内容紹介
わが国における主要死因である心血管疾患のもっとも重要な危険因子である高血圧について,日本国内における高血圧治療ガイドライン(2000年発表)などにもふれ,基礎・臨床の最新情報を収載.高血圧は年齢層の増加とともに増えており,高血圧治療との予防の対策は急務である
目次
■高血圧の基礎
1.高血圧原因候補遺伝子――遺伝性高血圧症の原因遺伝子と本態性高血圧症感受性に関連する候補遺伝子 勝谷友宏・荻原俊男
2.高血圧における疾患遺伝子検索の意義――テーラーメイド医療とSNPs 加藤規弘
3.遺伝子操作モデル動物 栗原裕基
4.レニン−アンジオテンシン系 堀内正嗣
5.アルドステロンの新世紀――心血管リスクホルモンとしてのアルドステロン 宮森 勇
6.ナトリウム利尿ペプチド系 宮下和季・他
7.エンドセリン 新藤隆行
8.臓器保護因子としてのアドレノメデュリン――降圧作用を越えて 下澤達雄・他
9.レプチン――肥満に合併する高血圧における病態生理的意義 阿部 恵・小川佳宏
10.アラキドン酸代謝産物 森田育男
11.Heme oxygenase−CO系による血管トーヌスの調節と高血圧病態 末松 誠・梶村真弓
12.高血圧とNO――成因から治療まで 平田恭信
13.活性酸素と高血圧――NAD(P)Hオキシダーゼの役割を中心として 深井真寿子
14.高血圧による血管リモデリングのメカニズム――メカニカルストレスによって誘導されるシグナル経路 南野 徹・小室一成
15.血管細胞のアポトーシス――血管平滑筋細胞と内皮細胞のアポトーシスの機序と病態生理的意義 佐田政隆
16.高血圧における交感神経系の役割 熊谷裕生・他
17.酸化LDL受容体 長瀬美樹
18.G蛋白質シグナルのアンバランスと高血圧 飯利太朗・槙田紀子
19.血管リモデリングと転写因子――血管病変の形成を調節する分子機構 倉林正彦
20.細胞内カルシウム――高血圧の病態における血管細胞内カルシウム調節異常 一色政志
21.インスリン抵抗性と高血圧 荻原健英・浅野知一郎
■高血圧の臨床
22.家庭血圧――大迫研究の結果を中心に 寳澤 篤・今井 潤
23.夜間血圧とその臨床的意義 青木弘貴・島田和幸
24.白衣高血圧 松岡秀洋・今泉 勉
25.食塩感受性高血圧の遺伝子異常 要 伸也
26.妊娠高血圧――新しい遺伝子異常 高橋克敏
27.小児高血圧 内山 聖
28.大動脈脈波速度 (AoPWV) 高沢謙二
29.大規模臨床試験の意義と限界 築山久一郎・他
30.高血圧治療ガイドライン2000年版――JSH2000の特色と問題点 松村 潔・阿部 功
31.高血圧療法におけるライフスタイル是正の有効性 滝内 伸・河野雄平
32.患者のコンプライアンス 芦田映直
33.臓器保護と降圧目標値 桑島 巌
34.高血圧治療の医療経済 山崎 力
35.降圧利尿薬 安東克之
36.降圧薬としてのβ遮断薬――大規模臨床試験に基づきオーダーメイド医療をめざす 高橋文彦・菊池健次郎
37.カルシウム拮抗薬 松岡博昭
38.ACE阻害薬 楽木宏実・荻原俊男
39.アンジオテンシンII受容体拮抗薬 日和田邦男
40.高血圧と心疾患――高血圧はなぜ心疾患の危険因子なのか 望月正武
41.高血圧と腎障害――腎障害におけるレニン−アンジオテンシン系の役割 伊藤 修・伊藤貞嘉
42.高血圧と脳血管障害 松本昌泰
43.糖尿病に合併した高血圧の病態と薬物療法の進め方 片山茂裕
44.女性ホルモンと高血圧 秋下雅弘・大内尉義
45.高齢者高血圧の治療ガイドライン――高齢者高血圧の治療方針と問題点 荻原俊男
46.分子治療による高血圧に対するあらたなチャレンジ 冨田奈留也・森下竜一
47.ゲノム創薬と薬理ゲノミクス 田中利男
サイドメモ目次
遺伝子変異と遺伝子多型
多型解析とその解釈――ACE遺伝子座のI/D多型の例
AT1受容体,AT2受容体シグナルクロストーク
11β水酸化ステロイド脱水素酵素 (11βHSD)
治療薬としてのナトリウム利尿ペプチドとNEP阻害薬
トランスジェニックマウス/ノックアウトマウス
酸化ストレスの指標と問題点
レプチン抵抗性
Gap junction
エンドセリン受容体拮抗薬と内皮機能
インテグリンシグナル伝達におけるFAK
アポトーシスとネクローシス
cAMP反応エレメント結合蛋白 (CREB)によるeNOS遺伝子の発現調節
Capacitative Ca2+entry
インスリン抵抗性とその評価
パーソナリティと家庭血圧値
白衣正常血圧
出産後に血圧が上昇したら
子宮内環境と高血圧
最近の高血圧に関する大規模臨床成績のメタアナリシス
RENAAL研究とLIFE研究
コンプライアンス
CYPを介する薬物相互作用
カルシウム拮抗薬の費用効果比
HOPEとPROGRESS
アルドステロンエスケープ現象
腎内アンジオテンシンIIの起源
Brain attack (脳発作)
インスリン抵抗性を改善する降圧薬は糖尿病の新規発症を減少させる
動脈硬化性疾患とHRT
高齢者高血圧の大規模介入試験
核酸医薬とは
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
飯利太朗 東京大学 小室一成 千葉大学
市倉 隆 防衛医科大学校 末松 誠 慶應義塾大学
岩坪 威 東京大学 平井久丸 東京大学
梅澤明弘 慶應義塾大学 山本一彦 東京大学
門脇 孝 東京大学
【編集協力者】
赤池昭紀 京都大学 土肥修司 岐阜大学
石井芳樹 獨協医科大学 中畑龍俊 京都大学
乾 賢一 京都大学 中山俊憲 千葉大学
井上 一 岡山大学 野原理子 東京女子医科大学
今井圓裕 大阪大学 橋都浩平 東京大学
今西二郎 京都府立医科大学 畠 清彦 癌研究会附属病院
上田 実 名古屋大学 藤田敏郎 東京大学
葛西眞一 旭川医科大学 保坂 隆 東海大学
菊地 眞 防衛医科大学校 堀 智勝 東京女子医科大学
北 徹 京都大学 前川真人 浜松医科大学
小島英明 東京都神経科学総合研究所 松尾聿朗 帝京大学
齋藤英胤 慶應義塾大学 三浦哲嗣 札幌医科大学
島田和幸 自治医科大学 水野正浩 埼玉医科大学
清水不二雄 新潟大学 宮岡 等 北里大学
白川洋一 愛媛大学 宮坂信之 東京医科歯科大学
菅野純夫 東京大学医科学研究所 望月英隆 防衛医科大学校
祖父江 元 名古屋大学 森口隆彦 川崎医科大学
高橋孝喜 虎の門病院 湯浅龍彦 国立精神・神経センター
竹井謙之 順天堂大学 吉村長久 信州大学
土屋尚之 東京大学 淀井淳司 京都大学
堤 治 東京大学 渡辺知保 東京大学
堤 寛 藤田保健衛生大学 (50音順)
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