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271巻7号 2019年11月16日
脊髄損傷治療はどこまで可能か
はじめに
AYUMI 脊髄損傷治療はどこまで可能か はじめに 松山幸弘
  脊髄損傷は年間100万人当たり40.2人発症し,国内で年間約5,000人の新規脊損患者が発症している.また,現患者数は約8万人(18歳以上)で,そのうち労災患者は約1.5〜2万人と報告されている.脊損の原因としては交通事故,転落,転倒の順に多く,発症年齢は20歳と60歳の二峰性を示し,損傷高位は頸髄60%,胸腰髄40%と報告されている.また最近では,非骨傷性頸髄損傷が高齢者に多く,転倒による前額部打撲や過伸展受傷などの軽微な外傷で受傷することが多い.どの年代においても脊髄損傷を被ると,患者の精神的ダメージはもちろんのこと,社会的・経済的な損失は多大なものが勘案される.しかし,長年にわたり脊髄損傷に対する確定的治療法はなく,脊髄再生治療が期待されてきた.急性期の脊髄損傷に関しては多くの薬物治療が試されてきており,現在臨床治験を行っているものもある.受傷後早期であるほど脊髄ショックの影響もあり神経症状が不安定であるため,この時期では麻痺の重症度や神経症状に関しての適切な評価が難しく,結果として有効性の評価が困難となってしまう可能性がある.神経症状が安定する亜急性期(2週間から2カ月程度)に脊髄再生治療を行えば,その有効性の評価も可能であり,またこの治療を受け入れることが可能となる患者は多くなる.
 脊髄再生治療の可能性については基礎研究,臨床研究を含め世界各国で進められているが,そのなかでも2018年,日本ではじめて保険認可された骨髄由来間葉系幹細胞(mesenchymal stem cells:MSC)移植が認められた.それに続いてhepatocyte growth factor(HGF),granulocyte-colony-stimulating factor(GCSF),そしてヒトiPS(induced pluripotent stem)細胞移植への期待は大きく,またできるかぎり早く臨床応用が待たれる.本特集では,現在どこまで脊髄損傷後の再生治療が進んでいるのか,また実際はどこまで可能なのかを脊髄再生治療のトップリーダーの先生方にご執筆をお願いした.
目 次
HGFを用いた急性期脊髄損傷治療――新規薬剤髄腔内投与の治験開始までの道のり……北村和也・他
急性脊髄損傷に対する顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)を用いた神経保護療法……古矢丈雄・他
脊髄損傷患者に対する自家骨髄間葉系幹細胞移植療法……森田智慶・他
神経栄養因子とコンドロイチナーゼによる脊髄再生の促進……菅野晴夫
Scaffold-freeな骨髄間葉系細胞シートの有用性――軸索再生とグリア瘢痕形成抑制……奥田哲教・他
慢性期脊髄損傷治療とグリア瘢痕制御……岡田誠司
TOPICS
【腎臓内科学】
HGF分泌シートの開発と腎線維化抑制……岡雅俊・新田孝作 
【消化器内科学】
MRエラストグラフィによる肝線維化評価……米田正人・他 
【神経内科学】
αシヌクレインのプリオン様作用……寺田真・玉岡晃 
連載
【地域医療の将来展望】
9.地域医療とワークライフバランス……牧野伸子 
【診療ガイドラインの作成方法と活用方法】
4.急性膵炎ガイドライン……廣田衛久・他 
フォーラム
【医療社会学の冒険】
19.ヒステリーのヒストリーと19世紀健康ブーム……美馬達哉 
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脊髄損傷治療はどこまで可能か
271巻7号 2019年11月16日
週刊(B5判,70頁)
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