医歯薬出版のページサイトマップ
CLINICAL REHABILITATION TOP最新号臨増・別冊バックナンバー年間定期購読
特集 高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション
25巻8号 2016年8月15日 p.742-752
特集
特集 高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション 高齢者の嚥下障害の実態 井上誠
1)新潟大学大学院医歯学総合研究科摂食嚥下リハビリテーション学分野
キーワード  高齢者率の延伸 高齢者の摂食嚥下機能 口腔ケア 口腔機能 歯科治療
内容のポイント Q&A  
Q1 加齢に伴う摂食嚥下機能の低下は?
 全身機能同様に,加齢に伴う減退は嚥下機能にもある程度はあり得ると考えられるが,その多くはエビデンスに欠けるものである.生理学的機能変化と高齢者の機能の減退を混同してはいけない.歳をとったからでは済まさず,1 つひとつの機能について正しく検査・診断し,早めの対応を行うことが大切である.
Q2 高齢者の嚥下障害の特徴は?
 嚥下障害の中でも自覚しやすい・気づきやすいのは口腔である.これは,口腔の感覚機能が身体の中で最も鋭敏で多様であること,咀嚼や嚥下といった運動が口腔を主体として働いており,他覚的に判断しやすいことと関係すると考えられる.
Q3 要介護高齢者に対して歯科医療従事者が行う口腔ケアは必須か?
 口腔ケアの一義的な目的は口腔衛生状態の改善であり,この点において,歯科医療従事者が行う口腔ケアは歯,義歯の清掃として重要である.さらに,口腔ケア時に用いる冷水による温度刺激,スポンジブラシ等を使った機械的刺激は鋭敏な口腔内の受容器を刺激して嚥下機能の維持・回復を期待させる.この口腔ケアは歯科医療従事者でなくとも可能であり,ことに要介護高齢者に対しては,歯科の専門職に頼らず行われるべきである.
Q4 義歯の治療で誤嚥性肺炎は避けられる?
 義歯治療により咀嚼機能は補完される.咀嚼は口腔への機械刺激を促進し,唾液分泌を促す.唾液は味覚を発揮するためには必須である.さらに,唾液分泌によって食物の粉砕や消化,食塊形成を可能にすることで,円滑な嚥下反射を導くことになる.このことから,正しい咀嚼が正しい嚥下につながり,誤嚥を予防することにつながると期待される.
Q5 真に求められる高齢者への対応は?
 加齢に伴う摂食嚥下機能の低下はゆっくりと進行する.食事時のむせや誤嚥性肺炎の発症といった所見のみならず,食事時間の延長や食思の低下等を含めて,生活の中で認められる変化を受け止め,予防できる段階で対応することが肝心である.
Q6 地域包括ケアに期待することは?
 地域に生活する高齢者の医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供するために,食支援は欠かせない.地域包括ケアシステムの中では,単に誤嚥性肺炎の予防という観点ではなく,より質の高い食生活の維持に貢献する医科,歯科の連携は必須である.かかりつけ医とともに,かかりつけ歯科医へのつながりをもち,家族や周囲の者に気づきの配慮が必要である.
特集 高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション 高齢者の嚥下障害の実態 井上誠
本論文を購入 特集TOPへ戻る
高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション
25巻8号 2016年8月15日
月刊(B5判,100頁)
発行時参考価格 2,400円
注文コード:082508
雑誌コード:03297-08
ダウンロード購入
当社発行の雑誌は発行から1年後に論文単位でPDFファイルのダウンロード購入が可能です.
詳細はメディカルオンライン
メディカルオンライン
関連著書
歯学生のための摂食嚥下リハビリテーション学
新版 歯学生のための摂食嚥下リハビリテーション学
向井美惠・山田好秋・井上誠・弘中祥司 編著

定価 8,640円(本体 8,000円+税8%)A4判変 308頁 2019年9月発行
注文コード:458400
ISBN978-4-263-45840-2


詳細
買い物カゴへ追加
買い物カゴを見る
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2019 Ishiyaku Pub,Inc.