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258巻5号 2016年7月30日
第5土曜特集がん標的分子と治療開発現状と将来
はじめに
第5土曜特集 がん標的分子と治療開発――現状と将来 はじめに 大津敦
  がん薬物療法には,近年2つの大きな波が押し寄せている.次世代シークエンサーなどのゲノム解析技術の進歩とそのコスト低減により,多数の治療標的分子の検出が可能となり,ドライバー遺伝子などの標的分子の包括的な診断と,その詳細な解析結果に基づく最適な治療薬選択(いわゆるprecision medicine)が現実のものとなり世界的に急速に普及しつつある.さらに,血液中のcell free DNA・エクソソームなどの解析によるリキッドバイオプシーの開発や,プロテオームやメタボロームなども加えた,いわゆるマルチオミックス解析技術も進歩しており,がん治療においては分子レベルでの診断と治療が実臨床のすぐ近くまで来ている.一方,もうひとつの大きな波は,チェックポイント阻害剤を中心としたがん免疫療法の急速な進歩である.多数の固形がんで有効性が示され,従来の抗がん剤ではみられない長期間の奏効が得られており,こちらもがん治療に大きなインパクトを与えながらつぎつぎと臨床導入がはじまっている.さらなる効果増強をめざし,抗PD-1/L1抗体と他剤との併用療法の膨大な数の臨床試験が世界中で展開されている.
 このようながん薬物療法の飛躍的な発展をもたらした背景には,ALK,PD-1をはじめとしたわが国の基礎研究での標的分子発見が大きく貢献している.遅れていたわが国での臨床開発基盤整備も進み,世界の新薬開発試験とほぼ同時並行で行われ,日本人患者への有効薬剤提供も迅速になされつつある.いままさにわが国から新しいがん治療を産み出す基盤が整ってきたところである.分子標的治療・免疫療法ともに大きな進歩をもたらしているが,いずれも有効性はまだ限られた症例にすぎない.分子標的治療では,限られたドライバー遺伝子や有効薬剤をいかに増やし,耐性克服をいかに進めるか,免疫療法では至適なバイオマーカーの開発や効果増強のための併用療法の開発,さらにつぎの治療薬開発などさらなる治療成績向上をめざした取組みが現在世界中で進んでいる.本特集の読者の先生方がひとりでも多くがん医療・研究に携わり,新しいがん治療を創出していただけることを期待している.
目 次
がんゲノム研究の進歩と臨床応用に向けた基盤整備
国際がんゲノムコンソーシアム研究の成果と今後……柴田龍弘 詳細
がんゲノム変異の発見から創薬・診断へ……間野博行 詳細
新規がん分子標的治療薬の開発……曽和義広・酒井敏行 詳細
がん分子標的薬の耐性メカニズムとその克服……矢野聖二 詳細
ゲノム医療実現に向けた病理・検査の質の保証――わが国の現状と課題……桑田健 詳細
ビッグデータとスパコンの活用によるがんのゲノム医療研究最前線……宮野悟 詳細
がんゲノム医療に伴う遺伝医療・遺伝カウンセリングのあらたな課題……赤木究 詳細
ゲノム解析結果に基づく治療開発の実際
NGSパネル開発とクリニカルシークエンス――現状と課題……土原一哉 詳細
LC-SCRUM-Japanによる希少遺伝子異常陽性肺癌の遺伝子スクリーニングと治療開発……後藤功一 詳細
Precision Medicine構築に向けたアメリカNCIでの取組み……武部直子 詳細
網羅的遺伝子解析結果に基づく治療選択……植弘奈津恵・戸井雅和 詳細
がん免疫研究をめぐる最新の動向
がんに対する免疫機構……河上裕 詳細
免疫チェックポイント阻害剤――PD-1抗体の開発とその抗がん作用機序……岩井佳子 詳細
がん微小環境における免疫抑制機構……杉山大介・西川博嘉 詳細
がん微小環境における代謝と免疫応答……香山尚子・竹田潔 詳細
免疫チェックポイント阻害剤の開発の動向……土井俊彦 詳細
がん免疫療法におけるT細胞応答の効果予測因子としての可能性……前田優香 詳細
免疫チェックポイント阻害剤の効果増強をめざした併用療法の開発試験……設楽紘平 詳細
CAR-T細胞によるがん免疫細胞療法の進展と将来展望……玉田耕治 詳細
その他の標的分子と新規開発薬
メタボロームを標的とした新規治療薬:LAT1/JPH203……遠藤仁・他 詳細
抗体・抗がん剤複合体(ADC)……松村保広 詳細
腫瘍融解ウイルス療法の臨床開発……藤原俊義 詳細
各臓器別の新薬開発の現状と将来
頭頸部がんの分子標的治療薬――現在の治療開発と今後の展開……田原信 詳細
食道がん……廣中秀一 詳細
胃癌の分子標的薬と免疫チェックポイント阻害薬の開発の現状……大石敬之・他 詳細
大腸がん……小谷大輔・吉野孝之 詳細
肝細胞癌に対する分子標的治療薬開発の現状と将来展望……工藤正俊 詳細
胆道がん・膵がん……森実千種 詳細
肺がん……赤松弘朗・山本信之 詳細
乳がん治療開発の現状と将来……北尾章人・南博信 詳細
婦人科がんに対する新しい分子標的療法……M西潤三・小西郁生 詳細
泌尿器癌における新薬開発の現状……西山博之・他 詳細
皮膚がんの分子標的治療……浦田透・山ア直也 詳細
造血器腫瘍における分子標的治療……吉本五一・赤司浩一 詳細
骨・軟部腫瘍……遠藤誠・川井章 詳細
がん標的分子と治療開発
258巻5号 2016年7月30日
週刊(B5判,264頁)
発行時参考価格 5,800円
注文コード:286510
雑誌コード:20475-7/30
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