医学のあゆみ
281巻13号
体細胞モザイク −後天的ゲノム変化がもたらす未来
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2022年6月
- 注文コード:928113
- 雑誌コード:20474-6/25
内容紹介
・後天的なDNA変異を持った細胞がクローン性に増殖する現象はがんに代表されるが,DNA解析技術の進展により,がんを持たない個人においても同様の現象(体細胞モザイク)は決してまれではないことがわかってきた.
・この体細胞モザイクの細胞が持つ後天的変異は,一塩基レベルだけでなく染色体レベルにも及びうること,それらは同じ細胞に同時に発生する場合もあればそうでない場合もあることなどがわかってきた.
・臓器・組織ごとの後天的なDNA変化とクローン性の細胞増殖の病態基盤が明らかになれば,なにより個人ごとの疾患発症リスクの同定や早期発見・治療や介入が可能になり,健康寿命の延伸や福祉につながることが期待される.
目次
はじめに
寺尾知可史
血液の体細胞性モザイク(一塩基)
牧島秀樹
知っておきたい血液中の体細胞における常染色体由来のモザイク
曳野圭子
SNPアレイデータによる血液のY染色体モザイク解析
鎌谷洋一郎・寺尾知可史
体細胞モザイクと感染症
劉 暁渓
クローン性造血における遺伝子変異とコピー数異常の相互作用
佐伯龍之介・小川誠司
正常気管支上皮における体細胞変異
吉田健一
食道の体細胞モザイク
横山顕礼
大腸における体細胞モザイクとクローン拡大
垣内伸之
連載
バイオインフォマティクスの世界(12)
臨床におけるバイオインフォマティクス
吉原弘祐・他
TOPICS
糖尿病・内分泌代謝学 メタボリックシンドロームの病態制御に新しい考え方をもたらした代謝産物センサー分子の同定
関谷元博
癌・腫瘍学 新規ミトコンドリア呼吸鎖複合体I阻害剤ペタシンの抗がん作用
平島一輝・他
神経精神医学 がん患者におけるスピリチュアリティへのアプローチ
奥山 徹
FORUM
中毒にご用心−身近にある危険植物・動物(16) スイセン−若芽をニラと誤食すると…
黒澤慶子
次号の特集予告
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