医学のあゆみ
293巻13号
神経回路の機能発達と障害 ─基礎研究からヒト病態へ
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年6月
- 注文コード:929313
- 雑誌コード:20474-6/28
内容紹介
・神経回路研究は100年以上の歴史があり,近年解析技術の進歩により分子レベルから個体レベルに至る多階層をつないだ理解が進んでいる領域である.
・神経細胞の内在的な機構に加えて,グリア細胞などが外から回路を積極的に制御することが明らかになりつつある.特に情報伝達の場であるシナプスの形成と除去における,内在的分子機構と環境要因の関与は神経回路発達の要ともいうことができる.
・本特集では,神経細胞の外部環境との相互作用を記録し,細胞の性質を決定していくメカニズムであるエピゲノム修飾について,また精神神経疾患の病態関与についてなど,最新の知見を紹介する.
目次
はじめに(岡部繁男)
ニューロン機能獲得と再生のための“場”としてのエピゲノム制御(岸 雄介・西山雄大)
グリア細胞は神経回路を制御するのか?(和氣弘明・他)
シナプス除去の分子機構と発達障害(圓岡真宏・鈴木 淳)
ケミカルプローブによるシナプス可塑性時のAMPA受容体動態解析(曽我恭平・清中茂樹)
ヒト生体脳でシナプス機能分子を“視る”(高橋琢哉)
MeCP2の分子機能からレット症候群の病態理解へ(石田 綾)
自閉スペクトラム症モデルマウスにおける神経回路機能障害(中澤敬信)
細胞運命転換技術による神経回路機能修復(入江剛史・中島欽一)
TOPICS
神経内科学 糖代謝異常と海馬体積/海馬亜領域体積との関連(島 綾乃・他)
癌・腫瘍学 ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の現状と将来展望(川端信司・他)
連載
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(23)
ヒトiPS細胞,キメラ技術,異種臓器を用いた次世代医療開発への挑戦(山本修太郎・他)
ケースから学ぶ臨床倫理推論(14)
判断能力の低下が疑われる患者の意向(勝碕静香)
イチから学び直す医療統計(6)
臨床研究の成果報告─CONSORTとSTROBEの紹介(長島健悟・他)
FORUM
司法精神医学への招待─精神医学と法律の接点(9) 司法精神医学と法律─刑事司法の視点から(柑本美和・他)
次号の特集予告
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