やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

4,180円(税込)
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健康寿命の延伸をめざした 口腔機能への気づきと支援
ライフステージごとの機能を守り育てる

定価 4,180円 (本体 3,800円+税10%)
  • 総頁数:216頁 / 2色
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2014年11月
  • ISBN978-4-263-42198-7
  • 注文コード:421980

生涯にわたり口腔機能の維持・向上を支える専門職,必読書!

内容紹介

健康に生きるために不可欠な口腔機能への「気づきと支援」を,妊娠期・乳幼児期から高齢期までEBMに基づいて実践するために必要となるエッセンスをコンパクトにまとめました.

◆各項目で押さえておくべきポイントが一目でわかる構成!

本書のパンフレットはこちら(PDFファイル 約913KB

序文

序
 本書が上梓されるまでの経緯についてですが,「EBMに基づいた口腔機能を中心にしたライフサイクルに応じた歯科保健指導に関する専門職向けの書籍がほしい」,こんな話が本書の分担執筆を担当した数名で話題となっていました.そんな折に,公益財団法人ライオン歯科衛生研究所(以下,LDH.理事長;藤重貞慶氏)から,財団の設立50周年を記念して,歯科専門家向けの書籍を出版したいとの話があり,LDHの協力のもと,一気に実現の方向に向かいました.本書の内容については,何度かの熱い話し合いの中から,健康寿命の延伸への歯科からの対応,口腔機能の大切さへの気づき,機能を守り育てる支援方法,ライフステージを考慮した指導支援内容,などがあげられ,本書のタイトルへと結実していきました.
 わが国の現状は,平均寿命の延伸とともに人口構成が激変しており,医療・保健・福祉・教育などの環境変化には著しいものがあります.歯科領域の保健医療においても,地域で生活する住民を見守る専門的な歯科保健医療サービスが必要とされており,大きな課題となりつつあります.その中でも特に健康寿命の延伸を目指した,乳幼児から高齢者にいたる各ステージにおいて必要とされる口腔機能への専門職の対応は,その先端にあるといえます.本書が目指すのは,「生涯にわたる歯・口とその機能への支援を通して,QOLの向上に貢献する」という歯科医療の社会的使命を果たす一助になることにあります.
 本書は,歯科の保健医療領域で保健指導,口腔機能リハビリテーションを担当する歯科衛生士を読者の中心に据え,歯科医療の中心である歯科医師,そして看護師,機能療法を担当する医療職,保健師,医師などの多くの職種の皆さんに参考となるよう編集委員会において話し合い,執筆原稿の文章表現の統一,わかりやすさへのこだわり,職種間連携を視野に入れた支援の参考となりうる内容などに配慮して校正を重ね編纂しました.日常生活の中で意識することが少ない口腔機能について,気づきのポイントや,気づいたことに対する支援のポイントなどもまとめて提示し,口腔機能を守り育てる専門職としての立ち位置を明確にしています.本書を手にとっていただいた皆様には,このような編集方針をご理解いただけたら幸いです.
 本書の編集に関しては,分担執筆を兼ねた各章の分担責任者が編集委員となってそれぞれの担当領域を分担して進めてきましたが,LDHの高田康二氏,森嶋清二氏にも多大なご協力をいただきました.健康寿命の延伸を目指した口腔機能を守り育てる指導支援書として広く活用されることを願ってやみません.
 2014年11月
 編集代表 向井美惠

目次

総論編:今日の歯科医療における口腔機能への支援のねらい
 1 社会の変化と課題(向井美惠)
  社会の変遷 今後の課題
 2 口腔機能への支援の重要性(向井美惠)
  口腔機能への支援 口腔機能への支援の臨床 口腔機能への支援の重要性と今後の課題
 3 健康日本21と口腔機能への支援(福田雅臣)
  口腔機能の現状 口腔機能の維持・向上からみた健康日本21
  歯科検診のあり方を考える~Disease OrientedからProblem Orientedへ
 4 「美味しさ」を守り育てる(伏木 亨)
  美味しさはどこにあるのか 嗜好を育てる
 5 食育と歯科保健(武井啓一)
  食育と歯科保健のつながり 味覚(五感)教育の実際
 6 各ライフステージにおける口腔機能の変化と支援の必要性(向井美惠)
  各ライフステージにおける口腔機能への支援の実際
 References
各論編:各ライフステージにおける口腔機能への気づきと支援
妊娠期・乳児期前半
 1 妊娠期の口腔の特徴とケア(藤岡万里)
  気づきと支援の場/妊婦歯科健診,妊婦(マタニティ)教室,歯科診療室での妊婦への口腔保健指導
   妊娠による変化 妊婦の歯科健診の必要性~母子健康手帳について 妊娠期の歯科からの支援
 2 胎児の発育と口腔機能への支援(井上美津子)
  気づきと支援の場/妊婦歯科健診,妊婦(マタニティ)教室,歯科診療室での妊婦への歯科保健指導
   胎児の歯の発育と妊娠期の栄養 胎児の口の感覚・運動系の発達
 3 低出生体重児の発育とその支援(板橋家頭夫)
  気づきと支援の場/NICU(新生児集中治療室),フォローアップ外来での指導
   低出生体重児の発育 低出生体重児の発育の支援
  Column低出生体重児の口腔の形態特徴と支援(向井美惠)
 4 哺乳期(授乳期)の口腔機能への支援(井上美津子・藤岡万里)
  気づきと支援の場/乳児健診・乳児歯科健診,産後健診・妊産婦歯科健診,地域における子育てサークル,歯科診療室での歯科保健指導
   乳児への支援 母親への支援
 References
乳幼児期
 1 口腔機能の発達と咀嚼習慣の育成
  1)離乳期(向井美惠)
   気づきと支援の場/家庭,保育所,乳児健診,1歳6カ月健診
    離乳期の口腔の機能発達と咀嚼習慣 離乳移行への口のサイン~離乳の準備(4~5カ月頃)
    食べ方の発達への気づきと支援
  2)幼児期前半(向井美惠)
   気づきと支援の場/家庭,保育所,3歳児健診,育児サークル
    幼児期前半の口腔の機能発達と咀嚼習慣 食べ方の発達への気づき 食べ方の発達への支援
  3)幼児期後半(向井美惠)
   気づきと支援の場/家庭,保育所,幼稚園
    幼児期後半の口腔の機能発達と咀嚼習慣 食べ方の発達への気づき 食べ方の発達への支援
 2 食を通じた心のケア(吉田弘道)
  気づきと支援の場/保育所,幼稚園
   食を通じて発達する心 食環境と子どもの心への影響,食行動の問題
   食を通じた心のケア
 References
学齢期
 1 「生きる力」をはぐくむ歯と口の健康(安井利一)
  気づきと支援の場/学校,家庭,地域
   学校における歯科保健活動の意義 学校歯科保健活動と「生きる力」
   学校における歯・口の健康づくりの目標と重点
 2 幼稚園~小学校低学年(1・2年)における口腔機能への支援(福田雅臣)
  気づきと支援の場/学校歯科保健活動,お弁当・学校給食の時間
   幼稚園~小学校低学年の歯・口の健康づくりの課題と支援
 3 小学校中学年(3・4年)における口腔機能への支援(丸山進一郎)
  気づきと支援の場/学校歯科保健活動,給食指導,歯科診療室でのチェアサイド指導
   小学校中学年の児童の歯科的な特徴 本人の気づきと支援 歯科専門職による支援と配慮
   学校と家庭の場での支援 児童の気持ちを尊重した支援が重要
 4 小学校高学年(5・6年)~中学校における口腔機能への支援(田中英一)
  気づきと支援の場/地域での啓発事業,学校での歯科保健教育,医療機関での定期健診
   小学校高学年から中学校における健康支援の位置づけ 気づきを引き出す実践
   食べる機能の育てと支援
 5 学齢期の食べ方支援(武井典子)
  気づきと支援の場/学校歯科保健活動,歯科診療室での歯科保健指導
   学齢期の食べ方支援の必要性 学齢期の食べ方支援の実際
 References
思春期
 1 思春期の身体的特徴と口腔機能(眞木吉信)
  気づきと支援の場/中学校,高等学校
   思春期の一般的特徴 思春期の身体的特徴 思春期の歯科的特徴
   思春期の口腔機能と摂食行動 思春期の健康と栄養
 2 女子高校生文化にみる思春期の健康習慣と口臭(眞木吉信)
  気づきと支援の場/女子高等学校
   女子高校生文化と歯科保健の支援ポイント
 3 口腔機能とスポーツ(安井利一)
  気づきと支援の場/学校,家庭,地域
   スポーツと歯の外傷 スポーツパフォーマンスと咬合
 4 思春期やせが健康に与える影響(村田光範)
  気づきと支援の場/学校や職場の定期健康診断の場,歯科受診時の生活習慣に関する指導の場
   思春期とは 思春期やせとは やせ体型の問題点 思春期のやせ体型がもたらすもの
   特殊なやせ体型
  Column 思春期における食生活を中心とした実態調査(女子高校生対象)から(眞木吉信)
 References
成人期
 1 成人期の口腔保健の特徴とリスク低減のための支援(深井穫博)
  気づきと支援の場/家庭,職場,(歯科)医療機関
   成人の生活習慣と口腔の特徴 口腔機能の低下と全身疾患のリスクとの関係を示す口腔保健情報
   歯科医療の効果を示すエビデンスと保健指導
 2 口腔保健支援プログラム(深井穫博)
  気づきと支援の場/家庭,地域・職域,(歯科)医療機関
   行動変容を促すプログラム 標準的成人歯科健診・保健指導プログラム
   地域と歯科医院をつなぐシステム~保健と医療のベストミックス
 3 歯科受診行動の必要性とその支援(安藤雄一)
  気づきと支援の場/家庭,職場,歯科診療所,医療機関(診療所・病院),地域保健活動,産業保健活動
   成人期以降の歯科受診および定期歯科受診の実態 定期歯科受診による歯の喪失抑制効果
   歯科治療の中断および未受診の要因 定期歯科受診の啓発・支援
 4 成人期の食行動とその支援
  1)成人期の食行動の特徴(武井典子)
   気づきと支援の場/地域歯科保健活動,産業歯科保健活動,歯科診療室での歯科保健指導など
    成人期の食行動の特徴ならびに啓発の考え方 成人期の食行動とその支援
   Column 口腔状態と咀嚼力の関係
  2)食べ方による生活習慣病(NCD)予防(武井典子)
   気づきと支援の場/地域歯科保健活動,産業歯科保健活動,歯科診療室での歯科保健指導など
    成人期の食べ方による生活習慣病予防の根拠を求めて 食べ方による生活習慣病予防の支援
  3)食生活とトゥースウェアおよび歯根面う蝕(眞木吉信)
   気づきと支援の場/成人歯科健診,産業歯科保健,高齢者歯科健診,高齢者施設
    食生活とトゥースウェア 食生活と歯根面う蝕 酸蝕症および歯根面う蝕の予防と食生活
 5 生活習慣病(NCD)を有する人の口腔機能への支援
  1)糖尿病と口腔(吉江弘正・伊藤晴江)
   気づきと支援の場/病院,家庭,歯科診療所
    糖尿病とは 糖尿病の症状 糖尿病と歯周病 糖尿病患者への歯科からの支援
  2)心疾患と口腔(杉山 勝)
   気づきと支援の場/成人・高齢者保健活動,医科・歯科連携医療
    心疾患の分類 心疾患と口腔疾患の関連 心疾患治療薬が原因となる口腔内症状
    薬剤以外が原因となる口腔症状
  3)脳卒中と口腔(大野友久)
   気づきと支援の場/病院,在宅,施設
    脳卒中と口腔の関連 脳卒中による直接的な口腔への影響
    脳卒中患者にみられる障害とそれに対する支援
  4)がんと口腔(上野尚雄)
   気づきと支援の場/歯科診療室
    日本人とがん がん治療時に起こる口腔合併症 がん患者の口腔管理
 References
高齢期
 1 高齢期における口腔機能への支援
  1)高齢者への支援の考え方
   (1)高齢者に対する健康支援(植田耕一郎)
    気づきと支援の場/歯科診療室,口腔機能訓練の評価・実施・指導
     超高齢社会における歯科のあり方 平均寿命と健康寿命~新たな健康観の構築
     健康長寿のための歯科的着眼点 維持期(生活期)の摂食機能の問題
     口腔機能に関する評価と訓練
     通院している摂食機能障害患者への支援~地域の歯科診療所は健康長寿のゲートキーパー
     かかりつけ歯科医が実施する在宅支援の方向性
   (2)高齢者の口腔機能への気づきと支援(武井典子)
    気づきと支援の場/介護予防事業における口腔機能向上サービス,歯科診療室での歯科保健指導など
     高齢期の口腔機能の維持・向上の重要性 高齢期の口腔機能の減退への気づきと支援
   (3)地域支援事業としての介護予防(眞木吉信)
    気づきと支援の場/在宅,地域支援事業
     介護保険と介護予防
  2)軽度の要介護者への支援の考え方
   (1)通所施設(通所事業所)における支援(北原 稔)
    気づきと支援の場/通所福祉施設での口腔機能向上プログラム,介護保険給付の加算サービス
     通所施設における口腔機能向上サービス 重要なのは評価と動機づけ~参加型評価での気づき支援
   (2)地域における支援(北原 稔)
    気づきと支援の場/地域での高齢者口腔機能向上啓発活動,介護予防ボランティア人材育成講座,地域づくり型口腔保健活動推進支援などの事業
     住民主体型の口腔機能の啓発普及活動 持続可能な啓発普及活動体制の構築には
  3)重度の要介護者への支援
   (1)在宅歯科医療における支援(菊谷 武)
    気づきと支援の場/患者宅,サービス担当者会議
     何を評価し,何をするのか? 在宅支援における心得 胃ろう患者と家族の実態
     在宅における食べることへの支援の実例
   Column 胃ろう患者に対する摂食嚥下リハビリテーション
   (2)施設における支援(米山武義)
    気づきと支援の場/介護老人福祉施設,介護老人保健施設における日々の介護や療養の場
     施設,病院における入所者の口腔管理の実態 施設における口腔機能への支援
     施設における支援のための心得
   (3)エンドオブライフ期における支援(細野 純)
    気づきと支援の場/歯科診療室,地域医療機関(病院,在宅支援診療所,在宅療養支援診療所),療養の場(在宅,介護福祉施設)
     看取りを前提とした在宅医療の展開とエンドオブライフ期における口腔機能への支援
     在宅療養のステージと終末期の軌道の理解
     エンドオブライフ期の患者の口腔領域の問題や苦痛,精神面への対応と臨床倫理的配慮
 2 急性期から慢性期への連携(岸本裕充)
  気づきと支援の場/看護師によるベッドサイドでの口腔アセスメント,栄養サポートチームや嚥下チームなど多職種によるカンファレンス
    急性期の患者における口腔機能の低下 急性期と慢性期の病院それぞれの長所・短所を意識
  Column 「急性期」と「慢性期」の用語について
 3 アドバンス・ケア・プランニングと口腔機能の管理(向井美惠)
   アドバンス・ケア・プランニングとは 胃ろう(腸ろう)について考える
   歯科医療におけるアドバンス・ケア・プランニング
  Column 認知症高齢者のケアメソッド「ユマニチュード」
 References

 Index

書評

本書の書評をご覧いただけます!

書評:戸原 玄 先生 (『歯界展望』2015年4月号掲載 PDFファイル:約0.98MB)
書評:金澤紀子 先生 (『デンタルハイジーン』2015年4月号掲載 PDFファイル:約728KB)

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

【編著者略歴】
(執筆順)
向井美惠【むかいよしはる】(編集代表)
 1973年 大阪歯科大学卒業
 1976年 東京医科歯科大学歯学部小児歯科学教室助手
 1981年 昭和大学歯学部小児歯科学教室講師
 1997年 昭和大学歯学部口腔衛生学教室教授
 2013年 昭和大学名誉教授
     ムカイ口腔機能研究所開設
井上美津子【いのうえみつこ】
 1974年 東京医科歯科大学歯学部卒業
 1994年 昭和大学歯学部小児歯科学教室助教授
 2006年 昭和大学歯学部小児成育歯科学講座教授
安井利一【やすいとしかず】
 1981年 城西歯科大学(現・明海大学歯学部)大学院修了
 1997年 明海大学歯学部口腔衛生学講座教授
 2003年 明海大学歯学部長
 2008年 明海大学学長
眞木吉信【まきよしのぶ】
 1977年 東京歯科大学卒業
 2002年 東京歯科大学衛生学講座教授
 2010年 東京歯科大学社会歯科学研究室教授
     公益財団法人ライオン歯科衛生研究所附属
     東京デンタルクリニック院長(兼任)
深井穫博【ふかいかくひろ】
 1983年 福岡県立九州歯科大学卒業
 1985年 深井歯科医院開業
 2001年 深井保健科学研究所所長,
     『ヘルスサイエンス・ヘルスケア』編集長
 2013年 公益財団法人8020 推進財団専務理事
     公益社団法人日本歯科医師会理事
植田耕一郎【うえだこういちろう】
 1983年 日本大学歯学部卒業
 1987年 日本大学大学院歯学研究科修了
 1990年 東京都リハビリテーション病院医員
 1999年 新潟大学歯学部加齢歯科学講座(現・新潟大学
     大学院摂食・嚥下障害学分野)助教授
 2004年 日本大学歯学部摂食機能療法学講座教授