医学のあゆみ
289巻2号
ニューロエコノミクス(神経経済学)とは何か? ─ヒトの価値観が生まれる脳の仕組みの理解とその先の未来
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年4月
- 注文コード:928902
- 雑誌コード:20472-4/13
内容紹介
・神経経済学は“ヒトの脳が価値を評価する仕組み”を問う学問である.日本ではまだまだなじみの低いニューロエコノミクス(神経経済学)であるが,2000年初頭のアメリカで産声を上げた.
・われわれヒトの脳は意識的に,または無意識的に物事の良しあしを判断して行動を決めることを繰り返すので,ほぼすべての日常行動が神経経済学の研究対象である.
・現在,価値観を生み出す脳の仕組みの理解が徐々に進みつつある.その知見を心の病の理解へ適用する臨床的な試みや,福祉政策の立案にいかそうとする公共的な試みもあり,研究が今後も発展していくものと考えられる.
目次
はじめに(山田 洋)
神経科学的手法を用いた幸福度測定への批判的検討(山田克宣)
社会科学における実証研究の展開─行動経済学を例として(犬飼佳吾)
計算論的アプローチによる強迫症のメカニズム解明(酒井雄希・他)
精神医学と神経経済学─計算論的精神医学(橋英彦)
意思決定の神経基盤解明のための行動課題の開発(田中沙織・酒井雄希)
ヒト神経経済学─他者との駆け引きを支える脳の仕組み(鈴木真介)
単一行動の神経経済学─サルの神経・分子基盤(堀 由紀子・南本敬史)
霊長類の行動進化と神経経済学─線条体とドパミンの多元的価値表現(網田英敏)
科学の方法的哲学と潜在能力アプローチ(後藤玲子・神林 龍)
脳機能イメージングによる効用の個人間比較と再分配政策への応用(松森嘉織好・他)
TOPICS
病理学 中皮腫瘍病理診断のパラダイムシフト(廣島健三)
連載
臨床医のための微生物学講座(8)
腸球菌(富田治芳・他)
緩和医療のアップデート(3)
がん疼痛治療─この30年余で何が変わったか?(余宮きのみ)
FORUM
死を看取る─死因究明の場にて(9) 死亡診断(1)(大澤資樹)
次号の特集予告
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