医学のあゆみ
273巻5号
治療標的としてのがん幹細胞
5月第1土曜特集
- 総頁数:120頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年5月
- 注文コード:927305
- 雑誌コード:20471-5/2
内容紹介
・Dickらにより実験的にがん幹細胞の存在が証明されてから四半世紀が経過した.この間,多くの技術的進歩に伴ってがん幹細胞の性質やその作動原理が解明された.
・当初の骨髄性白血病での証明に続いて乳がんや脳腫瘍など,他のがん種にも幹細胞が存在することが示され,さらには遠隔転移や治療抵抗性における機能的重要性も明らかになった.
・本特集では,これまでのがん幹細胞研究を振り返ってその進歩を総括するとともに,次の四半世紀のがん研究の方向性を議論する基礎となるよう,多様な研究背景を持つ先生方に執筆いただく.
目次
がん幹細胞維持機構:総論
がん幹細胞と薬剤耐性 馬島哲夫・清宮啓之
がん幹細胞とそのニッチ 後藤典子
がん幹細胞のエピゲノム制御 合山 進
がん幹細胞と転写後制御 井上大地
がん幹細胞を支える多様なシグナル/メカニズム
Spred1による造血幹細胞制御と白血病化 田所優子・平尾 敦
乳がんと正常乳腺における転写因子NF−κBによる幹細胞維持機構の相違 山本瑞生・井上純一郎
FOXOによるがん幹細胞の制御 仲 一仁
造血器腫瘍におけるHIF1A/ARNTシグナル経路とがん幹細胞制御 林 嘉宏・原田浩徳
RB1によるがん幹細胞の制御 高橋智聡・河野 晋
がん組織における分岐鎖アミノ酸代謝制御 服部鮎奈
マイクロRNAによるがん幹細胞の制御 今野雅允・石井秀始
細胞内鉄代謝とがん幹細胞の制御 宮沢正樹
タンパク質翻訳後修飾とがん幹細胞制御−ヒストンアシル化による遺伝子発現制御 松浦顕教
がん幹細胞の理解に向けた新技術開発とその応用
ヒストンアセチル化酵素とがん幹細胞制御 横山明彦
CRISPRスクリーニングによる幹細胞制御因子の網羅的探索 遊佐宏介
iPS細胞から再生したT細胞を用いたがん免疫療法の開発−WT1抗原を発現する固形がんを標的にして 嘉島相輝・他
多発性骨髄腫の根治をめざしたCAR T細胞の開発 保仙直毅
患者由来がん幹細胞の三次元培養と臨床応用への展望大畑広和・他
メタボロミクスによるがん幹細胞の代謝研究北島正二朗・曽我朋義
合成ポリマーを用いたがん幹細胞ニッチの解析椨 康一・田賀哲也
次号の特集予告
サイドメモ
セマフォリン-ニューロピリンシグナル
エピジェネティクスの語源
腸内細菌とさまざまな疾患
Hypoxiaとpseudohypoxiaとαケトグルタル酸(αKG)依存的酵素
RB1の古典的機能
CDK4/6阻害薬
メタボロミクス
合成ポリマーmicroarrayスクリーニング
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