やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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最新臨床工学講座
医用システム・制御工学

定価 2,860円 (本体 2,600円+税10%)
  • 総頁数:148頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2025年1月
  • ISBN978-4-263-73466-7
  • 注文コード:734660

講義から国試対策まで幅広く役立つ定番テキストがリニューアル!

内容紹介

●全国の教育施設で用いられている定本テキスト「臨床工学講座」シリーズが,新たに「最新 臨床工学講座」シリーズとしてリニューアル!
●日本臨床工学技士教育施設協議会監修.
●「令和3年版臨床工学技士国家試験出題基準」を網羅.
●「新カリキュラム」「タスク・シフト/シェアに伴う業務拡大」に対応.
●紙面構成を工夫し,見やすい・わかりやすいテキストとして内容を刷新.

序文

『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 日本臨床工学技士教育施設協議会の「教科書検討委員会」では,全国の臨床工学技士教育養成施設(以下,CE養成施設)で学ぶ学生達が共通して使用できる標準教科書として,2008年から『臨床工学講座』シリーズの刊行を開始しました.シリーズ発足にあたっては,他医療系教育課程で用いられている教科書を参考にしながら,今後の臨床工学技士育成に必要,かつ教育レベルの向上を目的とした教科書作成を目指して検討を重ねました.刊行から15年が経過した現在,本シリーズは多くのCE養成施設で教科書として採用いただき,また国家試験出題の基本図書としても利用されています.
 しかしながらこの間,医学・医療の発展とそれに伴う教育内容の変更により,教科書に求められる内容も変化してきました.そこでこのたび,臨床工学技士国家試験出題基準の改定〔令和3年版および令和7年版(予定)〕,臨床工学技士養成施設カリキュラム等の関係法令改正,タスク・シフト/シェアの推進に伴う業務拡大等に対応するため,『最新臨床工学講座』としてシリーズ全体をリニューアルし,さらなる質の向上・充実を図る運びとなりました.
 新シリーズではその骨子として以下の3点を心がけ,臨床工学技士を目指す学生がモチベーション高く学習でき,教育者が有機的に教育できる内容を目指しました.
 (1)前シリーズ『臨床工学講座』の骨格をベースとして受け継ぐ.
 (2)臨床現場とのつながりをイメージできる記述を増やす.
 (3)紙面イメージを刷新し,図表の使用によるビジュアル化,わかりやすい表現を心がけ,学生の知識定着を助ける.
 医療現場において臨床工学技士に求められる必須な資質を育むための本教科書シリーズの意義を十分にお汲み取りいただき,本講座によって教育された臨床工学技士が社会に大きく羽ばたき,医療の発展の一助として活躍されることを願ってやみません.
 本講座のさらなる充実のために,多くの方々からのご意見,ご叱正を賜れば幸甚です.
 2024年春
 日本臨床工学技士教育施設協議会 教科書検討委員会
 最新臨床工学講座 編集顧問


序
 本書は臨床工学技士に必要な知識としてのシステム工学および制御工学の基礎をまとめたものである.これらはいずれも,国家試験の項目ではあるが,過去の試験には極めて部分的な内容だけが出題されていたので,システムや制御は臨床工学技士にとってそれほど重要でないかのようにも思える.しかし,実際に取り扱われる各種の生命維持管理装置は,ほとんどがシステムとして動作している.また,これらの動作には電気的,機械的な制御が不可欠であり,システムや制御の概念を正確に理解しておくことが大切である.
 システムは非常に幅広い概念であり,単に機器の構成に留まらず,まとまりのある仕組みの全てに通用する.したがって,システム工学で展開される考え方は,生理学などで学ぶ体の仕組み,作業の段取り,様々な事象に対する理論的な考え方などに幅広く応用できる.制御工学についても同様に,単に医療機器の制御方法の理解に必要なだけでなく,多くの領域でその考え方を利用することができる.電気,電子回路でも制御は必須の技術であり,制御工学がわかれば,これらの理解も容易になるだろう.現実の物理現象は力と変位,電圧と電流,熱量と温度などがある.これらを数式モデルにすると,どれも同じような式で表すことができる.従って,一つの方法を理解できるといろいろな応用が可能になる.また物理現象を理解すると,生体の調節系などにも同じ考え方が十分に適用できる.
 本書の執筆に当たっては,システム工学や制御工学が臨床工学技士の教育に必須であることを念頭に記述項目を整理した.技術マニュアルのような教科書の場合,学習内容がすぐに現場で役立つことが望ましい.しかし,本書では,過去に出題された問題などから国家試験に直接役に立つ項目だけを取り出して解説したのでは,教育としての観点から教科書としての実質的な価値が生まれないと考えた.システム工学や制御工学は比較的新しい学問であり,その研究や学習方法には様々なアプローチがある.本書では,これらに関係する多くの領域から,医療の幅広い領域で活動する臨床工学技士として理解しておくことが望ましい内容を中心に,基礎的な事項を整理して解説した.
 システム工学については臨床工学技士に必要と思われるシステムの考え方を中心に解説し,特に,システムの設計や評価につながる利用価値の高いと思われる内容を多く盛り込んだ.一部は,安全管理学などに含まれるシステム安全と重複する内容でもあるが,システムの本質を理解したうえで,改めて学習することは意味のあることであると考える.
 また,制御工学に関しても,網羅的な説明に加えて一般的な制御工学で常用されている関数についてはやや詳しく解説した.理論的な理解に必要な数学的記述などが含まれるので,部分的にはかなり高度な内容となっているが,全体としては初歩的な内容なので努力して学習を進めてもらいたい.特に,数式を暗記するのではなく,数式の意味を理解し,図やグラフの形でイメージできることが望ましい.
 本書はシステム工学と制御工学の二つの分野を完全に区分けして記述している.したがって,この教科書を2つの講義を対象として独立に使用することも可能である.本書を開いたら,まずそれぞれの項目を通読して概要を確認しておくとよいだろう.つぎに,記述されている内容が,臨床工学技士に望まれる具体的な活動とどのように関連するのかを具体的に思い浮かべてほしい.すべてが完全に理解できなくても,役に立つ内容が多く含まれていることを感じながら,日々の学習に役立てていただきたい.
 2024年12月
 嶋津秀昭
 堀内邦雄

目次

 『最新臨床工学講座』の刊行にあたって
 序
第1章 システムとは何か
 1 システムとは
 2 システムを考える意義
 3 システムの定義
 4 システムの種類
第2章 システム工学の基本的な考え方
 1 システム工学の基礎
 2 システムの外部構造と内部構造
 3 システム要素とサブシステム
 4 システムと制御
第3章 システムの設計と評価
 1 システムの設計に先立って考慮すべき事項
 2 システム設計に必要となる計画手法
  1.機能目標を段階的に構築して設計する手法
  2.予測的な方法によって設計する手法
  3.フィードバックを利用した設計手法
  4.アイデアの発想法としてのブレインストーミング
  5.ブレインストーミングの原則と手順
 3 最適な条件を探し出す方法
  1.トレードオフ(trade-off)
  2.線形計画法
  3.動的計画法
  4.スケジューリングの記述と最適化
 4 システムの評価
  1.費用-効果分析
  2.技術アセスメントと環境アセスメント
第4章 システムの信頼性と安全
 1 信頼性とは
 2 故障
  1.初期故障
  2.摩耗故障
  3.偶発故障
 3 システムの信頼度
  1.直列システムの信頼度
  2.並列システム
  3.少し複雑なシステムの信頼度
  4.システムにおける冗長性
 4 故障と修理
 5 故障の解析
  1.FTA:fault tree analysis(“故障の木”解析)
  2.“故障の木“の作り方と“解析”の手順
  3.FMEA:Failure Mode and Effects Analysis(潜在的故障モード影響解析)
  4.FMEAワークシートの作成手順
 6 システムと人間
 7 医用電気システムとシステム安全
第5章 生体システム
 1 生体のシステム的理解
 2 生体システムの特徴
 3 生体システムの主要な構成要素と内部表現
  1.循環器系
  2.呼吸器系
  3.消化吸収系
  4.血液・体液系
  5.腎臓・排泄系
  6.内分泌系
  7.生殖系
  8.免疫系
  9.神経系
  10.筋骨格系
 4 生体システムにみられる要素間のつながり
第6章 制御とは
 1 いろいろな制御
  1.制御とは
  2.人の制御システム
  3.自動制御
 2 シーケンス制御
  1.制御系の構成
  2.リレー,シーケンサなどを使用
 3 フィードバック制御
 4 フィードフォワード制御
 5 プロセス制御
 6 ファジィー制御
 7 ロバスト制御
 8 最適制御
第7章 制御における関数の扱い
 1 制御系の関数による記述
 2 時間関数とラプラス変換
  1.時間関数
  2.ラプラス変換
  3.時定数とは
 章末問題
第8章 制御系の記述と伝達関数
 1 ブロック線図
  1.信号線
  2.ブロック
  3.加え合わせ点
  4.引き出し点
 2 ブロック線図の等価変換
  1.直列結合
  2.並列結合
  3.ブロックと引き出し点の交換
  4.ブロックと加え合わせ点の交換
  5.フィードバック結合
 章末問題
第9章 制御系の応答
 1 車のサスペンションの場合
 2 はかりに重りを乗せる場合
 3 フィードバック制御の応答と定常偏差
 4 PID制御とは
 5 PI制御
 6 PID制御
 7 周波数応答
 8 1次遅れ系の周波数応答
 9 2次遅れ系の周波数応答
 章末問題
第10章 医療における制御
 1 輸液ポンプ
 2 透析装置
 3 人工心臓

 付録 臨床工学技士国家試験出題基準(システム工学)
 章末問題の解答
 索引

 Tips contents
  第1章 システムとは何か
   「系」と「システム」
   身の回りのシステム
  第3章 システムの設計と評価
   4時間の余裕があったとすると
   PERT法を利用する
   医療におけるクリティカル・パスとクリニカル・パス
   身近な,費用-効果分析例
  第4章 システムの信頼性と安全
   スペースシャトルに5台のコンピュータを搭載
   冗長
   FTA,FMEAのソフトウェア
   JIS T 0601-1-1
   IEC
  第7章 制御における関数の扱い
   水位変化の時間関数
   ラプラス変換とラプラス逆変換
  第8章 制御系の記述と伝達関数
   畳み込み積分
  第9章 制御系の応答
   デシベル
   ラプラス変換とフーリエ変換

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【著者略歴】
嶋津秀昭【しまづひであき】
 1974年 早稲田大学理工学部機械工学科卒業
     東京医科歯科大学医用器材研究所専攻生修了
 1975年 東京医科歯科大学医用器材研究所計測機器部門文部技官
 1980年 北海道大学応用電気研究所メディカルトランスデューサ部門助手
 1982年 杏林大学講師(医学部第2 生理学教室)
 1992年 杏林大学助教授(医学部第2生理学教室)
 1993年 杏林大学教授(保健学部生理学教室)
 2006年 杏林大学教授(保健学部臨床工学科生理学・生体工学研究室)
 2018年 北陸大学教授(医療保健学部医療技術学科)
 2023年 北陸大学客員教授
     現在に至る 医学博士

堀内邦雄【ほりうちくにお】
 1981年 長野工業高等専門学校機械工学科卒業
 1983年 電気通信大学電気通信学部機械工学科卒業
 2000年 日本大学大学院理工学研究科博士後期課程医療・福祉工学専攻修了 博士(工学)
 1983年 テルモ株式会社入社
 2006年 工学院大学グローバルエンジニアリング学部機械創造工学科助教授
 2007年 同 准教授
 2015年 工学院大学先進工学部機械理工学科准教授
     現在に至る

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日本臨床工学技士教育施設協議会 監修/嶋津秀昭・堀内邦雄 著