●正しい診断と治療・ケアを目指して 第一線執筆陣による最新臨床
内容紹介
●認知症を疑う患者さんを目の前にしたとき,医師はまず症状の進行度を見極め,対応を急ぐべきかを判断する必要がある.そして原因疾患とともに,認知症のタイプを的確に診断することが,その後の治療・ケアには不可欠である.
●本書は,認知症の正しい診断と治療・ケアを目指し,第一線の執筆陣によりまとめられた.2011年に適応となった新治療薬を含む薬物療法の使い分け,自動車運転の対策など最新臨床をふまえており,医師・医療スタッフにとって決定版となる一冊である.
●各章の内容
I.基本知識
→“認知症の疫学”と“背景疾患の病理”を豊富な図・写真をまじえて解説.
II.原因疾患別の認知症−病態理解と研究の進歩
→病態理解を目指した丁寧な解説とともに,最新知見を紹介.
III.検査・診断
→画像診断,神経心理学検査の方法と解釈,また認知症ケアにあたって注目される精神症状・重症度・介護負担尺度を詳説.
IV.診察の進め方
→特に類似の状態像との鑑別をはじめ,患者さん・家族から何を聴きとるのかを解説.
V.治療とケア
→アルツハイマー病の新治療薬をはじめ,薬物療法の効果,使い分け,注意点を解説.また症例をもとに原因疾患別の看護・ケアの実践を紹介.
VI.社会資源と社会支援の活用
→地域における支援体制のいかしかた,自動車運転への対応,主治医意見書の書き方など,医師として知っておくべき情報を提示.
●そのほかにトピックスとして,「性的逸脱行動」「食行動の問題」など困難例への対策とともに,「認知症疾患医療センター」「講習予備検査」など,最新の情報が紹介されている.
目次
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
池田 学【いけだまなぶ】
1984年 東京大学理学部卒業
1988年 大阪大学医学部卒業.同大学医学部附属病院神経科精神科にて研修
1993年 大阪大学大学院医学研究科(精神医学)にて博士号取得
1993年 東京都精神医学総合研究所神経病理部門に国内留学
1994年 兵庫県立高齢者脳機能研究センター研究員兼医長
1996年 愛媛大学医学部精神科神経科助手
2000年 ケンブリッジ大学神経科に国外留学
2001年 愛媛大学医学部神経精神医学講座講師
2002年 愛媛大学医学部神経精神医学講座助教授
2007年 熊本大学大学院生命科学研究部脳機能病態学分野(神経精神科)教授