やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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歯科衛生士のための禁煙支援ガイドブック 第2版

定価 3,520円 (本体 3,200円+税10%)
  • 総頁数:128頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年3月
  • ISBN978-4-263-42345-5
  • 注文コード:423450

歯科衛生士のための禁煙支援のテキスト,第2版

内容紹介

◆喫煙が及ぼす全身・口腔内への影響,喫煙ステージの把握,そして,動機づけ面接技法を用いた歯科衛生士が行う禁煙支援のポイントをステージ別にまとめました.
◆歯科衛生士が禁煙支援をするにあたって必要な内容を各章ごとにまとめてあり,どの部分から読んでも理解できる構成です.
◆第2版では,加熱式タバコや電子タバコなど新たな種類のタバコ,および水タバコについての情報を盛り込み,情報をアップデート.
◆授業で演習を設計・運営する際に役立つロールプレイ演習例2つと,WHOが推奨する簡易禁煙支援ロールプレイング学習動画付き.
◆また,「日常の歯科臨床における簡易禁煙支援のための手引き書」(日本口腔衛生学会)へのリンクをQRコードで収載.

序文

はじめに 第2版
―第2版への経緯―
 第1版を出版してから,はや13年が経ちました.この間,タバコの主体であった紙巻タバコの喫煙率は低下してきましたが,加熱式タバコなどの新たなタバコの喫煙が始まりました.また,社会全体では,喫煙規制の法令が施行されるなど喫煙環境は狭まりつつありますが,多くの国民に新たなタバコについて十分に認知されていません.
 一方,タバコと歯科疾患の関連についての新知見も多く報告されてきました.また,禁煙支援についても,新たな考え方・手法が定着してきました.しかし,タバコの入り口である口腔を担当している歯科医療従事者を対象にしたタバコおよび禁煙支援について系統的に書かれた書籍が,ほとんどない状況は変わっていません.
 この10年来,歯科衛生士の業務拡大もすすみ,歯科臨床での診療補助や歯科保健指導の現場で役割も大きくなっています.さらに,医科と歯科との連携がすすみ,糖尿病と歯周病の治療における連携,特定健診・特定保健指導などさまざまな場面での禁煙支援が必要となってきています.そして,禁煙支援は,歯科衛生士教育でも一つの分野として確立される分野になり,歯科衛生士国家試験にも経常的に出題されるようになってきています.
 そこで,上記のことをうけて,歯科衛生士学生・歯科衛生士が学ぶ禁煙支援に有用な知識・考え方を最新の知見を基に改訂しました.なお,本書の著者は,禁煙支援を実際に歯科臨床の場や公衆衛生の場などで行っている歯科医師・歯科衛生士の方で,歯科医師が歯科臨床現場で禁煙支援をする際にも十分な内容の書籍になっています.

―本書の特徴と使い方―
 本書は「I編 実践編」「II編 知識編」「III編 演習」という構成になっています.あえて知識からではなく,実践から入ってみて,そこに必要な知識については知識編を見ていくという形を想定して構成しました.さらに,学生や初任者が演習を通してスキルと知識を高めるために演習をつくりました.しかし,実際には,どこの部分から読んでもよいようにしてあります.例えば,「禁煙支援の方法」を学ぶには,禁煙支援の実際から入り,その理論的な補強をするために,行動科学と健康被害の部分を読み進めることもできます.どの順番から読んでいただいていてもよいのですが,肝心なことは,必ず全部の章に目を通していただくことです.禁煙支援は科学的なものであり,それを支えている社会のシステムについても知る必要があるためです.
 さらに,新しい知識をより具体的・かつ視覚的に習得できるように,QRコード等で,「禁煙支援ロールプレイング学習動画」や専門学会の「手引き書」を入手できるように配慮し,教員が授業内で演習を設計・運営する際の参考資料も付しました.
 歯科からの健康支援(歯科保健指導)は,歯科診療のもつ特性から反復繰り返されるものですし,日常生活に身近なものが多いなど,禁煙支援には適したものと考えています.全国民の健康と健全な環境・社会づくりを目指して,より多くの歯科衛生士が,歯科臨床の場で禁煙支援にかかわっていただくことを強く期待しています.
 2026年2月
 尾﨑哲則


はじめに
─本書発行までの経緯─
 健康日本21(第2次)に示されるように,喫煙は大きな健康課題となってきています.当然,タバコの入口である口を担当している歯科領域でも大きな課題ですが,わが国では,歯科職種向けのタバコおよび禁煙に関して系統的に書かれた書籍はほとんどない状況です.
 一方,歯科衛生士業務のなかでの健康支援に関する分野は,この数年目覚ましい速度で拡大しています.歯科疾患にかかわる生活習慣健康支援についても同様となりました.そして,歯科衛生士の歯科臨床の現場での禁煙支援は当然のことと考えられるようになり,歯科衛生士国家試験にも出題されるようになりました.そして,教育の現場からは,歯科衛生士学生が,禁煙について基本的な事項を学ぶためのテキストが要望されるようになりました.
 さらに,海外での歯科領域からの禁煙支援の普及や教育状況を調査し,わが国の現状を考慮して,日本口腔衛生学会を中心にいくつかの学会が,共同して歯科医学教育での禁煙支援の必要性を掲げるようになりました.
 以上の経緯の下に,本書を発行することになりました.本書は,歯科衛生士学生が学ぶ禁煙支援に必要な知識及び考え方をまとめたものです.しかし,歯科衛生士あるいは歯科医師が,臨床の現場で一般的な禁煙支援をする際にも十分な内容になっています.また,著者は,歯科医師・歯科衛生士に限らず,医師・保健師・薬剤師ら禁煙支援を実際に行い,社会に対しても禁煙の重要性を提言されている方々です.

─本書の構成と使い方─
 本書は,(1)タバコに対する基本的な知識,(2)喫煙が人体に及ぼす影響・健康被害(歯科領域と医科領域),(3)禁煙支援をするにあたっての行動科学,(4)禁煙支援の実際,そして(5)ライフステージ・環境別における禁煙支援,という順になっています.どこの部分から読んでもよいようにしてあります.例えば,「禁煙支援の方法」を学ぶにあたり,禁煙支援の実際から入っていって,その理論的な補強をするために,行動科学と健康被害の部分を読み進めることもできます.しかし,肝心なことはどの順番でもよいですが,全部の章に目を通してください.禁煙支援は科学的なものであり,それを支えている社会のシステムについても知っておく必要があるためです.
 先にも述べましたように,歯科衛生士学生が学ぶことを前提にしていますので,参考文献には,学習を進めるのに必要なもののいくつかしか掲載されていません.そのため,さらに深く知りたい方は,参考文献を参照しさらなるリテラシーをしてください.
 また,できる限り本文を簡便にするために,重複しないように全体をまとめました.さらに,用語解説やコラムをつくり,本文の解説をわかりやすくしました.
 歯科からの健康支援(歯科保健指導)は,歯科診療のもつ特性から反復繰り返されるものですし,日常生活に身近なものが多いなど,禁煙支援には適したものと考えています.より多くの歯科衛生士が,歯科臨床の場で禁煙支援にかかわれることを強く望みます.

 2013年3月
 尾﨑哲則

目次

I編 実践編
 1章 事例で考えてみよう
   事例1 口臭が気になる35歳男性
   事例2 子どもの歯肉が黒いと言われたのですが・・・(受動喫煙)
   事例3 インプラントを入れたい55歳男性
 2章 禁煙支援をしてみよう
  1 基本的な禁煙支援【「5つのA(5A)」と「5つのR(5R)」】
   I 禁煙支援のための基礎知識
    1.行動変容のステージモデル
    2.タバコ依存
    3.歯科で禁煙支援を行う理由
    COLUMN 喫煙ステージの分類について
   II WHOが歯科に推奨する簡易禁煙支援
    1.歯科での禁煙支援の効果
    2.5つのAと5つのRの内容
    3.5つのAと5つのRの流れと枝分かれ
  2 いつかは禁煙したいと思っている人への禁煙支援【動機づけ面接】
   I 禁煙の準備状況の判定
   II 動機づけ支援の効果
   III 動機づけ支援に用いる動機づけ面接
  3 すぐに禁煙したい人への禁煙支援【実行支援】
   I 禁煙の準備状況の判定
   II 医師による禁煙治療の紹介
   III 禁煙の計画・実行を支援する
    1.STAR
    2.ニコチン依存・タバコ依存の評価
    3.禁煙補助薬
    4.4D
   IV フォローアップ「調整」
   V 非喫煙者に対する受動喫煙を避ける支援
  4 ライフステージと禁煙支援・防煙教育
   I 妊娠・出産期
    1.女性の喫煙・受動喫煙の状況
    2.女性の喫煙による妊娠・出産への影響
   II 乳幼児期
    1.受動喫煙による影響
    2.タバコの誤飲
   III 学齢期
    1.学齢期で防煙教育(喫煙防止教育)を行う意味
    2.学齢期での喫煙への関心と特徴
    3.学校現場での位置づけ
    4.歯科診療での防煙教育の進め方
   IV 青年期
    1.青年期について
    2.大学生・新社会人に対する歯科からの禁煙支援の試み
    3.大学生・新社会人等に対する防煙教育
    COLUMN 夢と消えた?ニュージーランドの改正禁煙法
   V 成人期
    1.WHO簡易歯科禁煙支援
    2.患者自身の自律的な禁煙行動につなげるためのヒント
   VI 壮年期以降
    1.行動変容ステージモデル
    2.喫煙ステージ別の対応
    3.禁煙治療
II編 知識編
 1章 タバコを知ろう
   I タバコの科学
    1.タバコ製品の特徴
    2.タバコから発生する煙
    3.タバコ煙に含まれる成分
    4.タバコの健康影響のまとめ(能動喫煙と受動喫煙)
   II 薬物としてのタバコ
    1.タバコの薬物依存性
    2.ニコチンの体内動態
    3.依存性物質としてのニコチン
    4.脳におけるニコチンの作用
    5.ニコチン依存症
    COLUMN ゲートウェイドラッグ
   III タバコの種類
    1.燃焼式タバコ
    2.無煙タバコ
    3.加熱式タバコ,電子タバコ
    4.水タバコ
   IV タバコと口腔微生物・細胞
    1.タバコ使用による口腔と全身の健康影響の機序の基本知識
    2.口腔影響の基本知識の活用で注目される歯科衛生士の役割
    3.口腔微生物への影響
    4.口腔微生物と細胞組織へのタバコ使用による複合影響の活用例
   V タバコと口腔
    1.う蝕とタバコ
    2.歯周病とタバコ
    3.口腔粘膜とタバコ(無煙タバコを含む)
    4.口腔インプラント治療とタバコ
    5.歯の喪失・口臭,その他の口腔症状とタバコ
   VI タバコが全身に与える影響
    1.がんとタバコ
    2.呼吸器疾患とタバコ
    3.心血管疾患とタバコ
    4.生活習慣病とタバコ
    5.精神疾患とタバコ
    6.性別特有の疾患
    7.その他
   VII タバコと社会
    1.タバコと法律
    2.健康政策と法令
    3.禁煙治療と公的医療保険制度
    4.喫煙と医療費
    COLUMN 日本での水タバコの普及
 2章 行動変容のための理論
   I 認知行動
    1.認知行動の理論的背景
    2.行動変容に関する行動的理論
    3.行動変容に関する認知的理論
    COLUMN セルフエフィカシーのアセスメント
    4.行動変容に関する統合的理論
    5.地域・集団を対象とした禁煙支援と認知行動理論の活用
   II 動機づけ面接(MI)
    1.歯科簡易禁煙支援へのMIへの統合
    2.歯科禁煙支援へのMIの導入
    3.歯科簡易禁煙支援へのMIの導入
III編 演習
 「III編 演習」の使い方
 日常の歯科臨床における簡易禁煙支援のための手引書(日本口腔衛生学会)
    1.禁煙支援ロールプレイング学習動画
    2.禁煙支援ロールプレイ演習の指導案例1(家族への受動喫煙の観点から,喫煙者の禁煙に向けた行動変容を支援する)
    3.禁煙支援ロールプレイ演習の指導案例2(口腔の疼痛軽減の観点から,禁煙に向けた行動変容を支援する)

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編者略歴】
尾﨑哲則【おざきてつのり】
 1983年 日本大学歯学部卒業
 1987年 日本大学大学院歯学研究科修了
 1998年 日本大学助教授
 2002年 日本大学歯学部医療人間科学教室教授
     日本大学歯学部附属歯科衛生専門学校校長(~2011年)
 2022年 日本大学講師
 2023年 日本大学客員教授

埴岡 隆【はにおかたかし】
 1981年 大阪大学歯学部卒業
     大阪大学歯学部予防歯科学講座助手
 1990年 テキサス大学オースチン校客員研究員
 1993年 大阪大学歯学部予防歯科学講座講師
 1998年 大阪大学歯学部予防歯科学講座助教授
 2002年 福岡歯科大学口腔保健学講座教授
 2022年 宝塚医療大学保健医療学部特別教授
 2023年 宝塚医療大学保健医療学部口腔保健学科教授

小島美樹【おじまみき】
 1990年 大阪大学歯学部卒業
     大阪大学歯学部予防歯科学講座研究生
 1993年 大阪大学歯学部附属病院医員
     大阪大学歯学部助手
 2000年 大阪大学大学院歯学研究科助手
 2007年 大阪大学大学院歯学研究科助教
 2016年 梅花女子大学看護保健学部口腔保健学科教授

田野ルミ【たのるみ】
 1995年 埼玉県立衛生短期大学歯科衛生学科(現:埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科口腔保健科学専攻)
 2006年 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科助手
 2007年 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科助教
 2008年 群馬大学大学院医学系研究科修士課程修了
 2014年 首都大学東京(現:東京都立大学)大学院都市科学環境研究科博士課程修了
 2015年 埼玉県立大学保健医療福祉学部健康開発学科講師
 2018年 国立保健医療科学院生涯健康研究部主任研究官
 2021年 国立保健医療科学院生涯健康研究部上席主任研究官

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尾﨑哲則・埴岡隆・小島美樹・田野ルミ 編著/阪本貴司・細見環・小川祐司・谷口奈央・植野高章・北村穂華・三浦宏子・松岡紘史・山村有希子・稲垣幸司 執筆

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