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「医学のあゆみ」第5土曜特集第299巻5号
消化器がん診療の最前線

川上尚人 企画
定価 6,820円 (本体 6,200円+税10%)
  • 総頁数:176頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年10月
  • 注文コード:286940
  • 雑誌コード:20475-10/31

内容紹介

・消化器がん診療はめざましい進歩を遂げている.内視鏡や画像診断技術,局所治療や外科治療の発展に加え,薬物療法では免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬,抗体薬物複合体など新たな治療選択肢が次々と登場し,がんゲノムプロファイリングやリキッドバイオプシー,AIの臨床応用も進んでいる.
・一方,急速な進歩に伴い,診療の全体像を体系的に学ぶことは以前にも増して難しくなっている.本特集は,消化器がんの知識整理ができるよう,疫学,診断,局所治療から各がん種の早期・局所進行期,遠隔転移・再発に至るまでを俯瞰できる構成となっている.
・さらには,栄養,高齢者医療,遺伝性腫瘍などの横断的課題や,AI,患者・市民参画,分散型臨床試験など,今後重要となるテーマについても取り上げる.

序文

はじめに
 川上尚人
 東北大学大学院医学系研究科臨床腫瘍学分野
 近年,消化器がん診療はめざましい進歩を遂げている.内視鏡や画像診断技術,局所治療や外科治療の発展に加え,薬物療法では免疫チェックポイント阻害薬,分子標的薬,抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)など,新たな治療選択肢が次々と登場している.さらに,がんゲノムプロファイリングやリキッドバイオプシー,AIの臨床応用も進み,診療を取り巻く環境は大きく変化している.
 一方,このような急速な進歩に伴い,消化器がん診療の全体像を体系的に学ぶことは,以前にも増して難しくなっている.そこで本特集では,疫学,診断,局所治療から,各がん種の早期・局所進行期,遠隔転移・再発に至るまで,現在の消化器がん診療を俯瞰できる構成とした.消化器がんを専門とする医師の知識の整理はもちろん,専門外の医師にとっても,この領域の現在地を俯瞰する一助となることを意図している.さらに,栄養,高齢者医療,遺伝性腫瘍などの横断的課題に加え,新規治療モダリティ,AI,患者・市民参画,プラグマティック試験や分散型臨床試験(decentralized clinical trial:DCT)など,今後さらに重要となるテーマも取り上げた.
 本特集は発刊時点における消化器がん診療の最前線をまとめたものであるが,その一部はいずれ新たな知見に置き換えられるであろう.しかし,それこそが医療が前進し,その成果が患者へ還元されている証でもある.
 各項目の執筆は,それぞれの領域を第一線で牽引されている先生方にお願いした.診療,研究,教育をはじめ極めてご多忙ななか,本企画の趣旨にご賛同いただき,最新の知見をわかりやすくまとめた貴重な原稿をお寄せいただいた.この場をお借りして,執筆者の先生方お一人おひとりに心より御礼申し上げたい.
 本特集が読者の皆さまの傍らに置かれ,日々の診療で折に触れて手に取っていただけるものとなれば,これ以上の喜びはない.そして,ここに集められた知識が,1人でも多くの患者のよりよい医療につながることを心より願っている.

目次

 はじめに(川上尚人)
消化器がんの診断・局所治療
 消化器がんの疫学(田中宏和)
 消化管癌の内視鏡診断(田中秀典・岡 志郎)
 肝胆膵癌の画像診断(西内健太郎・他)
 胆膵癌診療における内視鏡診断とドレナージ戦略(田中 裕・他)
 消化管癌の内視鏡治療(小山 栞・草野 央)
 消化器がんに対する放射線治療─食道,直腸を中心に(伊藤芳紀)
 肝臓癌の局所治療(南 康範・工藤正俊)
消化器がん診療各論
 Stage I~III食道癌に対する外科治療と周術期治療(菊池寛利・竹内裕也)
 免疫療法時代の切除不能な進行・再発食道扁平上皮がんに対する緩和的薬物療法(増田優介・加藤 健)
 Stage I~III胃癌に対する集学的治療の最前線(萩 隆臣・他)
 胃癌Stage IV・再発─薬物療法(下嵜啓太郎・高張大亮)
 大腸癌診療─周術期治療の現状と展望(岩井美穂・絹笠祐介)
 切除不能進行・再発大腸癌の薬物療法─バイオマーカーに基づく治療選択とシークエンス(佐藤拓弥・佐竹悠良)
 肝細胞癌Stage I~IIIに対する外科治療─切除可能性分類と周術期集学的治療の展望(西尾太宏・他)
 切除不能肝細胞癌に対する薬物療法の現状と治療戦略(澤井 剛・池田公史)
 胆道癌外科治療における治療戦略設計─周術期集学的治療の現状と今後の展開(砂川真輝・他)
 胆道がんStage IV・再発─薬物療法(福島泰斗・上野 誠)
 膵癌Stage I~III─外科治療(周術期治療を含む)(柏木良介・他)
 膵がんStage IV・再発─薬物療法(井岡達也・他)
消化器がん診療を横断するテーマ
 消化器がんにおける栄養対策(若林秀隆)
 高齢者消化器がんに対する治療戦略(山口和也)
 消化器がんに対する緩和的治療─病態に応じた治療選択と支持療法(池上貴子・山口敏史)
 消化器がんと遺伝性腫瘍(小倉加奈子・中島 健)
新規モダリティと消化器がん
 消化器がんにおける免疫療法の最適化と限界(小倉 望・庄司広和)
 消化器がんにおけるバイオマーカーの臨床的意義(砂川 優)
 消化器がんにおける新規薬物療法モダリティの進展─ADC・CAR-T療法・Bi-TCEの現状と今後の展望(久保木恭利)
 がんゲノムプロファイリングは消化器がん診療をどこまで変えたのか?(奥川喜永・他)
 リキッドバイオプシーの現在地と今後の可能性─消化器がん診療におけるctDNA活用とMRD時代の展望(山本一将・坂東英明)
 内視鏡AI診断の現状と課題─消化器がんの見逃しゼロを目指す技術革新と社会的展開(多田智裕・他)
消化器がん診療の将来展望
 消化器がん臨床試験における新潮流─分散型臨床試験(DCT)とプラグマティック臨床試験(PCT)(谷口浩也)
 患者参加型医療の実践と課題─今後の消化器がん診療を見据えて(内富庸介)

 次号の特集予告

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