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月刊「歯界展望」別冊
MTMから始める全顎矯正
一般開業医における矯正戦略

林治幸 編
定価 8,800円 (本体 8,000円+税10%)
  • 総頁数:224頁 / カラー
  • 判型:A4判変
  • 発行年月:2026年8月
  • 注文コード:351300
  • 雑誌コード:04246-08

MTMをベースに全顎矯正治療に挑むためのガイド

内容紹介

・2020年発行の『歯界展望別冊/明日から使えるMTM』の応用編.
・さらなるレベルアップのための「第1章:補綴前処置としてのMTM」,将来的な全顎矯正を回避するための「第2章:咬合誘導」,CTによる診断と評価を徹底的に活用した「第3章:全顎矯正治療」の3章での構成.
・76症例の呈示により,一般開業医における矯正臨床のあらゆるシチュエーションを網羅.必ず臨床のヒントが見つかる1冊です.

序文

本別冊の発行にあたって
 2020年に,筆者が主宰する「矯正を臨床で活かす会」例会開催300回のタイミングに『歯界展望別冊/明日から使えるMTM』を出版しました.MTMの入門書として好評を博し,2022年には韓国語にも翻訳されています.
 今回出版となる本別冊『MTMから始める全顎矯正―一般開業医における矯正戦略』は,前作の内容をさらに発展させた応用編(Chapter 1)と,前作では取り上げることのできなかった「咬合誘導」(Chapter2)および,CTを活用した「全顎矯正治療」(Chapter 3)から構成されています.
 Chapter 1「補綴前処置としてのMTM」では,矯正治療を始める前に「歯の移動形態と動かしやすさ」を理解したうえで読んでいただけるとわかりやすいのではないかとの考えから,イラストによる解説を掲載しています.難易度がわかれば,一般臨床医で手をつけてよいものかどうかの参考になるのではないかと思います.
 Chapter 2「咬合誘導―一般臨床医だから知ってほしい,試してほしい」では,患者が将来的に大がかりな矯正治療になってしまうことを防いだり,どのような場合に専門医的な処置が必要になるか,多くの実例を掲載します.
 Chapter 3「全顎矯正治療―CTによる診断と治療計画」では,第1章,第2章で習得した知識と技術を裏付けとし,さらに多様な患者のニーズに応えるための全顎矯正へのアプローチを取り上げます.CTの活用によって,実際に動かす歯の歯根の状態が明確に把握できます.歯根の状態からどう治療計画を立てるか,治療後に満足のいく結果が得られているのかは,CTによってはっきり示されているのです.
 かつて,ストレートワイヤー法が確立された時には,「これでワイヤーベンディングも必要ないな」と思ったものです.しかし,平均値で作られたブラケットでは,歯の形態や大きさが違えば最終的に緊密な咬合関係が得られにくいという問題に直面することになりました.アライナー矯正が紹介された際には,「これでブラケットからもおさらばできる」と思いましたが,抜歯ケースなどでは歯の傾斜に対してどうすることもできない限界が存在しました.
 もちろん,筆者はこれらの技術の発展に対して否定的に捉えているわけではありません.むしろ,誰がやってもうまくできるようになることは重要で,最終的に満足のできるファイナルゴールを得られるのならば,どんな方法でもよいと思っています.
 しかしながら現在は,すべてを満足させる方法は見当たりません.本別冊では,筆者たちが,最も確実に成果を得られると考えている方法を余すところなく紹介しています.もっとよい方法があれば,ぜひお教えいただき,切磋琢磨していきたいと考えます.
 本別冊の出版にあたり,矯正治療の指導をして下さった,故・窪田勝信先生(東京歯科大学・元講師,日本矯正歯科学会・元理事)に,心より感謝申し上げます.
 2026年7月 執筆者を代表して
 林 治幸

目次

Chapter 1 補綴前処置としてのMTM
 1 歯の移動形態と動かしやすさ
  エクストルージョン/傾斜移動/歯体移動/圧下/トルクおよび歯根のみの移動(林 治幸・林 祐里)
 2 エクストルージョン
  【症例A】エクストルージョン(57歳,女性)(影山龍市)
 3 傾斜移動
  【症例A】補綴前処置としての傾斜移動(25歳,女性)(神山洋介)
  【症例B】補綴前処置としての傾斜移動(60歳,女性)(神山洋介)
  【症例C】補綴前処置としての傾斜移動(50歳,男性)(林 治幸)
  【症例D】TADをアンカーとした傾斜移動(61歳,女性)(影山龍市)
  【症例E】TADをアンカーとした傾斜移動(23歳,女性)(林 治幸)
  【症例F】インプラントをアンカーとした傾斜移動(60歳,男性)(神山洋介)
  【症例G】インプラントをアンカーとした傾斜移動(73歳,女性)(武内清隆)
  【症例H】インプラントをアンカーとした傾斜移動(57歳,女性)(林 治幸)
 4 歯体移動
  【症例A】8の近心移動(7のスペースを詰める)(23歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】7 8の近心移動(6のスペースを詰める)(26歳,男性)(林 治幸)
 5 圧下
  【症例A】前歯部の圧下―ガミースマイルの改善(18歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】前歯部の圧下―多数歯をアンカーとして(18歳,男性)(林 治幸)
  【症例C】前歯部の圧下―シャベル切歯による前突を防ぐ(35歳,女性)(林 治幸)
  【症例D】臼歯部の圧下―多数歯をアンカーとして(60歳,男性)(神山洋介)
  【症例E】臼歯部の圧下―インプラントのためのTADをアンカーとした圧下(31歳,女性)(林 治幸)
  【症例F】臼歯部の圧下―インプラント・移植のためのTADをアンカーとした圧下(37歳,女性)(山口美華)
 6 トルクおよび歯根のみを移動させる
  【症例A】トルクおよび歯根のみを移動させる(28歳,男性)(林 治幸)
 7 補綴前処置としてのMTM
  【症例A】インプラントの前にシザースバイトを改善(62歳,男性)(米川泰弘)
  【症例B】歯幅の調整(50歳,女性)(池田大造)
  【症例C】インプラントに咬合させるためのMTM(64歳,女性)(林 治幸)
  【症例D】上顎前歯補綴の妨げになる下顎前歯のMTM(52歳,男性)(山口美華)
  【症例E】咬合崩壊してしまった症例(50歳,女性)(林 治幸)
 8 歯周補綴と矯正治療
  【症例A】歯周補綴長期症例からMTMの可能性を考える(44歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】歯周補綴の前処置(57歳,男性)(池田大造)
  【症例C】下顎のフレアを治すためのMTM(54歳,女性)(山口美華)
  【症例D】退縮した歯肉を回復させた歯周補綴24年経過例(40歳,女性)(林 治幸)
  【症例E】叢生と歯肉退縮を改善させた歯周補綴(64歳,女性)(林 治幸)
  【症例F】前歯部の骨吸収に対し骨増生を併用した歯周補綴(59歳,男性)(林 治幸)
Chapter 2 咬合誘導 一般臨床医だから知ってほしい,試してほしい
 1 トレーナーとムーシールド等
  【症例A】1級,叢生(トレーナー,MFT)(7歳,女性)(神山美穂)
  【症例B】2級,上顎前突(9歳11カ月,男性)(中嶋淳二)
  【症例C】2級ディープバイト(10歳9カ月,女性)(米川泰弘)
  【症例D】3級,反対咬合(トレーナー,MFT)(3歳,男性)(神山美穂)
  【症例E】3級(9歳,男性)(林 治幸)
 2 ユーティリティワイヤー
  【症例A】前歯部の被蓋を改善(7歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】スペースの確保(9歳6カ月,女性)(米川泰弘)
  【症例C】スペースの確保(10歳,女性)(林 治幸)
  【症例D】ユーティリティアーチでは難しい下顎の成長コントロール(11歳8カ月,男性)(林 治幸)
 3 上顎犬歯の埋伏
  【症例A】後から対応が難しくなる犬歯の埋伏(27歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】唇側にある埋伏犬歯(9歳3カ月,女性)(林 治幸)
  【症例C】舌側にある埋伏犬歯(9歳,女性)(神山美穂)
 4 永久歯先天欠如
  【症例A】5 5先天欠如で残っていたE Eが吸収を始めた症例(15歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】側切歯欠如(27歳,女性)(神山美穂)
  【症例C】側切歯欠如(8歳,女性)(神山美穂)
  【症例D】5 5,5先欠(トレーナー,MFT)(8歳,女性)(神山美穂)
 5 乳歯晩期残存と連続抜歯
  【症例A】乳歯晩期残存の弊害(20歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】4 D C C D 4抜歯(8歳,女性)(林 治幸)
  【症例C】4 4 4 4連続抜歯を行った症例(6歳,男性)(米川泰弘)
  【症例D】4 4 4 4を抜歯した咬合誘導症例(8歳,女性)(林 治幸)
Chapter 3 全顎矯正治療 CTによる診断と治療計画
 1 長期間安定する歯並びの特徴
  臼歯部はアップライトして緊密に咬合している/前歯は審美的な位置に配列されている/矯正治療のファイナルゴール(林 治幸)
 2 歯根の状態からアングルの分類を考察する
  【症例A】歯冠部1級,歯根部2級の上顎前突(23歳,女性)(横島利久)
 3 抜歯か非抜歯か―歯根の状態から判断する
  【症例A】臼歯部が原因で起こる前歯部のスペース不足(38歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】臼歯部には関係しない前歯部のスペース不足(15歳,女性)(林 治幸)
 4 大臼歯の関係より診断する
  【症例A】片側2級で起こった叢生(18歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】片側近心傾斜で起こった2級オープンバイト(20歳,女性)(林 治幸)
  【症例C】片側近心転位による叢生(19歳,男性)(林 治幸)
  【症例D】顎変形で起こった片側2級上下顎前突(32歳,女性)(林 治幸)
  【症例E】片側2級シザースバイト(24歳,女性)(林 治幸)
  【症例F】顎関節症で起こったオープンバイト(28歳,女性)(林 治幸)
 5 見落としてはいけない顎位の診断
  【症例A】咬合時1級,リラックス時2級症例(31歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】咬合時3級,リラックス時1級症例(30歳,女性)(林 治幸)
  【症例C】矯正治療後,顎位がわからなくなった症例(27歳,女性)(林 治幸)
  【症例D】側方に現れた2態咬合(19歳,女性)(林 治幸)
 6 片側抜歯症例―2級および3級
  【症例A】2級4 4抜歯症例(23歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】3級4 4抜歯症例(15歳,男性)(林 治幸)
  【症例C】ハイアングルケースへの対応(歯槽堤を造るために3次元に移動させる)(15歳,女性)(林 治幸)
 7 上顎狭窄歯列への対応
  【症例A】骨に問題がない歯性上顎狭窄歯列(26歳,男性)(林 治幸)
  【症例B】骨がやや狭くなった上顎狭窄歯列(18歳,男性)(林 治幸)
  【症例C】MSEにて上顎を拡大した症例(23歳,女性)(山口美華)
 8 上顎側切歯のトルクと歯槽骨の幅
  【症例A】CTのない頃の側切歯のトルク入れ(13歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】トルクをCTで見てみる(28歳,女性)(林 治幸)
  【症例C】CTで確認しながら調整する方法(28歳,女性)(林 治幸)
 9 歯肉退縮と歯根吸収
  【症例A】歯肉退縮(28歳,女性)(林 治幸)
  【症例B】矯正治療で起こった歯根吸収(19歳,女性)(林 治幸)

 本別冊のおわりに
  歯は生涯移動し続ける―人類学の視点から現代人の歯列不正に迫る

 ピンポイント解説
  Lループはなぜ必要?
  シャベル切歯がもたらす前突と叢生
  移植ドナー歯のレプリカ作製
  下顎の成長
  咬合面は緊密な咬合を得るためのガイド?
  正常咬合と歯列不正―現代人では歯列不正が正常??
  CT画像を用いた患者への説明
  口唇の厚さと前突感

著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.

編著
林 治幸【Haruyuki Hayashi】
横浜市中区
林歯科医院

著
池田大造【Daizo Ikeda】
茨城県古河市
アップル歯科クリニック

影山龍市【Ryuichi Kageyama】
千葉県我孫子市
なかむら歯科

神山美穂【Miho Kamiyama】
千葉県我孫子市
なかむら歯科

神山洋介【Yosuke Kamiyama】
千葉県我孫子市
なかむら歯科

武内清隆【Kiyotaka Takeuchi】
横浜市磯子区
武内歯科医院

中嶋淳二【Junji Nakajima】
横浜市中区
中嶋歯科医院

山口美華【Mika Yamaguchi】
大阪市淀川区
やみか歯科・矯正歯科

横島利久【Toshihisa Yokoshima】
茨城県古河市
アップル歯科クリニック

米川泰弘【Yasuhiro Yonekawa】
神奈川県横須賀市
米川歯科医院

イラスト協力
林 祐里【Yuri Hayashi】
東京歯科大学

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林治幸 編/池田大造・影山龍市・神山美穂・神山洋介・武内清隆・中嶋淳二・山口美華・横島利久・米川泰弘 著