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25巻8号 2016年8月号
特集 高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション
特集にあたって
 人口の高齢化,そして高齢者の病気と介護の急増問題に警鐘が鳴らされて久しいが,診療現場では患者の高齢化を現実として実感している.急性期病院でも脳卒中病棟や呼吸器内科のベッドは80 歳以上の患者で埋まっている.リハビリテーション(以下リハ)のニーズもそこに集中するわけである.寿命が延びたせいもあるかもしれないが,かつて75 歳といわれると高齢者と思ったものだが,今や75 歳の患者を若いとさえ感じる.75 歳の患者には,「年だから仕方ない」ではなくて「頑張ってもらわなければ」という頭で接したくなる.最近,都会に移り住んだ団塊の世代が75 歳,つまり後期高齢者になる2025 年に焦点があてられている.地方の高齢化よりも都会の高齢化のほうが問題で,病院,施設,医療・介護の従事者が絶対的に不足するといわれている.高齢者の割合ではなく高齢化の速さが問題で,地価が高く,かつ余分なスペースもない都会では高齢患者の急増には対応できないということである.実際,高齢者に地方移住を促す自治体も出てきている.この2025 年問題はまさにリハの課題といっていいであろう.
 さて,本特集で取り上げるのは高齢者の嚥下,栄養,肺炎の問題である.肺炎は近年死亡原因の第3 位に上がったが,それは高齢者人口増加に端を発し,誤嚥性肺炎が増えたことが主な原因と考えられる.再発性の誤嚥性肺炎患者ではサルコペニアに陥っている例も多い.そこには嚥下障害と低栄養が見え隠れする.嚥下障害が明らかでない場合では不顕性誤嚥が疑われる.顕性誤嚥はわかりやすい.脳卒中等の基礎疾患が明らかで構音障害とむせがあり,水飲み試験で簡単に再現できたり,嚥下造影で誤嚥を直視できたりする.これに対して不顕性誤嚥はとらえにくく,疑い病名のままで,リハでの対応も今一つクリアにはいかない.しかし,顕性,不顕性,いずれにしても誤嚥の認識と再発予防が重要であることには変わりない.その意味でも,咳嗽反射や呼吸理学療法を視 野に置くことは重要である.
 誤嚥性肺炎を繰り返す患者では,PEG 等の恒久的な非経口的栄養補給が行われてきた.これに対して日本老年医学会は,高齢者の尊厳にかかわる問題として数年前にガイドラインを作成した.以来,恒久的経管栄養は離脱不可能な人工呼吸管理と同列に扱われるようになっている.実際,患者・家族の意思確認が徹底され,安易なPEG 増設は影を潜めたが,逆にむやみに拒否するという例も出ている.摂食嚥下リハの実数はうなぎのぼりで,介入開始と中止の基準は何か,エビデンスの高い摂食機能療法は何か,改めて問い直すべき必要を感じる.今特集では,これらの観点で各領域の専門の先生方に執筆をお願いし,各々,答をいただいた次第である.(編集委員会)
目 次
高齢者の嚥下障害の実態  井上誠 詳細
高齢者の嚥下障害と誤嚥性肺炎  寺本信嗣 詳細
嚥下障害と食形態  栢下淳 詳細
高齢者の嚥下障害に対する治療指向的評価の重要性  稲本陽子柴田斉子・他 詳細
高齢者の摂食嚥下リハビリテーション  海老原覚,宮城翠・他 詳細
新連載
がんのリハビリテーションに必要な知識 
1.がんにおける評価  宮越浩一 
連載
カラー/目で見るシリーズ  支援用具から知る 障がい者スポーツとパラリンピック 
2. 陸上競技(義肢使用)  飛松好子 
障害者福祉に基づく社会参加支援 
5.地域活動支援センター  高岡徹 
地域医療の最前線! リハ科クリニック7days 
医療法人TRC たわだリハビリクリニック(愛知県名古屋市)  多和田忍 
わたしの町の地域包括ケア 
5.南魚沼市の地域包括ケアルネサンス−「大和方式」から新たな取り組みへのチャレンジへ  大西康史 
リハビリテーション用語の起源を訪ねる 
Codman exercise  津村弘 
再生医療の進歩と臨床応用 
8.腎臓再生  松本啓,横尾隆 
ニューカマー リハ科専門医 
  原貴敏 
リハ研究の進め方・まとめ方―これから始める人と今さら聞けない人のために 
III章 研究成果の発表―限られた時間でわかりやすいプレゼンテーションをするために
2.魅力的な発表,プレゼンテーションをしよう  越智光宏佐伯覚 
歴史への誘惑 
第32回 結核とハンセン病  江藤文夫 

臨床研究 
回復期リハビリテーション病棟において重回帰分析を用いて脳卒中患者の退院時FIMとFIM利得を予測した報告のレビュー  徳永誠,堀健作・他
臨床経験 
重度の腕神経叢損傷を合併した左上肢切断に筋電電動義手の使用が有益であった一症例  青柳えみか,田中宏太佳・他
高齢者の嚥下障害の評価とリハビリテーション
25巻8号 2016年8月15日
月刊(B5判,100頁)
発行時参考価格 2,400円
注文コード:082508
雑誌コード:03297-08
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