やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎 第3版

定価 4,180円 (本体 3,800円+税10%)
  • 総頁数:228頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2023年1月
  • ISBN978-4-263-26667-0
  • 注文コード:266670

“リハに必要な栄養学”の基本知識をまとめた好評テキスト第3版!

内容紹介

●理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などを目指す学生に向けたリハビリテーションに特化した栄養学のテキスト.
●改訂第3版では,内容を全面的に見直し,食事摂取基準など各種資料を更新や最新のエビデンスに基づいた記述の書き換えなどを行った.
●また「栄養領域でのリハ職の役割」「リハ職の専門性を活かした栄養に関連する評価」などを追加し,よりリハ臨床に役立つ内容とした.

序文

第3版の序文
 「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などを目指す学生に栄養学の授業を担当した際に,ニーズに合った内容の教科書がない」ことに気づき,親しくさせていただいている若林秀隆先生に相談し,2013年12月に「リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎」(第1版)を上梓しました.リハビリテーション栄養(リハ栄養)に関しては,新しい知見が次々と報告されていますので,これを受けて2018年に第2版を上梓しました.
 さらに,厚生労働省の理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会では,理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則で「栄養」を必修化することが示され,2020年の入学生からカリキュラムに「栄養」が入りました.つまり,リハにとって栄養は欠かせない知識であり,本書はそれに対応した内容となっています.この背景には,高齢者の増加,地域包括ケアシステムの構築などから,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などに求められる役割が多様化しています.その必要な知識の一つが,栄養と考えられます.
 療法士の先生方は,リハを通じ患者を毎日懸命に支えているのですが,結果として低栄養状態にしてしまうことがあります.これは,リハによるエネルギー消費量が過小評価されたため,摂取するエネルギー量や栄養量の不足によって生じます.そのために,リハを行う際には,療法士の先生方が,「栄養」に配慮してもらえれば,より効率的なリハが実践できます.そのため,指定規則に「栄養」が必須になったものと考えられます.学生の皆さんは,日頃から運動をされている方や運動分野に関する知識の習得には熱心な方もみかけますが,リハ栄養とスポーツ栄養はとても近似しています.目標も持久力の向上や筋力アップなどで類似しています.継続的な運動すると食事量が増えるように,リハでも同じ現象が起こりますので,リハ栄養を学ぶことはスポーツ栄養にも通じると考えられます.
 回復期リハ病棟では,管理栄養士が,リハ実施計画等の作成に参画することや,管理栄養士を含む医師,看護師その他医療従事者が計画に基づく栄養状態の定期的な評価や計画の見直しを行うこと等が必要になってきています.つまりリハにかかわる全職種に栄養学の基礎知識が必要になったといえます.
 第2版を出版してから4年が経過し,その間にリハと栄養に関する知見が報告されました.それを踏まえ,第3版を作成いたしました.第2版から第3版の改訂の際には内容を最新の情報に書き換えましたので,頁数も7頁増えました.
 本書の作成にあたり,医歯薬出版の小口真司さんには,大変お世話になりました.終始支えていただきましたことに,感謝いたします.
 2022年11月
 栢下 淳
 若林秀隆


第2版の序文
 「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などを目指す学生に栄養学の授業を担当した際に,ニーズに合った内容の教科書がない」ことに気づき,親しくさせていただいている若林秀隆先生に相談し,2014年1月に「リハビリテーションに役立つ栄養学の基礎」(第1版)を上梓しました.
 「理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書(2017年)」では,今後入学する学生のカリキュラムの中に「栄養」を必修化することが示されています.つまり,リハにとって栄養は欠かせない知識であり,本書はその求めに応ずるものであります.この背景には,高齢者の増加が著しく,医療需要の増大や地域包括ケアシステムの構築などから,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などに求められる役割の変化が考えられます.その1つが,リハ栄養と考えられます.療法士の先生方もリハを通じ患者を毎日懸命に支えてくださるのですが,結果として低栄養状態にしてしまうことがあります.これは,リハによるエネルギー消費と摂取するエネルギー量のアンバランスによって生じます.リハを行う際には,療法士の先生方が,「栄養」に配慮してもらえれば,リハによる栄養不良を防ぎ,より効率的なリハを行うことができます.そのため,理学療法士・作業療法士学校養成施設カリキュラムに「栄養」が必須になったものと考えられます.
 2018年の診療報酬改定では,回復期リハ病棟入院料1の施設基準について,管理栄養士がリハ実施計画などの作成に参画することや,管理栄養士を含む医師,看護師その他医療従事者が計画に基づく栄養状態の定期的な評価や計画の見直しを行うことなどが要件とされました.具体的には,リハ実施計画書における栄養関連項目について記載が必須です.また,管理栄養士を含む医師,看護師その他医療従事者が,入棟時の患者の栄養状態の確認,当該患者の栄養状態の定期的な評価および計画の見直しを,共同して行います.さらに,栄養障害の状態にある患者,栄養管理をしなければ栄養障害の状態になることが見込まれる患者その他の重点的な栄養管理が必要な患者については,栄養状態に関する再評価を週1回以上行うことが必要です.これらはリハ栄養の考え方が反映されたものであり,リハにかかわる全職種に栄養学の基礎知識が必要な時代になったといえます.
 第1版を出版してから4年が経過し,その間にリハと栄養に関する数多くの論文が出されました.それを踏まえ,第2版を作成いたしました.第1版からの追加項目として,「リハビリテーション栄養の実践例」「栄養ケアプロセス」「フレイル」の3項目,さらに,第1版に使用した内容も最新の情報に書き換えましたので,頁数は30頁以上増えました.
 本書の作成にあたり,医歯薬出版の小口真司さんには大変お世話になりました.終始支えていただきましたことに感謝いたします.
 2018年2月
 栢下 淳
 若林秀隆


序文
 「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などを目指す学生を対象に,栄養学の講義を行う際,教えたい内容と合致した教科書がほとんどない」.このことが本書作成の最初のきっかけでした.以前より親しくさせていただいていた横浜市立大学附属市民総合医療センターの若林秀隆先生と協議を重ね,共同でコメディカルを目指す学生向けの栄養学の書籍を作る必要があるという結論に至りました.その際に確認したことは,コメディカルを目指す学生に必要な内容を網羅し,過度に専門的にならず,教科書として使用可能な書籍を作成するということでした.
 栄養は,乳幼児から高齢者まですべての人に必要なものですが,各ライフステージにおいて必要なエネルギーや栄養素量は変わります.本書では,病院や施設に勤務することが予想される理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などの方々が,臨床現場で接する機会の多い高齢者,疾病者および障害者に対する栄養療法の基礎が中心となっています.各疾病に対する栄養療法を学ぶ際に,栄養の基礎的な知識があれば,なぜそのような栄養療法が有用なのかを考えることができるようになります.
 疾病者・障害者では,栄養状態が悪いとリハビリテーションの効率が悪いことや予後がよくないことが知られるようになってきました.そのため,栄養状態の回復に寄与するチーム医療Nutrition Support Team(NST)を行う病院も増加しています.NSTでは,さまざまな職種の専門知識が要求されます.退院後の生活においても適切な栄養を摂取することが必要です.このため,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などの方々においても,治療やリハビリテーションを円滑に進めるうえで栄養の基礎的な知識があることが欠かせない状況になってきました.
 本書でも紹介したリハビリテーション栄養を多職種で,考え,学び,実践していく研究会として,日本リハビリテーション栄養研究会があります(研究会ホームページhttps://sites.google.com/site/rehabnutrition/).2013年11月時点での会員数は,約3,000人です.理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,看護師などを目指す学生の入会も可能です.この書籍を読んでリハビリテーション栄養に関心をもった方は,ぜひ入会していただきたいと思います.入会方法は研究会のホームページを参照してください.
 本書の出版に当たり,医歯薬出版の小口真司さんには,企画から出版に至るまで,大変お世話になりました.縁の下で終始支えていただきましたこと,心からお礼申し上げます.
 2013年12月
 栢下 淳
 若林秀隆

目次

序章 リハビリテーションにおける栄養知識の重要性
 1.栄養面から
   1 高齢社会と栄養
   2 栄養状態の評価判定
   3 栄養と生命予後
 2.リハビリテーション面から
   1 なぜPT・OT・STに栄養の知識が必要なのか
   2 リハビリテーション栄養とは
   3 リハビリテーション栄養ケアプロセス
   4 ICFと栄養
 3.リハビリテーション栄養の実践
   1 なぜリハビリテーション栄養が必要なのか
   2 低栄養はリハビリテーションのアウトカムへ負の影響を与える
   3 リハビリテーションにおける栄養介入の効果
   4 リハビリテーション栄養の実践
第1章 栄養の基礎
 1.栄養補給ルート
   1 栄養投与経路
   2 経口摂取
   3 経管栄養
   4 経静脈栄養
 2.エネルギー代謝
   1 エネルギー消費量
   2 基礎代謝量
   3 身体活動レベル
   4 健康づくりのための身体活動基準2013
 3.栄養素の役割
  1)たんぱく質
   1 消化・吸収
   2 代謝
   3 アミノ酸
   4 食品中の含量
   5 必要量の考え方
   6 低栄養の判定
  2)脂質
   1 消化・吸収
   2 代謝
   3 リポたんぱく質
   4 必要量の考え方
   5 食品中の含量
  3)炭水化物(糖質・食物繊維)
   1 糖質
   2 食物繊維
   3 アルコール
  4)ビタミン
   1 ビタミンの代謝と働き
   2 必要量の考え方
  5)ミネラル
   1 多量ミネラル
   2 微量ミネラル
 4.運動時の栄養
   1 リハビリテーションを行う患者の必要栄養量
   2 栄養素と必要量の考え方
   3 リハビリテーションと栄養素の働き
   4 レジスタントレーニングと持久力トレーニング
 5.栄養不良時の栄養
   1 栄養不良の診断と分類
   2 栄養不良時の代謝とリハビリテーションの留意点
   3 栄養不良の評価指標
   4 Refeeding症候群の予防と栄養管理
 6.侵襲時の栄養
   1 術前の栄養管理
   2 術後の栄養管理
 7.栄養ケアプロセス
   1 栄養ケアプロセスとは
   2 栄養ケアプロセスの概略
   3 症例提示
第2章 主な病態の栄養療法
 1.低栄養者の栄養管理
   1 臨床でのアミノ酸動態
   2 低栄養
   3 栄養療法
 2.摂食嚥下障害
   1 摂食嚥下障害とは
   2 器質的障害の病態生理
   3 機能的障害の病態生理
   4 心理的原因の病態生理
   5 栄養評価のポイント
   6 栄養療法
   7 摂食嚥下障害への対応
 3.フレイル
   1 身体的フレイル
   2 身体的フレイルの病態生理
   3 身体的フレイルの診断基準
   4 栄養評価のポイント
   5 身体的フレイルの栄養療法
   6 認知的フレイル
   7 社会的フレイル
   8 オーラルフレイル
 4.サルコペニア
   1 サルコペニアとは
   2 サルコペニアの原因
   3 サルコペニアの診断
   4 筋力評価
   5 骨格筋量評価
   6 身体機能評価
   7 栄養評価のポイント
   8 サルコペニアの栄養療法
   9 サルコペニアに対する栄養療法とリハビリテーションの併用
 5.ロコモティブシンドローム
   1 ロコモティブシンドロームとは
   2 ロコモティブシンドロームの病態生理
   3 ロコモティブシンドロームの診断基準
   4 栄養評価のポイント
   5 ロコモティブシンドロームの栄養療法
   6 ロコモティブシンドロームのトレーニング
 6.メタボリックシンドローム
   1 メタボリックシンドロームとは
   2 日本のメタボリックシンドロームの診断基準
   3 メタボリックシンドロームの病態生理
   4 栄養評価のポイント
   5 メタボリックシンドロームの栄養療法
第3章 主な疾患の栄養療法
 1.脳卒中
   1 病態生理と治療
   2 脳卒中の種類
   3 機能障害と機能訓練
   4 栄養評価のポイント
   5 栄養療法
   6 栄養ケアプラン
 2.誤嚥性肺炎
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 3.がん
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 4.脊髄損傷
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 5.大腿骨近位部骨折
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 6.下肢切断
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 7.関節リウマチ
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 8.慢性閉塞性肺疾患
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 9.慢性心不全
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 10.廃用症候群
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
 11.褥瘡
   1 病態生理と治療
   2 機能障害と機能訓練
   3 栄養評価のポイント
   4 栄養療法
第4章 栄養関連事項
 1.NSTの実際
   1 NSTの目的
   2 NSTにおける各職種の役割
   3 栄養評価の指標
 2.アルコールの影響
   1 代謝
   2 疾患との関連
   3 含有量
 3.タバコによる影響
   1 タバコに含まれる有害物質
   2 タバコによる代謝の変化
   3 タバコと疾患の関係
   4 タバコと低栄養

 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編著者略歴】
栢下 淳【かやしたじゅん】
1988年 徳島大学医学部栄養学科卒業
1990年 徳島大学大学院栄養学研究科修士課程修了
1999年 博士(栄養学)
2005年 県立広島大学人間文化学部健康科学科准教授
2009年 県立広島大学人間文化学部健康科学科教授
    県立広島大学大学院総合芸術研究科教授兼任
    現在に至る

若林秀隆【わかばやしひでたか】
1995年 横浜市立大学医学部卒業
1995年 日本赤十字社医療センター内科研修医
1997年 横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
1998年 横浜市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
2000年 横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション科
2003年 済生会横浜市南部病院リハビリテーション科医長
2008年 横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科助教
2016年 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科臨床疫学研究部修了
2017年 横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科講師
2019年 同准教授
2020年 東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授
    現在に至る

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栢下淳・若林秀隆 編著/吉村芳弘・鍛島尚美・山縣誉志江・渡邉光子・影山典子・塩濱奈保子・園井みか・助金淳・髙橋理美子・石川淳・井上達朗・山岸誠・柴本勇・伊藤淳子・長島恵美・津戸佐季子・栢下淳子・谷律子・長尾晶子 執筆