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最新臨床工学講座
医用電気工学1

定価 3,300円 (本体 3,000円+税10%)
  • 総頁数:200頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年3月
  • ISBN978-4-263-73468-1
  • 注文コード:734680

講義から国試対策まで幅広く役立つ定番テキストがリニューアル!

内容紹介

●全国の教育施設で用いられている定本テキスト「臨床工学講座」シリーズが,新たに「最新 臨床工学講座」シリーズとしてリニューアル!
●日本臨床工学技士教育施設協議会監修.
●「令和3年版臨床工学技士国家試験出題基準」を網羅.
●「新カリキュラム」「タスク・シフト/シェアに伴う業務拡大」に対応.
●紙面構成を工夫し,見やすい・わかりやすいテキストとして内容を刷新.

序文

『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 日本臨床工学技士教育施設協議会の「教科書検討委員会」では,全国の臨床工学技士教育養成施設(以下,CE養成施設)で学ぶ学生達が共通して使用できる標準教科書として,2008年から『臨床工学講座』シリーズの刊行を開始しました.シリーズ発足にあたっては,他医療系教育課程で用いられている教科書を参考にしながら,今後の臨床工学技士育成に必要,かつ教育レベルの向上を目的とした教科書作成を目指して検討を重ねました.刊行から15年が経過した現在,本シリーズは多くのCE養成施設で教科書として採用いただき,また国家試験出題の基本図書としても利用されています.
 しかしながらこの間,医学・医療の発展とそれに伴う教育内容の変更により,教科書に求められる内容も変化してきました.そこでこのたび,臨床工学技士国家試験出題基準の改定〔令和3年版および令和7年版(予定)〕,臨床工学技士養成施設カリキュラム等の関係法令改正,タスク・シフト/シェアの推進に伴う業務拡大等に対応するため,『最新臨床工学講座』としてシリーズ全体をリニューアルし,さらなる質の向上・充実を図る運びとなりました.
 新シリーズではその骨子として以下の3点を心がけ,臨床工学技士を目指す学生がモチベーション高く学習でき,教育者が有機的に教育できる内容を目指しました.
 (1)前シリーズ『臨床工学講座』の骨格をベースとして受け継ぐ.
 (2)臨床現場とのつながりをイメージできる記述を増やす.
 (3)紙面イメージを刷新し,図表の使用によるビジュアル化,わかりやすい表現を心がけ,学生の知識定着を助ける.
 医療現場において臨床工学技士に求められる必須な資質を育むための本教科書シリーズの意義を十分にお汲み取りいただき,本講座によって教育された臨床工学技士が社会に大きく羽ばたき,医療の発展の一助として活躍されることを願ってやみません.
 本講座のさらなる充実のために,多くの方々からのご意見,ご叱正を賜れば幸甚です.
 2024年春
 日本臨床工学技士教育施設協議会 教科書検討委員会
 最新臨床工学講座 編集顧問


序
 医用電気工学1(臨床工学講座初版:2009年7月発行)を,改訂する運びとなった.
 本書の執筆の方針は初版より受け継がれている.すなわち,臨床工学技士法誕生から現在までの臨床工学技士教育に欠けているものは何か.今後「臨床工学」という学問体系を構築していくために必要な基礎知識は何か.「工学的なセンス」を磨くための教育方法はどうしたらよいか.
 これらの一助となるようにと初版を執筆したが,「言うは易く」で思うほど成果が上がらなかった.この間,学生さん,教育現場の指導者の方々より多くのご意見を賜り,その意見を反映すべく改訂版を発行することとなった.
 今後,臨床工学技士を目指して本書で学習する学生諸君は,いわゆる「ゆとり教育」から「新課程教育」の出身へ切り替わり,理系教育を受けてくる学生が多くなると期待している.しかし,現実には,必ずしも理系の教育を受けた学生ばかりではない.このような学生にも「医療機器の作動に不可欠な電気の役割」の基本が理解できるよう,できるかぎり表現を工夫した.
 第1章では,身の周りに存在する科学的な現象について,第2~3章では,オームの法則,キルヒホッフの法則を中心とした直流回路(抵抗の直列接続,並列接続)について,電圧と電流の関係を記述した.さらに第4章は,医療機器の動力源であるエネルギー(電力)について直流を中心に記述した.
 第5章からは前章までの直流回路をふまえて,交流の基本的な表し方や受動素子(抵抗,インダクタ,キャパシタ)に対する電圧と電流の関係を中心に述べている.交流では電圧,電流の大きさのみならず,両者の時間関係(位相)が重要となるので,これらの関係を表現する方法として,ベクトル表示で基本を学習したのち,記号法(複素表記)による演算を行う学習を取り入れた.
 また,CR回路については,臨床工学講座初版の第5章でCRフィルタ回路,第6章で過渡現象を説明していたが,本書では第6章にCR回路として,CRフィルタ回路の周波数特性および過渡特性と両者の関連について記述し,医用電子回路への橋渡しとした.また,Tipsではより進んだ考え方を中心に説明し,各章の章末には学習した内容を確認してステップアップできるように演習問題を多くした.
 本書は,臨床工学における医療機器の作動原理を理解するための医用電気工学の基本的な学習を目指し「現象を理解させること」を主目的としたが,浅学のため厳密さを欠く表現など多々あろうと思う.初版同様にご批判やご指導をいただければ幸いである.
 2025年1月
 戸畑裕志
 中島章夫
 福長一義


臨床工学講座『医用電気工学』の序
 臨床工学技士法誕生から現在までの臨床工学技士教育に欠けているものは何か.今後,「臨床工学」という学問体系を構築していくために必要な基礎知識は何か.「工学的なセンス」を磨くための教育方法はどうしたらよいか.―これらは,臨床工学技士になるための教育課程の中で,これまで真剣に取り組まれてこなかった事項であると認識しておく必要があるだろう.こうした状況をふまえて本書は,次の4つのポイントについて十分に配慮した内容となっている.
 (1)本書の内容が,臨床工学課程に入学した学生が「最初」に学ぶ工学関連の1分野であることを念頭に置き,電気工学・電気磁気学を学ぶうえで,「いかに電気(物理)嫌いにならずに興味をもちながら学習・理解できるか」について留意した.
 (2)本書は電気工学・電磁気学の基礎知識を医療領域で応用することを目指す学問の教科書である.日進月歩で進化する医療機器の原理となる電気的知識に関して理解を深め,「高校物理レベル(基礎)から,将来臨床工学技士として活用できるレベル(医療領域での応用)まで到達すること」ができる内容であることを目指した.
 (3)本書で学ぶ学生が「ゆとり教育」出身であり,身の周りに存在する科学的な現象について,十分に「考え,推論し,疑問を投じ,異見を聞き,また考える」という教育経験を受けてきていない場合も少なくない.そうした多くの学生の教育に携わる教員にとっても,本書が「教授しやすい内容・構成である」ように配慮した.
 (4)最後に,医療現場において他医療従事者より臨床工学技士が優位でなければならない点は,「電気的(物理的)センス」をもっていることだと常々感じている.「電気的センス」とは例えば,「電池」は日常でも医療現場でも様々な製品や機器に使われているポピュラーなエネルギー源であるが「使用前後の電池の質量は変わるのか?」…といったような疑問をもつことである.本書には,読者がたくさんの「電気的センス」という抽出をつくることができるような情報も数多く収載した.それらは将来,読者が患者さんの命を預かる臨床工学技士として,各種医療機器や病院電気設備などの理解や安全管理をする際にも参考になるであろう.
 本書は,従来型の電気工学関連の教科書・参考書とは一線を画した内容・構成を目指し,苦労を重ね執筆していただき,編集を行った.そのため,原理や公式の説明だけにとらわれずに「現象を理解させること」を目的として,電気・物理的現象の基礎について高校物理を学んでいない学生にも理解できる工夫(身の周りや医療機器につながる「Tips」の概説や,視覚的素材を取り入れた解説など)を凝らした.また学生が自分でも理解度を確認できるよう,本文中に簡単な演習問題を織り交ぜ,更にステップアップのために各章末にはexerciseを数問用意した.
 臨床工学技士を目指す学生諸君のみならず教育現場の第一線で活躍されている教員の方々におかれても,「臨床に必要な電気的基礎を理解し,センスをもって臨床で応用できる力を養う」手引きとして本書が,臨床工学技士教育向上のために寄与できるものと信じている.
 2008年11月
 戸畑裕志
 中島章夫

目次

 「最新臨床工学講座」の刊行にあたって
 序
 臨床工学講座『医用電気工学』の序
第1章 電気とは
 1 身のまわりの電気現象と電気の学び方
 2 静電気から学ぶ電気現象
 3 電気の正体は?
 4 医療機器に欠かせない電気の役割
第2章 電流と電圧の関係
 1 電流が流れる現象とは
 2 電荷と電流の関係
 3 電圧・電位の関係とその表し方
 章末問題
第3章 直流回路
 1 電気回路とは
 2 オームの法則
 3 抵抗の接続と電圧降下
 4 合成抵抗(直列・並列接続)
 5 複雑な回路における解法
  1.キルヒホッフの法則
  2.重ねの理
  3.テブナンの定理
 6 抵抗の測定方法
  1.テスタによる測定
  2.電圧・電流計法
 7 未知抵抗の測定(ブリッジ回路)
 8 電圧・電流の測定
  1.直流電圧の測定
  2.直流電流の測定
 9 電圧源の接続と内部抵抗
 章末問題
第4章 電流の発熱作用と電気エネルギー
 1 仕事とエネルギー
 2 ジュール熱
  1.ジュールの法則
  2.電流による発熱作用
 3 電力量
 4 電力
 5 電力量と電力の実際
 6 供給電力の最大化
 7 送配電
  1.送配電効率
  2.送配電の実際
  3.系統接地
  4.感電と漏電
 章末問題
第5章 交流回路
 1 交流と直流
  1.交流と直流の違いとは
 2 商用交流電源と[100V単相交流]の表し方
  1.商用交流電源とは
  2.商用交流電源の波形
 3 正弦波交流の表し方
  1.変化の速さ(周期,周波数,角速度)
  2.位相,位相差
  3.電圧・電流の大きさ
  4.波高率と波形率
 4 交流の表示方法(ベクトル表示)
  1.ベクトルを使っての表示法
  2.正弦波のベクトル表示
 5 交流に対する素子の特性(抵抗,キャパシタ,インダクタ)
  1.抵抗の働き
  2.インダクタの働き
  3.キャパシタの働き
 6 交流電流を妨げるもの
  1.交流に対する各リアクタンスの性質
  2.インピーダンスとアドミタンス
 7 直列回路
  1.RL直列回路
  2.RC直列回路
  3.RLC直列回路
 8 並列回路
  1.RL並列回路
  2.RC並列回路
  3.RLC並列回路
 9 記号法(交流の複素数表記)
  1.ベクトルの極表示と直交表示
  2.記号法
  3.記号法による直列回路
  4.記号法によるRLC並列回路
 10 共振
  1.直列共振回路
  2.並列共振回路
 11 交流の電力
  1.交流の電力の表し方
  2.電力の式の関係(皮相電力,有効電力,無効電力)
 章末問題
第6章 CR回路
 1 CR回路を用いたフィルタの種類
  1.ハイパスフィルタ
  2.ローパスフィルタ
 2 過渡現象
  1.CR直列回路の充電現象
  2.CR直列回路の放電現象
  3.CR直列回路と方形波パルス
  4.医療機器でのCR直列回路
 章末問題

付録
 1 電気に必要な数学の基礎
  A 指数と対数
  B 有効数字
  C 三角関数
  D 虚数の取り扱いと複素数
 2 電気・電子に関する単位(物理量)と図記号
  A 単位と文字
  B 図記号
 3 抵抗器のカラーコード(5本線式)と各種抵抗器
 4 臨床工学技士 国家試験出題基準(医用電気電子工学)
 章末問題の解答

 索引

 Tips CONTENTS
  第1章 電気とは
   マインドマップとは
   静電誘導とは
   放電とは
  第2章 電流と電圧の関係
   電流
   アンペア(A)とクーロン(C)
   管の中の流れ
  第3章 直流回路
   回路
   ジュール熱
   電子回路と電気回路の違いは?
   ガルヴァーニ電池
   比例とは
   導体・不導体・半導体
   (豆)電球でオームの法則の実験は御法度!?
   クリスマスツリーの電球
   キルヒホッフの第二法則
   電圧計と電流計
   ブリッジ回路の応用例:血圧トランスデューサ(ストレインゲージ)
   電池
   エボルタ電池
  第4章 電流の発熱作用と電気エネルギー
   電気メス
  第5章 交流回路
   電気角
   積分による平均値の求め方
   積分による実効値の求め方
   電気工学で使用されるタンス
  第6章 CR回路
   過渡現象の式の求め方
   時定数の単位
   LR回路の過渡現象

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
戸畑裕志【とばたひろし】
 1978年 福岡大学工学部電子工学科卒業
 1978年 久留米大学病院中央手術部勤務
 2000年 久留米大学病院臨床工学センター技師長
 2007年 九州保健福祉大学保健科学部臨床工学科教授
 2010年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
 2011年 九州保健福祉大学(現:九州医療科学大学)保健科学部臨床工学科教授
 2020年 九州保健福祉大学生命医科学部生命医科学科特任教授
     現在に至る 臨床工学技士,博士(医学)
中島章夫【なかじまあきお】
 1991年 慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業
 1993年 慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻前期博士課程修了
 1993年 防衛医科大学校医用電子工学講座助手
 1999年 日本工学院専門学校臨床工学科科長
 2006年 東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻後期博士課程修了
 2006年 杏林大学保健学部臨床工学科助教授(先端臨床工学研究室)
 2007年 杏林大学保健学部臨床工学科准教授
 2020年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
     現在に至る博士(医学)
福長一義【ふくながかずよし】
 1995年 日本工学院専門学校臨床工学科卒業(臨床工学技士)
 1998年 東京電機大学工学部電子工学科(飛び級)
 2000年 東京電機大学理工学部博士前期課程修了(応用電子工学専攻)
 2003年 東京電機大学理工学部博士後期課程修了(応用システム工学専攻)
 2003年 東京電機大学フロンティア共同研究センター助手
 2006年 杏林大学保健学部臨床工学科助手
 2008年 杏林大学保健学部臨床工学科講師
 2012年 杏林大学保健学部臨床工学科准教授
 2018年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
     現在に至る博士(工学)

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日本臨床工学技士教育施設協議会 監修/戸畑裕志・中島章夫・福長一義 編/佐藤求 執筆