医学のあゆみ
294巻10号
分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線
9月第1土曜特集
- 総頁数:168頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年9月
- 注文コード:929410
- 雑誌コード:20471-9/6
内容紹介
・「メカノバイオロジー」は2015年に「AMED−CREST/PRIME メカノバイオ(略称)」が発足して以降,研究者数が急速に増加し,現在はまさに成長期にある.
・日本のメカノバイオロジーは医系研究者の層が厚く,そのさらなる発展には分子・細胞レベルの基礎研究との連携が鍵となる.基礎と応用の隔たりはまだ大きいが,それは今後の発展の余地ともいえる.
・本特集では,分子センサーと疾患の連関,組織レベルでのメカノ応答,メカノバイオロジーの臨床応用やウェアラブルデバイスによる疾患の診断・予防・治療の役割など,各著者の成果を中心とした基礎研究と臨床研究に関して,鮮度の高い情報を5章にわたってまとめる.
目次
メカノセンシングの分子基盤と疾患
PIEZOチャネルと疾患(田中智弘・野々村恵子)
生体の機械受容応答におけるTRPV2の役割(片野坂友紀・片野坂公明)
焦点接着斑と接着結合の力学状態による細胞増殖の制御─がん細胞増殖との関連(平田宏聡・他)
ずり応力センシングと疾患(山本希美子)
メカニカルストレスに起因する疾患─治療標的の同定に向けて
心臓におけるメカニカルストレス応答機構とその破綻による心不全発症のメカニズム(伊藤正道)
高血圧および高血圧性腎障害の病態生理におけるメカノチャネルPiezoの役割─臓器障害的か臓器保護的か?(長瀬美樹・長瀬 敬)
筋萎縮・サルコペニア(内田貴之・二川 健)
変形性関節症と関節のメカノバイオロジー(齋藤 琢)
メカニカルストレスと疼痛(水村和枝)
がん間質の線維化およびがん物理的特性の制御機構と臨床応用(張 涵威・他)
発生・再生・修復のメカノバイオロジー
発生・形態形成のメカノバイオロジー(近藤武史)
神経回路形成を担うメカノバイオロジー機構(嶺岸卓コ・稲垣直之)
血管新生のメカノバイオロジー(福原茂朋)
メカノバイオロジーを基軸とする,骨格筋の恒常性維持機構(平野航太郎・他)
線維化のメカノバイオロジー(渡邊颯人・仲矢道雄)
次世代メカノセラピーの開発
運動とマイオカイン分泌,運動療法への応用の可能性(眞鍋康子・藤井宣晴)
理学療法の分子基盤(前重伯壮・他)
治療に役立つリンパ系のバイオレオロジー特性(大橋俊夫・河合佳子)
メカノバイオロジーを用いた人工腱・靭帯の開発(中村皓平・他)
持続性適応機能を有するサイボーグ義手の開発(横井浩史・矢吹佳子)
超音波医療の最先端
循環器領域と神経領域における低出力パルス波超音波治療の開発(進藤智彦・下川宏明)
前立腺癌に対する超音波照射治療(重村克巳)
声帯粘膜に対する超音波振動圧刺激の応答解析(高田弘弥・他)
超音波医療技術の将来展望─ウェアラブル超音波を中心として(東 隆)
次号の特集予告
サイドメモ
Yoda1
足細胞(ポドサイト)
腎線維化・腎硬化をもたらす間葉系細胞
電位依存性Naチャネル(Nav)
用語解説(Shootinファミリー,Catch bond)
筋細胞と筋線維
マイオカインとしてのIL-6
遅筋線維と速筋線維
腱・靱帯損傷の保存療法
自家腱移植
虚血性心疾患
アルツハイマー病(AD)
医療における経時的モニタリングの意義
電子版の購入
以下のウェブサイトで論文単位の購入が可能です.
※リンク先は医歯薬出版株式会社のウェブサイトではありません.利用方法等は各ウェブサイトへお問い合わせください.