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250巻9号 2014年8月30日
第5土曜特集肥満の医学臨床と研究の最先端
はじめに
第5土曜特集 肥満の医学――臨床と研究の最先端 はじめに 戸邉一之・下村伊一郎
  過食・高脂肪食・運動不足のエネルギー過剰の生活習慣により“肥満”者が増加している.日本肥満学会が提唱する“BMIが25以上で健康障害を有するかあるいは内臓脂肪蓄積を伴う「肥満症」”は,超高齢社会における健康問題の根本と考えられる.とくに,内臓脂肪蓄積を基本病態とするメタボリック症候群は2型糖尿病,脂質代謝異常,高血圧を合併し,心血管イベントのハイリスクグループを形成するばかりでなく,悪性腫瘍や認知症の基礎病態にもなりうる.生活習慣の改善が基本的な治療であることは,“メタボ健診”の指導により多くの肥満症患者の病態が改善していることから明らかとなってきている.一方,補助的に使用する薬剤として小腸のリパーゼ阻害薬なども開発されている.また,肥満の外科治療についても,一部の術式(スリーブ切除術)は保険診療でカバーされるようになった.
 一方,基礎研究の観点からも脂肪組織は非常に魅力的である.まず,アディポネクチンやTNF-αなどのインスリン感受性や血管機能を改善あるいは増悪するさまざまな因子を分泌しており,創薬のターゲットの宝庫である.また,脂肪組織には脂肪細胞ばかりでなく,前駆脂肪細胞,血管内皮細胞,マクロファージをはじめとする多くの血球系の細胞が存在し,肥満の増悪に伴い脂肪細胞の肥大化のみならず血管新生や炎症などが引き起こされ,ダイナミックにremodelingが起こる.そして,多能性を有する組織幹細胞が存在することから,再生医学からも注目されている.また,白色細胞と褐色細胞に加えて,普段は白色脂肪の表現型をとるが寒冷刺激などにより褐色化するBeige/Brite細胞の存在も明らかになり,話題にこと欠かない.さらに,体重の調節のメカニズムとして食欲調節のネットワークの解明や体重のセットポイントは脳のどこで決定されるかも興味深いテーマである.
 本特集では肥満症についての最新の考え方,治療法,そして脂肪細胞の生物学,体重調節のメカニズムについて最新の知見を第一線の先生方にまとめていただいた.本特集により“肥満症”の超高齢社会の医療における重要性,ベーシックリサーチの観点からみた脂肪組織や体重調節のメカニズムの探求のおもしろさを感じていただければ幸いである.
(戸邊)
目 次
臨床
肥満症・メタボリックシンドロームの診断基準……長尾博文・西澤均 詳細
メタボリックシンドロームにおけるウエスト周囲長の基準……原充佳 詳細
特定健診・特定保健指導――到達点と今後の方向性……津下一代 詳細
小児肥満の予防と治療――最近のトピックスとその科学的基盤……岡田知雄 詳細
高齢者の肥満……田中喜代次・他 詳細
腹部肥満による心血管危険因子集積に対する加齢の影響……岩田実 詳細
内臓脂肪の測定法……中村正 詳細
肥満の疫学……松下由実 詳細
【肥満の合併症】
肥満と癌……春日雅人 詳細
肥満症と睡眠呼吸障害……山岡正弥・船橋徹 詳細
肥満症と認知症……小川純人 詳細
肥満と整形外科疾患……増田裕也・中川匠 詳細
サルコペニアおよびサルコペニア肥満の定義とコンセンサス……石井好二郎 詳細
【治療】
肥満症治療における行動療法のポイント……加隈哲也 詳細
減量手術による糖尿病改善のメカニズム……山本寛・谷徹 詳細
外科治療における内科的診断・治療の重要性……北原綾・他 詳細
新しい肥満症治療薬……宮崎滋 詳細
糖質制限食……山田悟 詳細
【トランスレーショナルリサーチ】
脂肪萎縮症とレプチン治療……海老原健 詳細
脂肪組織幹細胞の臨床応用……丸山彰一・他 詳細
基礎研究
【アディポネクチン】
アディポネクチン……前田法一・下村伊一郎 詳細
アディポネクチンの作用機構とアディポネクチン受容体アゴニスト……山内敏正門脇孝 詳細
C1q/TNF-related proteinファミリー(アディポネクチンパラログ)−−CTRPファミリー蛋白質の機能と制御……大橋浩二・大内乗有 詳細
【炎症と肥満】
脂肪組織の炎症と線維化……田中都・他 詳細
脂肪組織と酸化ストレス……福原淳範・他 詳細
脂肪組織マクロファージと低酸素……薄井勲・戸邉一之 詳細
脂肪細胞におけるインスリンシグナルとその作用――遺伝子改変マウスより得られた知見……細岡哲也・小川渉 詳細
脂肪組織の血管新生と肥満病態……門松毅・尾池雄一 詳細
【中枢と末梢の臓器間ネットワーク】
視床下部と骨格筋におけるAMPKの代謝調節作用……箕越靖彦 詳細
グレリン,グルカゴン様ペプチド1と迷走神経……十枝内厚次・他 詳細
自律神経を介した臓器間ネットワーク……山田哲也 詳細
摂食調節機構と神経ペプチド……中田正範・矢田俊彦 詳細
【エピゲノムと脂肪細胞】
エピゲノムと脂肪細胞……酒井寿郎・稲垣毅 詳細
エピゲノムと肥満症……脇裕典・他 詳細
【前駆脂肪細胞,褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞】
脂肪細胞のprogenitor……松本佐保姫・真鍋一郎 詳細
ヒトの褐色脂肪組織……斉藤昌之・松下真美 詳細
褐色脂肪細胞およびベージュ脂肪細胞の由来……大野晴也・梶村真吾 詳細
ヒト多能性幹細胞からの褐色脂肪細胞の作製……佐伯久美子 詳細
褐色脂肪細胞の増殖とその生理的意義……岡松優子・深野圭伍 詳細
【脂肪細胞のKey Molecules】
アクアポリン――脂肪細胞グリセロールチャネル分子・アクアポリンアディポース(AQPap/7)……岸田堅 詳細
FGF21……田中智洋 詳細
NADとその関連代謝物による生活習慣病の制御……中川崇 詳細
Nesfatin……森昌朋・岡田秀一 詳細
マクロファージ由来蛋白質AIM……新井郷子・宮崎徹 詳細
Vaspin……中司敦子・和田淳 詳細
【抗肥満作用を有する食品成分】
トマト由来オキソ脂肪酸……毛利晋輔・河田照雄 詳細
γ-オリザノール――多彩な代謝改善効果と新たな作用点が明らかになった玄米由来有効成分……小塚智沙代・益崎裕章 詳細
カプシイノド……米代武司・斉藤昌之 詳細
【脂肪組織の解析に必要な技術】
生体分子イメージングでみる脂肪組織炎症の発生過程――手法論を含めて……西村智 詳細
フローサイトメトリー……藤坂志帆 詳細
脂肪細胞特異的Creトランスジェニックマウス……江口潤 詳細
【Emerging concept】
DOHaD仮説とエピゲノム医療の可能性……橋本貢士・小川佳宏 詳細
報酬系とレプチン……孫徹 詳細
異所性脂肪と心臓脂肪――生活習慣病のあらたな病態……島袋充生 詳細
肥満と腸内細菌叢……大谷直子 詳細
肥満の医学
250巻9号 2014年8月30日
週刊(B5判,260頁)
発行時参考価格 5,800円
注文コード:286430
雑誌コード:20475-8/30
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