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23巻11号 2014年11月号
特集 高次脳機能障害に対する地域支援
特集にあたって
 わが国において,高次脳機能障害に対し本格的に行政が動き出したのは2001 年からであった.厚生労働省は,2001〜2005 年までの5 年間で高次脳機能障害支援モデル事業を実施した.その結果,高次脳機能障害に関する診断基準が確立され,高次脳機能障害に対する標準的訓練プログラムおよび標準的社会復帰,生活,介護支援プログラムがまとめられた.そしてその間,2004 年には,医療における診療報酬請求の対象として「高次脳機能障害」が診断名として申告できるようになった.このようにこの15 年間で,わが国の高次脳機能障害者支援は大きな変革を遂げた.つまり,高次脳機能障害についての知識が整理され,仕組みが形づくられた.
 そしてこの時期は,高次脳機能障害が社会参加において大きな阻害要因となるその深刻さが,あらためて認識された時期でもあった.「高次脳機能障害」の診断名のもと,医療制度上,リハビリテーション(以下リハ)が可能な時期は延長されることが許されるようになった.すなわち脳損傷の範囲が大きい場合,何らかの高次脳機能障害が残存する確率は非常に高くなることが認識され,この場合,認知リハは病院内でのリハでは決して終結できないことも周知されてきたのである.本特集は以上を背景に,病院以後のリハ,すなわち地域リハに焦点を置いて企画された.
 まずはじめに,「急性期および回復期病院の高次脳機能障害者に対する地域連携の在り方」では,医学的リハの時期から地域連携をどのように意図して進めていくべきかが述べられている.次いで,「高次脳機能障害者が活用できる地域の社会資源」では,とかく医療ソーシャルワーカーに頼りがちな地域の社会資源について解説をいただいた.医療スタッフは,各地域において,どこにどのような社会資源があるのかを理解しておく必要がある.そして,「高次脳機能障害者に対する就労支援の進め方」では,就労が目的となりやすい若年層のための就労支援の手順について解説をいただいた.病院でのリハでは困難な職業リハの知識が整理されている.さらに,「高次脳機能障害者に関連する法制度」では,高次脳機能障害者支援に必須な法制度がわかりやすくまとめられている.これらの法制度を有効に活用してこそ,生活の基盤ができると考えられる.また,「高次脳機能障害が重度な例に対するリハビリテーション医の考え方」では,初めに診察を開始するリハ医師が重度な高次脳機能障害者に対し,どのようなアウトカムを想定してリハプランを策定したらよいのかが述べられている.そして最後に,わが国の高次脳機能障害者支援の歩みを現在まで牽引してこられた日本脳外傷友の会の東川悦子理事長に,今後も発展していくであろう当事者・家族会の役割についての提言をいただいた.
 本特集が,高次脳機能障害者支援に日々力を注がれている読者の皆様に,少しでもお役に立つことができればこのうえない喜びである.(編集委員会)
目 次
急性期および回復期病院の高次脳機能障害者に対する地域連携のあり方  渡邉修 詳細
高次脳機能障害者が活用できる地域の社会資源  大塚祐子 詳細
高次脳機能障害者に対する就労支援の進め方  田川恭子 詳細
高次脳機能障害者に関連する法制度  白山靖彦 詳細
高次脳機能障害が重度な例に対するリハビリテーション医の考え方  片桐伯真 詳細
高次脳機能障害者を支える当事者・家族会の役割  東川悦子 詳細
コラム:ウェブサイト「高次脳機能障害情報・支援センター」の紹介  今橋久美子 詳細
連載
カラー/目で見るシリーズ  リハビリテーションのための3Dで見る関節キネマティクス 
11.足関節のキネマティクス  岩本圭史,菅本一臣 
ニューカマー リハ科専門医 
  家田一文 
障害者の自動車運転―運転再開の実際  5.疾患別の運転再開とその対応 
1)頭部外傷・高次脳機能障害  武原格 
運動器疾患の超音波診断 
8.手根管症候群  岡本聖司,國吉一樹 
障害者のリハや介護に役立つテクニカルエイドと環境整備 
26.介護ロボットの課題と将来 1)介護ロボットが必要な理由と開発の現状  村田裕之 
他科で役立つ こんな時のリハ処方 
15.耳鼻咽喉科―聴覚障害を中心に  真野英寿 
リハ科女性医師の週間手帳 
  堀田富士子 
リハ医のための心臓外科手術の今 
7.閉塞性動脈硬化症(ASO)のバイパス手術  宮田哲郎 
動作解析の進歩 
5. 磁気センサを用いた動作解析  森田定雄,神野哲也・他 
歴史への誘惑 
第11回 わが国最初の洋式病院と医学校の開設  江藤文夫 

臨床研究 
高齢者の嚥下障害と大脳白質病変について  古賀信太朗,古川俊明・他
臨床経験 
両側性に運動失調を認めた左視床出血の一例  曽川裕一郎,土田由佳・他
高次脳機能障害に対する地域支援
23巻11号 2014年11月15日
月刊(B5判,100頁)
発行時参考価格 2,300円
注文コード:082311
雑誌コード:03297-11
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