「咬合がわからない」と感じている歯科医師のために 咬合理論と臨床応用を簡潔に整理した待望の書!
内容紹介
◆毎日の臨床で患者の咬合に手を加え,頻繁にこれを変化させているにもかかわらず,「咬合や顎運動はむずかしくてよくわからない」と感じている歯科医師が多くいます.
◆咬合が咀嚼機能に重要な役割を果たし,心と体の健康に重要な役割を果たしていることは,日々の臨床で患者と向き合っている歯科医師自身が一番よくわかっていることではありますが,「良く噛める咬合」を「形にする」ことは非常にむずかしく,高い診断・治療に関する知識と技術が求められます.
◆本書では,第I編で「咬合に関連する基礎的な知識」をまとめ,第II編で,「咬合診査,診断と咬合治療」の実際を明解に解説.
◆咬合学と歯科臨床の相互の橋渡しとなるように構成した画期的な書です.
■■■推薦の序(一部抜粋)■■■
一読,いっぱいに詰まった宝石箱がようやく開いたという感懐に包まれました.
著者らが,膨大な研究データを背景にして咬合学の体系化を目指し,咬合・顎運動のテーマをそれに関連するすべての器官からなる顎口腔系全体として捉え,形態と機能の関係を委曲をつくして説明しているところは,類書にはみられぬ本書の大きな特徴となっています.
本書には多数の,精度の高い研究データが通奏低音のように流れているからこそ,ここでの記述が日常臨床での顎口腔系としての咬合診断,そして治療効果の判定にスムーズに役立ち,使えるようになっているのです.
臨床歯科医にとっても,研究者にとっても,すでに,書架に欠かせない一冊となることが約束されている書籍といってもよいでしょう.
長谷川成男
目次
第1章 石原咬合論と咬合・顎運動の可視化と標準化をめざした新しい咬合論(中野雅徳)
第2章 咬合を理解するための形態(解剖)と機能(生理)
第3章 咬合と顎運動―咬合をダイナミックにとらえるために
第4章 咀嚼と咬合面形態
第5章 睡眠時ブラキシズム(大倉一夫・安陪 晋・鈴木善貴)
第II編 咬合診査,診断と咬合治療
第1章 咬合診断のための基本的事項
第2章 咬合に関する診査法
第3章 咬合の5要素に基づいた咬合治療
第4章 顎機能障害(顎関節症)と咬合
第5章 歯周病と咬合(西川啓介・大石慶二)
第6章 発育と咬合(郡 由紀子)
第7章 その他の歯科関連疾患と咬合
第8章 咬合のメインテナンス
第9章 咬合研究・咬合治療の将来展望(坂東永一)
書評
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書評:福島俊士 先生 (『歯界展望』2012年2月号掲載 PDFファイル:約426KB)著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
中野雅徳【なかのまさのり】
1945年 愛知県に生まれる
1970年 東京医科歯科大学歯学部卒業
1976年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯科補綴学第二)
1976年 長野県厚生連リハビリテーションセンター鹿教湯病院歯科医長
1980年 徳島大学講師(歯科補綴学第二)
1981年 徳島大学助教授(歯科補綴学第二)
2007年 徳島大学教授(歯学部口腔保健学科)
2011年 徳島大学名誉教授,特任教授
坂東永一【ばんどうえいいち】
1943年 徳島県に生まれる
1967年 東京医科歯科大学歯学部卒業
1971年 東京医科歯科大学大学院歯学研究科修了(歯科補綴学第二)
1971年 東京医科歯科大学助手
1979年 東京医科歯科大学講師
1979年 徳島大学教授(歯科補綴学第二,咬合管理学)
2008年 徳島大学名誉教授