医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 最新号
281巻9号 2022年5月28日
腫瘍と糖鎖−糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて
はじめに
AYUMI 腫瘍と糖鎖――糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて はじめに 谷口直之
  タンパク質の糖鎖修飾は,リン酸化とともに翻訳後修飾として最も頻度が高いことは周知の事実である.腫瘍に特徴的な糖鎖変化を利用した腫瘍の制御やバイオマーカーとしての意義はよく知られている.しかし,ゲノム,タンパク質の研究に比べると糖鎖は多様性や複雑性に富み,研究面ではまだまだ未解決の問題が多い.一方,タンパク質,脂質のほか,最近small RNAにもN−結合型糖鎖が付加されていることが報告された.糖鎖は腫瘍細胞の発生から進展,転移に関わり,さらには化学療法や放射線療法でみられる耐性の過程においても,重要な役割を果たしている.また,がん細胞の悪性化に深く関わる上皮間葉転換(epithelial mesenchymal transitio:EMT)や間葉上皮転換(mesenchymal epithelialtransition:MET)においても糖鎖と糖鎖遺伝子の役割が重視されている.がん細胞や患者血清の糖鎖変化として,N−結合型糖鎖の分岐に関わる糖鎖,シアル酸,O−結合型糖鎖,プロテオグリカン糖鎖,スフィンゴ糖脂質,GPI(glycosylphosphatidylinositol)アンカーに関わる糖鎖に加えて,細胞内のO−GlcNAcylation の重要性などが知られてきた.また,分子腫瘍マーカーとして,AFP−L4,CA19−9(Sialyl−Lea),Dupan−2,CEA,MUC−1,CA125など多くが使用されているが,早期がんの診断には限界がある.
 また,糖鎖あるいは糖鎖の改変や誘導体などを利用したがんなどの治療については,core fucoseを除去したADCC(antibody−dependent cellular cytotoxicity;抗体依存性細胞傷害)の活性化を利用した薬剤や,接着分子の阻害薬などが開発されている.今後さらに,分子標的治療の応用についての発展が期待される.現在,がん治療でのトピックスのひとつである免疫チェックポイント阻害薬への糖鎖の応用や糖鎖抗体などを用いた治療法の開発も期待できよう.がんのみならず前がん病変や,がんを併発しやすい疾病も対象とした糖鎖研究も重視されるべきだと考えている.本特集は糖鎖研究の実績のうえに,腫瘍におけるその意義を明らかにされている諸氏に執筆をお願いし,改めて腫瘍や前がん病変における糖鎖の役割をご理解いただけると幸いである.
目 次
がんとシアル酸重合体……佐藤ちひろ
N-結合型糖鎖による細胞接着と上皮間葉転換(EMT)の制御……顧建国
細胞膜受容体と糖鎖……高橋素子
細胞外小胞の糖鎖情報からみえてきたがんとの関連……原田陽一郎
がんにおけるルイス糖鎖の生物学的機能……福岡智哉・他
腫瘍とコンドロイチン硫酸……灘中里美・北川裕之
がんや前がん病変におけるヘパラン硫酸およびケラタン硫酸の機能……大川祐樹
免疫チェックポイント分子としてのSiglecファミリーとその腫瘍免疫への関与……安形高志
レクチン融合薬を用いた糖鎖標的がん治療戦略……下村治・他
TOPICS
【小児科学】
妊娠期の喫煙・生後の受動喫煙と子の喘息罹患との関連……吉田都美 
【免疫学】
STINGリガンドと抗CD47抗体の併用によるがん免疫療法……大栗敬幸・他 
【医療行政】
医薬品副作用被害救済制度の現状と課題……山田和男・他 
連載
【COVID-19診療の最前線から――現場の医師による報告】
20.呼吸療法――酸素療法,非侵襲的換気,リハビリテーション……大山慶介 
【バイオインフォマティクスの世界】
9.疾患ゲノム解析II:GWAS解析……重水大智 
フォーラム
【中毒にご用心――身近にある危険植物・動物】
13.巻貝(テトラミン,テトロドトキシン)――見た目だけで有毒か無毒かを見分けることは困難……新田正和 
週刊「医学のあゆみ」のご注文
腫瘍と糖鎖
281巻9号 2022年5月28日
週刊(B5判,70頁)
定価 1,540円(本体 1,400円+税10%)
注文コード:928109
雑誌コード:20474-5/28
買い物カゴへ追加
買い物カゴを見る
電子版の購入

本書は電子版を販売しています.

医書ジェーピーM2PLUS

以下のウェブサイトで論文単位の購入が可能です.

Pier Online

※リンク先は医歯薬出版株式会社のウェブサイトではありません.利用方法等は各ウェブサイトへお問い合わせください.

お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2022 Ishiyaku Pub,Inc.