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272巻1号 2020年1月4日
第1土曜特集エピジェネティクスと疾患1月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 エピジェネティクスと疾患 はじめに 牛島俊和
  “遺伝子スイッチ”の考え方が一般にも普及してきた.2万個の遺伝子のうちどれがスイッチオンになるかで細胞の運命が決まる.同時に,スイッチのオン・オフが乱れるとさまざまな疾患の原因になり,スイッチの状態をきれいに戻すことで細胞のリプログラミングができる.この遺伝子のスイッチがエピジェネティック修飾(ゲノム全体でのパターンとしてはエピゲノム)であり,主にDNAメチル化とヒストン修飾により担われる.
 2019年現在,“epigenetic”または“DNA methylation”の単語を含む論文が年間1万報を超えるようになっており,2010年の年間5千報から倍増した.この間,ヒトの標準エピゲノム決定が国際プロジェクトとして進められたり,エピジェネティクスの役者として非コードRNAや核内高次構造の研究が大きく進展した.
 このうねりのなか,2015年11月以来,ほぼ4年ぶりに本誌で「エピジェネティクスと疾患」を特集することになった.がんのエピジェネティック診断は一部は臨床応用され,さらに臨床研究で有用性が試されているものがいくつも出現した.治療分野では,DNA脱メチル化剤とヒストン脱アセチル化酵素阻害剤はその使い方が深化し,新しいものもさらに開発されている.ヒストンメチル化を標的とした薬剤は開発・臨床研究が盛んに行われ,クロマチンリモデリングを標的とした治療も考えられるようになってきた.
 精神・神経疾患,代謝疾患,腎臓病,循環器疾患,自己免疫・アレルギー疾患などでもエピゲノム異常が見つかっており,一部には病態の原因と考えられる異常もある.環境要因によりエピゲノムが乱れ,最終的に発症する疾患がわかれば,その乱れを抑えることで予防への道も開ける.エピジェネティック制御因子の変異はいくつかの先天性疾患の原因として知られ,エピジェネティック解析により再生医療製品の安全性や品質が評価できる可能性も高まった.
 本特集では,これらの成果をまさに牽引されてきた研究者・医師の方々に,各分野のエピジェネティクス研究が,現在・近未来・将来の臨床にどのようにつながるのか解説をお願いした.読者の方のご参考になれば,編者望外の幸せである.
目 次
総論
DNAメチル化……新沼猛・鈴木拓
ヒストン修飾……秋山好光
Non-coding RNAの多様な機能とゲノム安定性維持における役割……飯島健太・近藤豊
クロマチン高次構造……山本達郎・他
各種疾患とエピゲノム異常
がんのエピゲノム異常……佐藤広明・金田篤志
がんのエピゲノム診断……竹島秀幸・牛島俊和
エピジェネティック制御因子の先天性変異……鵜木元香
ヒト胎盤におけるゲノムインプリンティング……小林記緒・他
精神疾患とepigenetic age……渡邊理紗・岩本和也
慢性疼痛におけるエピジェネティック変容の解析……田中謙一・他
糖尿病・肥満をはじめとする代謝関連疾患とエピゲノム……佐藤直市・他
腎臓病の進展に関わるエピジェネティクス……丸茂丈史
循環器疾患におけるエピゲノム異常と治療への展望……金田るり
自己免疫疾患・アレルギー疾患……小林靖子
再生医療におけるエピジェネティクスによる安全性・品質評価の重要性……島田由衣・他
エピゲノム変化の世代を超えた遺伝……吉田圭介・他
治療への展開
DNA脱メチル化剤および変異型IDH阻害薬の臨床導入と新規開発の現状……服部奈緒子・牛島俊和
阻害薬によるヒストンアセチル化の調節……高瀬翔平・他
ヒストンメチル化酵素・脱メチル化酵素阻害薬……鈴木孝禎
SWI/SNFクロマチンリモデリング複合体欠損がんを対象とした最適化がん治療……荻原秀明
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エピジェネティクスと疾患
272巻1号 2020年1月4日
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