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最新臨床工学講座
医用電子工学

定価 4,180円 (本体 3,800円+税10%)
  • 総頁数:272頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年3月
  • ISBN978-4-263-73470-4
  • 注文コード:734700

講義から国試対策まで幅広く役立つ定番テキストがリニューアル!

内容紹介

●全国の教育施設で用いられている定本テキスト「臨床工学講座」シリーズが,新たに「最新 臨床工学講座」シリーズとしてリニューアル!
●日本臨床工学技士教育施設協議会監修.
●「令和3年版臨床工学技士国家試験出題基準」を網羅.
●「新カリキュラム」「タスク・シフト/シェアに伴う業務拡大」に対応.
●紙面構成を工夫し,見やすい・わかりやすいテキストとして内容を刷新.

序文

『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 日本臨床工学技士教育施設協議会の「教科書検討委員会」では,全国の臨床工学技士教育養成施設(以下,CE養成施設)で学ぶ学生達が共通して使用できる標準教科書として,2008年から『臨床工学講座』シリーズの刊行を開始しました.シリーズ発足にあたっては,他医療系教育課程で用いられている教科書を参考にしながら,今後の臨床工学技士育成に必要,かつ教育レベルの向上を目的とした教科書作成を目指して検討を重ねました.刊行から15年が経過した現在,本シリーズは多くのCE養成施設で教科書として採用いただき,また国家試験出題の基本図書としても利用されています.
 しかしながらこの間,医学・医療の発展とそれに伴う教育内容の変更により,教科書に求められる内容も変化してきました.そこでこのたび,臨床工学技士国家試験出題基準の改定〔令和3年版および令和7年版(予定)〕,臨床工学技士養成施設カリキュラム等の関係法令改正,タスク・シフト/シェアの推進に伴う業務拡大等に対応するため,『最新臨床工学講座』としてシリーズ全体をリニューアルし,さらなる質の向上・充実を図る運びとなりました.
 新シリーズではその骨子として以下の3点を心がけ,臨床工学技士を目指す学生がモチベーション高く学習でき,教育者が有機的に教育できる内容を目指しました.
 (1)前シリーズ『臨床工学講座』の骨格をベースとして受け継ぐ.
 (2)臨床現場とのつながりをイメージできる記述を増やす.
 (3)紙面イメージを刷新し,図表の使用によるビジュアル化,わかりやすい表現を心がけ,学生の知識定着を助ける.
 医療現場において臨床工学技士に求められる必須な資質を育むための本教科書シリーズの意義を十分にお汲み取りいただき,本講座によって教育された臨床工学技士が社会に大きく羽ばたき,医療の発展の一助として活躍されることを願ってやみません.
 本講座のさらなる充実のために,多くの方々からのご意見,ご叱正を賜れば幸甚です.
 2024年春
 日本臨床工学技士教育施設協議会 教科書検討委員会
 最新臨床工学講座 編集顧問


序
 本「医用電子工学」は,電気電子の基礎を学ぶうえで,最新臨床工学講座「医用電気工学1」,「医用電気工学2」に引き続く書と位置づけられる.臨床工学技士やME技術を学ぶ者のみならず,広く電気電子工学の初学者を対象として,電子工学や電子回路の基礎を網羅できる内容としている.
 全体をアナログ回路(第1~7章),ディジタル回路(第8~14章),通信(第15章)の3つで構成した.
 アナログ回路の冒頭では,現代社会を成り立たせているといっても過言ではない半導体の基礎を元に,半導体のエネルギー準位の考え方などを概説することによって(第1章),半導体素子の特性の理解へとつながるよう工夫した.ダイオードやトランジスタは,素子としての基礎的な性質を理解したうえで(第2,5章),実際身のまわりで使われている回路(第3,4章)や特徴とその働き(第6,7章)について内容を掘り下げるとともに,オペアンプでは回路実験や回路シミュレーションで確認しやすいような基礎的かつ実用に即した回路例をあげ(第8章),回路動作を検証しながら理解を深められる内容とした.また電子回路素子(第9章)について概説し,身のまわりで用いられている各種半導体センサなどの特徴や応用例を理解できる内容とした.ディジタル回路では,臨床工学講座「医用情報処理工学」との重複分を精査し,0,1から始まるディジタル回路の基礎(第10章)からパルス発振回路(第14章)までの構成とした.論理回路では,各種論理ゲートを用いた回路の基礎を理解するとともに,ダイオードやトランジスタなどアナログ素子を用いた論理ゲートの働きについて理解を深めるなど,アナログ・ディジタル双方の回路を関連づけながら学べる内容とした.最後に,これらアナログやディジタルの技術を用いた通信や伝送路の仕組み(第15章)について学べる構成とした.
 工学系(電気・電子工学)では,アナログとディジタルについて別々に学習するのが一般的であるが,限られたカリキュラムのなかで医学と工学の基礎を学び,医療機器の専門家を目指す臨床工学技士やME技術者にとって,本書のようなアナログ・ディジタルのハイブリッド型教材は有効活用できると考えられる.限られた時間のなかで内容を理解する一助として,本文中の演習や例題などで予習を行い,講義や実習後に章末問題によって復習できる構成とし,巻末にその略解を示すことで,総合的な自己学習ができるよう配慮した.電子工学は電気工学と同様に,後に学ぶ医療機器(治療機器,生体計測装置や生体機能代行装置など)の原理・構造を理解し,安全に運用するのに必要となる基礎知識である.本書が少しでも読者諸氏の役に立てば,編者・著者の喜びとするところである.
 最後に,本最新臨床工学講座に関わった者の一人として一言述べさせていただく.本書のみならず,教科書を理解するには,書かれている内容に興味を示し,共感しなければならない,つまり,執筆者・編者が伝えようとしている経験や知識を理解する力が求められると考える.とはいえ,電気・電子工学の分野にて,半導体を構成する原子の構造や,目にみえない電流や電磁波などをどうやって経験・共感するかという問題がつきまとうのも事実である.したがって,書かれている文章や内容から類推したり(疑似体験),模擬したり(シミュレーション)して,それを自己の経験とする,つまり頭のなかで一生懸命に想像力を働かせることによって経験を生み出すことが必要であり,この経験が将来臨床工学技士として役立つ「工学的センス」につながると考えている.
 浅学のため厳密さを欠く表現や不測の誤りも多々あろうと思われるが,大方のご批判やご指導をいただければ幸いである.
 2025年2月
 中島章夫
 福長一義
 佐藤秀幸

目次

 「最新臨床工学講座」の刊行にあたって
 序
第1章 半導体とは
 1 半導体のはじまり
 2 物質の構造と半導体
 3 半導体の物質とその構造
 4 n型半導体とp型半導体
第2章 ダイオード
 1 ダイオードの構造と図記号
 2 ダイオードの静特性
 3 ダイオードの整流作用
 4 定電圧ダイオード(ツェナーダイオード)
 章末問題
第3章 整流平滑回路
 1 整流回路
  1.半波整流回路
  2.全波整流回路
 2 平滑化回路
  1.平滑化回路
  2.リップル率
 章末問題
第4章 波形整形回路
 1 微分回路
 2 積分回路
 3 クランプ回路
 4 リミッタ回路
 5 クリッパ回路
 章末問題
第5章 トランジスタの基礎
 1 空乏層,拡散電流,ドリフト電流
 2 バイポーラトランジスタの基礎
 3 電界効果トランジスタの基礎
 4 トランジスタの図記号
 5 トランジスタの特徴
  1.バイポーラトランジスタとユニポーラトランジスタ
  2.電流制御と電圧制御
  3.デプレッション型とエンハンスメント型
 6 増幅度
 章末問題
第6章 バイポーラトランジスタ
 1 静特性
  1.入力特性
  2.電流伝達特性
  3.出力特性
  4.定電流特性
 2 絶対最大定格
 3 バイポーラトランジスタの基本回路
  1.トランジスタ回路解析のための簡単化ルール
  2.エミッタ接地回路
  3.コレクタ接地回路(エミッタフォロア回路)
  4.ベース接地回路
 4 信号増幅回路
 5 インピーダンス変換回路
 6 その他の応用回路
 7 電力増幅回路
  1.A級シングル電力増幅回路
  2.B級プッシュプル電力増幅回路
 章末問題
第7章 電界効果トランジスタ
 1 接合形FET
  1.伝達特性と出力特性
  2.応用回路
 2 MOSFET
  1.伝達特性と出力特性
  2.応用回路
 章末問題
第8章 オペアンプ
 1 オペアンプとは
 2 オペアンプの性質と基本動作
  1.オペアンプでできること
  2.オペアンプの特徴
 3 オペアンプの規格と種類
  1.オペアンプの絶対最大定格
  2.オペアンプの電気的特性
  3.オペアンプの種類
 4 基本増幅回路
  1.反転増幅回路
  2.非反転増幅回路
  3.ボルテージフォロワ
 5 応用回路
  1.積分回路
  2.微分回路
  3.差動増幅回路
  4.加算回路
  5.比較回路
  6.負帰還増幅回路の周波数特性
 章末問題
第9章 電子回路部品・半導体センサ
 1 発光ダイオード(LED)
 2 受光素子
  1.フォトダイオード(フォトトランジスタ)
  2.光導電セル(CdSセル)
 3 三端子レギュレータ
 4 圧力センサ
 5 振動センサ,加速度センサ
 6 温度センサ(サーミスタ,熱電対)
第10章 ディジタルの基礎
 1 ディジタル
  1.ディジタル表示
  2.さまざまなディジタル
  3.ディジタル信号
 2 二進法
  1.二進数
  2.桁の重み
  3.n進法
 章末問題
第11章 論理回路
 1 論理回路と論理代数
  1.2値信号処理と真理値表
  2.論理代数の定理
 2 論理ゲート
  1.ANDゲート
  2.ORゲート
  3.NOTゲート
  4.NANDゲート
  5.NORゲート
  6.Ex-ORゲート(排他的論理和)
 3 論理式の簡単化
  1.論理代数による簡単化
  2.カルノー図による簡単化
  3.ベン図による簡単化
  4.簡単化の指標
 4 いろいろな論理回路
  1.半加算回路
  2.全加算回路
  3.一致回路
 章末問題
第12章 カウンタ回路
 1 双安定回路
 2 フリップフロップ
  1.RSフリップフロップ
  2.JKフリップフロップ
  3.Dフリップフロップ
  4.Tフリップフロップ
 3 2n進カウンタ
 4 n進カウンタ
 章末問題
第13章 AD変換,DA変換
 1 AD変換
  1.標本化
  2.量子化
  3.符号化
  4.AD変換器
 2 DA変換
  1.復号化と補間
  2.低域通過フィルタ
  3.アパーチャ効果
  4.DA変換器
 章末問題
第14章 パルス発振回路
 1 パルスとは
 2 発振とは
 3 発振回路
  1.LC発振回路
  2.水晶発振回路
 4 マルチバイブレータとは
  1.無安定マルチバイブレータ
  2.単安定マルチバイブレータ
  3.双安定マルチバイブレータ
 章末問題
第15章 通信
 1 通信とは
 2 電気通信の手段と歴史
 3 変調・復調とは
  1.変調方式の種類
  2.アナログ変調方式
  3.振幅変調の仕組み
  4.周波数変調の仕組み
  5.変調回路
  6.復調回路
  7.ディジタル変調方式
  8.パルス変調方式
 4 伝送路
 5 保健医療分野における通信の応用
 章末問題
付録
 1 電気・電子に関する単位(物理量)と図記号
 2 電気通信の歴史
 3 電波の利用形態
 4 令和3年版臨床工学技士国家試験出題基準(医用電気電子工学)

 章末問題 解答
 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
中島章夫【なかじまあきお】
 1991年 慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業
 1993年 慶應義塾大学大学院理工学研究科電気工学専攻前期博士課程修了
 1993年 防衛医科大学校医用電子工学講座助手
 1999年 日本工学院専門学校臨床工学科科長
 2006年 東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻後期博士課程修了
 2006年 杏林大学保健学部臨床工学科助教授(先端臨床工学研究室)
 2007年 杏林大学保健学部臨床工学科准教授
 2020年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
     現在に至る 博士(医学)
福長一義【ふくながかずよし】
 1995年 日本工学院専門学校臨床工学科卒業(臨床工学技士)
 1998年 東京電機大学工学部電子工学科(飛び級)
 2000年 東京電機大学理工学部博士前期課程修了(応用電子工学専攻)
 2003年 東京電機大学理工学部博士後期課程修了(応用システム工学専攻)
 2003年 東京電機大学フロンティア共同研究センター助手
 2006年 杏林大学保健学部臨床工学科助手
 2008年 杏林大学保健学部臨床工学科講師
 2012年 杏林大学保健学部臨床工学科准教授
 2018年 杏林大学保健学部臨床工学科教授
     現在に至る 博士(工学)
佐藤秀幸【さとうひでゆき】
 1998年 新潟大学工学部情報工学科卒業
 2000年 新潟大学大学院自然科学研究科情報・計算機工学専攻前期博士課程修了
 2000年 新潟工科専門学校医療福祉工学部臨床工学技士科専任教員
 2007年 国際メディカル専門学校臨床工学技士科学科長
 2010年 国際メディカル専門学校教務部長
 2021年 国際メディカル専門学校副校長
     現在に至る

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日本臨床工学技士教育施設協議会 監修/中島章夫・福長一義・佐藤秀幸 編/佐藤求・菅原俊継 執筆