 循環器の解剖生理
  1.血管の種類と役割
  2.毛細血管,組織,リンパ管の役割と毛細管動態
  3.循環の調節
 3 体外循環中の血行動態
 4 体外循環の病態生理
  1.体外循環により生じる非生理的現象(問題点)
  2.適正灌流量(optimal flow)
  3.灌流量と臓器循環
  4.末梢血管抵抗変化と灌流圧
  5.低体温法
  6.血液希釈法
  7.凝固・線溶系の変動
  8.体外循環による生体反応と合併症
 5 外科治療が必要となる心疾患の病態
  1.心不全
  2.虚血性心疾患
  3.弁膜症
  4.大動脈疾患
  5.先天性心疾患
第4章 人工心肺の操作の実際
 1 術前の準備
  1.充填液の準備
  2.人工心肺回路の準備
 2 人工心肺の操作
  1.手術の開始
  2.人工心肺の開始
  3.人工心肺の維持
  4.人工心肺からの離脱
  5.人工心肺終了後の処理
 3 人工心肺の記録
 4 術後管理
  1.術後患者管理の目標
 5 偶発的合併症
第5章 人工心肺のモニタリング
 1 人工心肺側モニタ
  1.脱血温度,送血温度
  2.送血圧,回路内圧
  3.流量計
  4.レベルセンサ(貯血容量監視制御機器)
  5.気泡検出器(バブルディテクタ)
  6.貯血槽内圧
 2 生体側モニタ
  1.活性化凝固時間(ACT)
  2.動脈圧(ABP)
  3.中心静脈圧(CVP)
  4.左房圧,肺動脈楔入圧
  5.心電図
  6.血液ガス,ヘマトクリット,電解質
  7.尿量
  8.各種体温
第6章 心筋保護
 1 心筋保護の目的
 2 心筋保護の概念
  1.心停止
  2.低温
  3.エネルギー生成に必要な器質の供給
  4.適切なpHのコントロール
  5.細胞膜の安定化
  6.心筋浮腫の予防
 3 心筋保護法の種類
  1.晶質液法
  2.血液併用法
 4 心筋保護液の灌流法
  1.順行性灌流法(antegrade)
  2.選択的灌流法
  3.逆行性灌流法(retrograde)
 5 心筋保護液の灌流回路
  1.基本構成
  2.灌流回路
 6 灌流手順
  1.順行性心筋保護
  2.逆行性心筋保護
 7 その他の注入手技
 8 心筋局所冷却法
第7章 人工心肺の安全管理とトラブルシューティング
 1 人工心肺の危険要素
  1.装置を止めることによる危険性
  2.動脈や主要臓器に直接送血していることによる危険性
  3.大量の血液を体外に導く危険性
  4.非生理的な状況下にある危険性
  5.その他の危険性
 2 安全な人工心肺システムと安全装置
  1.レベルセンサ(レベルアラーム)
  2.気泡検出器(バブルセンサ)
  3.送血フィルタとエアトラップ
  4.圧力アラームと制御装置
  5.流量計と低流量アラーム
  6.ガスモニタ
  7.逆流防止弁と安全弁
  8.非常用電源とバッテリおよび手動装置
 3 トラブルの対処
  1.状況認識
  2.対処法の判断と決断
  3.交換作業
 4 典型的な人工心肺トラブルの対処法
  1.圧力の異常
  2.脱血不良
  3.人工肺の酸素化不良
  4.空気の誤送
  5.送血ポンプの故障(停電)
  6.血液の凝固
第8章 その他の人工心肺
 1 新生児・小児の人工心肺
  1.体循環血液量
  2.人工心肺回路
  3.灌流量
  4.左右短絡
  5.動脈管開存(PDA)
  6.単心室
  7.血液濃縮
  8.一酸化窒素吸入療法と低酸素療法
 2 胸部大血管手術の人工心肺
  1.動脈瘤の種類
  2.動脈瘤の位置と送血部位
  3.大血管手術時の合併症・トラブル
 3 オフポンプ冠動脈バイパス手術
 4 MICS
  1.カニュレーション
  2.人工心肺操作
  3.心筋保護
  4.低体温
  5.開胸へのコンバージョン
  6.PaCO2の管理
  7.手術支援ロボットを使用したMICS
 5 経カテーテル大動脈弁植込み術(TAVI)
  1.カテーテルの挿入
  2.TAVIの合併症
  3.TAVI中の人工心肺
 6 経皮的僧帽弁接合不全修復術
 7 MAZE手術
第9章 補助循環
 1 大動脈内バルーンパンピング(IABP)
  1.原理・構造
  2.適応
  3.禁忌
  4.合併症,トラブル
  5.IABPの離脱(weaning)
 2 補助循環用ポンプカテーテル(IMPELLA)
  1.原理・構造
  2.適応
  3.禁忌
  4.合併症,トラブル
  5.IMPELLAの離脱(weaning)
 3 体外式膜型人工肺(ECMO),経皮的心肺補助(PCPS)
  1.原理・構造
  2.適応
  3.禁忌
  4.合併症,トラブル
  5.ECMOの離脱(weaning)
 4 補助人工心臓(VAD)
  1.原理・構造
  2.適応
  3.合併症,トラブル
  4.補助人工心臓の離脱(weaning)

 付録1 人工心肺装置に関する用語
 付録2 各種規格
 付録3 ガイドライン
 付録4 臨床工学技士国家試験出題基準(生体機能代行装置学)
 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
福長一義【ふくながかずよし】
 1995年 日本工学院専門学校臨床工学科卒業(臨床工学技士)
 1998年 東京電機大学工学部電子工学科(飛び級)
 2000年 東京電機大学理工学部博士前期課程修了(応用電子工学専攻)
 2003年 東京電機大学理工学部博士後期課程修了(応用システム工学専攻)
 2003年 東京電機大学フロンティア共同研究センター助手
 2006年 杏林大学保健学部臨床工学科助手
 2008年 杏林大学保健学部臨床工学科講師
 2012年 杏林大学保健学部臨床工学科准教授
 2018年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
     現在に至る 博士(工学)

古平 聡【こひらさとし】
 1991年 東京電子専門学校臨床工学科卒業(臨床工学技士)
 1991年 北里大学病院ME部
 1999年 北里大学病院ME部主任
 2013年 北里大学病院ME部係長
 2016年 九州保健福祉大学保健科学研究科後期課程修了
 2016年 北里大学病院ME部副技師長
 2020年 北里大学医療衛生学部医療工学科臨床工学専攻教授
     現在に至る 博士(保健科学)

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日本臨床工学技士教育施設協議会 監修/福長一義・古平聡 編/加藤伸彦・中村淳史・大島浩・百瀬直樹・東條圭一 執筆