医学のあゆみ
291巻12・13号
サイバーセキュリティと医療情報保護
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年12月
- 注文コード:929113
- 雑誌コード:20474-12/28
内容紹介
・「われわれの病院には攻撃する価値のあるような重要な情報はないよ」とよく言われる.しかし,攻撃者が実際に人質にするのは“データ”ではなく“診療の継続”であり,すべての医療機関が攻撃対象になりうる.
・サイバー攻撃は,侵入から情報の詐取,身代金の受け取りまで,一連の過程が見えにくく,対策の重要性が十分に認識されにくい.また,外部からの攻撃だけでなく,大量に収集・管理する診療情報や,生成AI利用時に入力する情報など,内部からの情報流出リスクにも警戒が必要になっている.
・本特集が,医療機関でのサイバーセキュリティや診療情報の保護を再考する契機となることを期待したい.
目次
はじめに(美代賢吾)
日本の医療機関に対するサイバー攻撃の状況─NCGMにおける実際の事例から学ぶ(西 亮太・美代賢吾)
海外の医療機関等に対するサイバー攻撃事例(二村達也)
医療機関におけるサイバー攻撃の具体的手法(鳥飼幸太)
サイバー攻撃から医療機関を守るには─ランサムウェアによる電子カルテシステム障害を経験した病院が伝えたいこと(森田 孝)
ランサムウェア感染からの復旧作業─電子カルテベンダーの視点(中島誠一郎)
サイバー攻撃にいかに備えるか─企業が提供するサイバー防御のためのサービス(松山征嗣)
医療機関等におけるサイバーセキュリティ対策(橋本紘幸・新畑覚也)
医療機関に求められるサイバーセキュリティ対策とクラウド型AIサービスの活用(宇賀神 敦)
AI開発・使用に関する医療分野の個人情報の保護(落合孝文)
「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」が求めるサイバーセキュリティ対策(山本隆一)
TOPICS
細菌学・ウイルス学 B型肝炎ウイルスが感染受容体に結合するしくみ(大戸梅治)
社会医学 ノンアルコール飲料の提供による飲酒量減少効果(吉本 尚)
連載
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(19)
T細胞による自己・非自己認識の相克─ゆらぐ自己,曖昧な自己(室 龍之介・新田 剛)
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(5)
肝硬変に対する間葉系幹細胞を用いた肝再生治療─基礎研究から臨床への展開(渡邉雄介・他)
FORUM
ノーベル生理学・医学賞2024 小さな線虫が導いた偉大なマイクロRNAの発見と生命現象の新たな理解(落谷孝広)
戦争と医学・医療(7) 医学における軍学共同・デュアルユース─君軍事研究に手を染めたまふことなかれ(福島雅典)
数理で理解する発がん(18) 固定までの待ち時間(中林 潤)
次号の特集予告
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