やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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PT・OT・STのための リハビリテーション栄養 第4版
基礎からリハ栄養口腔連携まで

定価 3,850円 (本体 3,500円+税10%)
  • 総頁数:132頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年11月
  • ISBN978-4-263-21662-0
  • 注文コード:216620

「リハビリテーション栄養」の決定版,6年ぶりに改訂!

内容紹介

●これからリハビリテーション栄養を始めるあなたにピッタリの決定版が全面改訂!
●最新の研究データや診断基準の内容を基に誌面のアップデートを行い,初学者に向けた質の高いリハビリテーション栄養を実践するための基礎がまとめられている.
●第4版では,リハ栄養口腔連携体制についても加筆され,今求められるPT・OT・STの役割を示した.

序文

第4版の序文
 16年前に『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養』を,11年前に第2版,6年前に第3版を医歯薬出版株式会社から出版させていただきました.6年前の時点で,「リハビリテーション栄養ケアプロセス」「リハビリテーション栄養診療ガイドライン2018年版」「サルコペニアと摂食嚥下障害の4学会合同ポジションペーパー」は出版されていました.しかし,2020年の時点でリハビリテーション栄養口腔連携に関しては,厚生労働省の資料に初めて登場した程度で,ほとんど普及していませんでした.しかし,この6年間でリハビリテーション栄養口腔連携の実施が,診療報酬でも介護報酬でも求められる時代に変化しました.また,アジアでのサルコペニアやカヘキシアの診断基準が変わりました.さらに,日本リハビリテーション栄養学会からさまざまな「ポジションペーパー」や「リハビリテーション栄養診療ガイドライン2026年版」が出版されました.6年間の変化を反映する必要があると考えて今回,第4版を出版させていただくことになりました.
 主な変更点は,第1章です.リハビリテーション栄養3.0という身体面だけでなく心理面,社会面,スピリチュアル面,テクノロジー面,医療者のウェルビーイングを含めた最新の考え方を紹介しています.また,サルコペニアやカヘキシアの最新の診断基準や,リハビリテーション栄養口腔連携の取り組みとチーム医療も紹介しています.コラムの多くを新たにして,「リハビリテーション栄養診療ガイドライン2026年版」のステートメントも紹介しました.2018年版と比較して,より多くの疾患や概念を含んだ診療ガイドラインとなっています.PT・OT・STの卒前教育にも卒後教育にも役立つ内容になっていると考えます.
 リハビリテーション栄養口腔連携は,急性期病棟,地域包括医療病棟,地域包括ケア病棟,回復期リハビリテーション病棟などで実施することが求められています.しかし2026年の時点では,リハビリテーション栄養口腔連携に関する加算を算定している急性期病棟,地域包括医療病棟,地域包括ケア病棟は少ないのが現状です.今後もリハビリテーション栄養口腔連携が,診療報酬面でより推進されることは間違いありません.そのため,単にリハビリテーション栄養の知識を有していて個々の患者への成果を出すだけでなく,PT・OT・ST,リハビリテーション科医師,管理栄養士,看護師など多職種で,実際に算定できる体制づくりも重要です.リハビリテーション栄養口腔連携は,リハビリテーション栄養の社会実装の一つの形ですので,ぜひより多くの臨床現場で実践していただきたいと思います.
 社会面のリハビリテーション栄養として,一般社団法人日本リハビリテーション栄養学会(https://japanrehanutr.or.jp/)や,全国各地でリハビリテーション栄養ネットワーク研究会などが活動しています.質の高いリハビリテーション栄養を継続的に実践するには,院内外での多職種連携と生涯学習が必要です.ぜひこれらの学会・研究会にご参加ください.
 最後に医歯薬出版株式会社の小口真司さんには,第1版から第4版の出版までの長い期間,ご支援をいただき,今回も大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.
 2026年9月
 若林秀隆


第3版の序文
 10年前に「PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養」を,5年前にその第2版を医歯薬出版株式会社から出版させていただきました.5年前の時点で,リハビリテーション栄養という言葉や考え方,コンセプトは,リハビリテーションと栄養にかかわる医療者に浸透していました.一方,臨床での具体的なリハビリテーション栄養の実践や診療報酬での評価,診療ガイドライン作成を含めた臨床研究は不十分でした.しかし,この5年間で,リハビリテーション栄養の実践,診療報酬,臨床研究に改善を認めました.5年間の変化を反映する必要があると考えて今回,第3版を出版させていただくことになりました.
 主な変更点は,第2章と第3章です.質の高いリハビリテーション栄養を実践するためのマネジメントサイクルとして,リハビリテーション栄養ケアプロセスを開発し,第2章で詳しく解説しています.リハビリテーション栄養ケアプロセスは臨床でまだあまり取り入れられていませんが,質の高い臨床実践に極めて有用なツールです.従来の栄養ケアマネジメントやリハビリテーション栄養ケアマネジメントから卒業して,リハビリテーション栄養ケアプロセスを活用して成果を出してもらいたいと思います.
 第3章は,「サルコペニアと摂食嚥下障害 4学会合同ポジションペーパー」と,「リハビリテーション栄養診療ガイドライン2018年版」をベースとしました.4学会合同ポジションペーパーの作成には,日本摂食嚥下リハビリテーション学会,日本サルコペニア・フレイル学会,日本嚥下医学会とともに日本リハビリテーション栄養学会も関与しました.サルコペニアの摂食嚥下障害という学術領域と臨床実践の発展に,日本リハビリテーション栄養学会も貢献できました.リハビリテーション栄養診療ガイドラインは,日本リハビリテーション栄養学会が作成して2018年に第1版を公開しました.次回は2023年に第2版を公開予定です.少ないながらもリハビリテーション栄養のエビデンスが存在することは確かですので,臨床で活用していただきたいと思います.
 2017年に日本リハビリテーション栄養研究会を発展させる形で,一般社団法人日本リハビリテーション栄養学会を設立しました(https://sites.google.com/site/jsrhnt/home).年に2回,充実した内容の学会誌を発行しています.現在の有料会員は約800人,2019年に福岡で開催した第9回学術集会の参加者は約1,240人と,発展を続けています.2020年には新型コロナウイルス感染の影響を考慮して,会員向けにリハビリテーション栄養オンラインサロンを開始しました.リハビリテーション栄養の臨床,研究,教育をさらに発展させるためには,より多くの会員が必要です.本書を手にとられた方はぜひ日本リハビリテーション栄養学会に入会して,リハビリテーション栄養のさらなる発展に貢献してください.
 最後に医歯薬出版株式会社の小口真司さんには,第3版の出版というご提案をいただき,今回も大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.
 2020年9月
 若林秀隆


第2版の序文
 5年前に『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養』を医歯薬出版株式会社から出版させていただきました.その当時,リハビリテーションと栄養のつながりは,嚥下調整食を除くとごくわずかしかありませんでした.リハビリテーションの学会に行くと栄養の発表はほぼ皆無,栄養の学会に行くとリハビリテーションの発表はほぼ皆無という状況でした.ほとんどの医療人がリハビリテーションと栄養を完全に分けていました.そこでリハビリテーションにおける栄養の大切さを伝えたいという思いで,『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養』を執筆しました.結果として多くの反響をいただき今回,第2版を出版させていただくことになりました.
 主な変更点は,本文とコラムにリハビリテーション栄養の最新情報を含めたことと,4章構成であったものを3章構成にしたことです.地域連携は,地域一体型NSTからリハビリテーション栄養サマリーの紹介にしました.サルコペニアの定義が変わり,サルコペニアの摂食嚥下障害というコンセプトができました.
 現在ではリハビリテーション栄養という言葉と考え方が,リハビリテーションと栄養にかかわる医療人にかなり浸透しました.リハビリテーションの学会に行くと栄養の発表が増え,栄養の学会に行くとリハビリテーションの発表が増えました.リハビリテーション栄養に関する書籍は約10冊になりました.2011年に設立した日本リハビリテーション栄養研究会(https://sites.google.com/site/rehabnutrition/)の会員数は,4,000人を超えました.リハビリテーションと栄養を同時に考えることの必要性が,認識されつつあります.
 今後,リハビリテーション栄養をさらに発展させるためには,実践と研究の両立が必要です.リハビリテーション栄養というコンセプトは浸透しました.しかし,リハビリテーション栄養の実践の浸透は不十分です.回復期リハビリテーション病院や高度急性期病院だけでなく,地域包括ケア病棟,介護老人保健施設など高齢者・障害者施設,在宅での実践の普及が,次の5年の重要課題です.
 リハビリテーション栄養のガイドライン作成も,次の5年の重要課題です.ガイドラインを作成するには,リハビリテーション栄養の研究を多くの医療人が行い,エビデンスを構築することが必要です.そのため日本リハビリテーション栄養研究会では,臨床研究を学習する機会としてリハビリテーション栄養研究デザイン学習会を企画しています.会員限定企画ですので,興味のある方はぜひ日本リハビリテーション栄養研究会にご入会ください.
 リハビリテーション栄養に関する原点の書籍が,『PT・OT・STのためのリハビリテーション栄養』です.私の人生を変えた書籍といっても過言ではありません.なぜリハビリテーション栄養が大切かを,より多くの医療人に知っていただく第2版になれば幸いです.
 最後に医歯薬出版株式会社の小口真司さんには,第2版の出版というご提案をいただき,今回も大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.
 2015年4月
 若林秀隆


第1版の序文
 以前の私は,PT・OT・STを行っている患者さんの栄養状態は良好で,臨床栄養管理は適切だと思い込んでいました.機能評価と予後予測の際にも,栄養のことは全く考えていませんでした.しかし,不適切な臨床栄養管理などのために餓死した患者さんを何人もみてきました.餓死寸前の患者さんに必要なものは,訓練ではなく栄養です.この経験からリハビリテーション(以下リハ)科医師とPT・OT・STは,栄養状態を含めて全人的に評価して,それに見合った訓練を実施しなければいけないと痛感しました.
 私は前医で栄養サポートチーム(NST)を立ち上げました.NSTで回診する患者さんの多くはすでにPT・OT・STを行っていて,リハとNSTが協働して初めて,ADLやQOLが改善する患者さんを経験しました.自分が考えていた予後予測以上に改善していく患者さんをみて,栄養ケアなくしてリハなし,リハなくして栄養ケアなしと確信しています.
 現在,NSTのメンバーにPT・OT・STがいることは少ないです.経口摂取にかかわる摂食・嚥下リハを除くと,リハとNSTの連携が良好ともいえません.低栄養状態で不適切な臨床栄養管理が行われている患者さんに,安易にレジスタンストレーニングを行うPT・OT・STがいます.そんな状況に思い悩んでいたときに,PT・OT・ST向けの栄養の本がないのでつくってくださいとSTに頼まれました.そこで医歯薬出版に相談したところ,制作していただけることになりました.
 栄養ケアプランの立案は比較的難しいですが,栄養状態の基本的な評価は難しくありません.PT・OT・STなら誰でも習得できます.栄養評価を自分で行えるようになると,栄養障害の患者さんの多さを実感できます.栄養状態によって訓練内容を変更する必要があるため,栄養状態はバイタルサインの1つです.より多くのPT・OT・STが栄養状態を評価できるようになり,NSTに参画して成果を出してほしいと思います.本書がその一助になれば幸いです.
 本書の主な対象はPT・OT・STですが,管理栄養士,薬剤師,看護師,臨床検査技師などリハ関連職種以外の方々は,リハ栄養の基本を学習できます.臨床栄養管理の目標の1つは,蛋白異化を少なくして蛋白同化を促すことです.筋蛋白の増加には,レジスタンストレーニングの併用が必要です.体重が増えても筋肉ではなく脂肪が増えてしまっては,ADLやQOLはあまり改善しません.NSTとリハの適切な連携で,ADLやQOLがより向上することを理解していただければ幸いです.
 振り返ってみるとNSTを通じて多くの医療人と患者さんに出会い,多くのことを学ばせていただきました.皆様との出会いがなければ,私は今でも栄養を知らずに不適切な訓練を処方するリハ科医師だったはずです.本当にありがとうございました.今後もともに学び成長したいと考えています.
 最後に医歯薬出版株式会社の担当の方には,執筆や編集で大変お世話になりました.心よりお礼申し上げます.
 2010年1月
 若林秀隆

目次

Chapter 1 リハビリテーションと栄養
 1 リハビリテーションと栄養
  なぜリハビリテーションに栄養が必要か
  リハビリテーション栄養の定義
  訓練効果を高める栄養管理
  心理面のリハビリテーション栄養
  社会面のリハビリテーション栄養
  スピリチュアル面のリハビリテーション栄養
  リハビリテーション栄養3.0
 2 低栄養時の代謝
  同化と異化
  5大栄養素の基本
  低栄養の分類
 3 運動栄養学とリハビリテーション
  サルコペニア
  栄養と運動のタイミング
  筋力を高める栄養
  持久力を高める栄養
 4 リハビリテーション栄養口腔チームにおけるPT・OT・STの役割
  リハビリテーション栄養口腔連携
  リハビリテーション栄養口腔チーム
  チーム形態の種類
  PT・OT・STの役割
 COLUMN
  日本リハビリテーション栄養学会
  リハ栄養ネットワーク研究会
  日本栄養治療学会の栄養治療リハビリテーションWG
  サルコペニア肥満
  リハビリテーション栄養指導士
Chapter 2 リハビリテーション栄養ケアプロセス
 1 リハビリテーション栄養ケアプロセスとは
  マネジメント
  セルフマネジメント
  栄養ケアマネジメント
  栄養ケアプロセス
  リハビリテーション栄養ケアプロセス
 2 リハビリテーション栄養アセスメント・診断推論
  ICF
  フレイル
  栄養評価
  身体計測
  検査値
  摂食嚥下機能評価
  リハビリテーションの種類・内容・時間
  エネルギー消費量
  エネルギー摂取量
  診断推論
 3 リハビリテーション栄養診断
  低栄養・低栄養のリスク状態
  過栄養・過栄養のリスク状態
  栄養素の不足状態
  栄養素の過剰状態
  栄養素の摂取不足・栄養素摂取不足の予測
  栄養素の摂取過剰・栄養素摂取過剰の予測
 4 リハビリテーション栄養ゴール設定
  SMARTなゴール
  栄養改善を目指したゴール設定の可否
  栄養改善のゴール設定方法
  リハビリテーションのゴール設定
 5 リハビリテーション栄養介入
  リハビリテーションからみた栄養管理
  栄養からみたリハビリテーション
 6 リハビリテーション栄養モニタリング
  リハビリテーション栄養モニタリングの項目
  リハビリテーション栄養モニタリングの頻度・期間
  モニタリングからアセスメント・診断推論へ
 COLUMN
  リハビリテーション栄養とEBRN
  プレハビリテーション
  リハビリテーション薬剤
  Refeeding症候群
  呼吸サルコペニア
  睡眠とリハビリテーション栄養
  あなたの栄養足りていますか
  行動経済学とリハビリテーション栄養
Chapter 3 主な疾患のリハビリテーション栄養
  1 サルコペニアの嚥下障害
  2 脳卒中
  3 大腿骨近位部骨折
  4 急性疾患(廃用症候群)
  5 がん
  6 リハビリテーション栄養診療ガイドライン2026
 COLUMN
  当事者研究とリハビリテーション栄養
  ポジティブ心理学とOther People Matter(OPM)
  自己覚知とリハビリテーション栄養
  他者の合理性とリハビリテーション栄養

 さらに自己学習したいPT・OT・STのための推奨サイトと推奨図書
 索引

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
若林秀隆【わかばやしひでたか】
1995年 横浜市立大学医学部卒業
1995年 日本赤十字社医療センター内科研修医
1997年 横浜市立大学医学部附属病院リハビリテーション科
1998年 横浜市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
2000年 横浜市立脳血管医療センターリハビリテーション科
2003年 済生会横浜市南部病院リハビリテーション科医長
2008年 横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科助教
2016年 東京慈恵会医科大学大学院医学研究科臨床疫学研究部修了
2017年 横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科講師
2019年 同准教授
2020年 東京女子医科大学病院リハビリテーション科教授
2021年 東京女子医科大学大学院医学研究科リハビリテーション科学分野教授・基幹分野長
    現在に至る

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若林秀隆 著