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276巻10号 2021年3月6日
第1土曜特集1細胞解析−技術と応用3月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 1細胞解析――技術と応用 はじめに 菅野純夫
  生命はゲノムを中核とする分子機械である.何万・何千種類の分子が1個から10の8乗個程度集って生命は構成されている.この分子機械が,どのように動いてそのさまざまな機能を果たしているのかを理解することが,生命科学の現在の課題となっている.その先には,理解された知識を生かして生命を制御していきたいという期待がある.
 2003年にヒトゲノムの配列が決定され,ヒトの遺伝子の全容が見えてきた.これを契機に,それまで遺伝子ひとつひとつを計測していたのを改め,多種類の遺伝子の発現レベルを一度に計測してしまおうという網羅的解析の考え方がでてきた.現在では,オミクス解析といわれている方法論である.何万・何千種類の分子からなる分子機械を理解するためには避けて通れない方法論といえる.それからかなりの時間がたち,方法論も洗練され,多くのデータが蓄積されてきたが,得られた成果はかならずしも画期的とは言い難かった.解析の感度・精度が1細胞レベルに届かなかったためである.この状況が今変わろうとしている.
 細胞は生命の最小単位といえる.そして,ヒトのような多細胞生物はさまざまな細胞から構成されている.リンパ球や線維芽細胞のように,顕微鏡では同じように見える細胞でも,がん細胞の隣にいる場合と,そこから少し離れて毛細血管の隣にいる場合とで,遺伝子発現は異なるはずである.どう具体的に異なるのか? オミクス解析の技術レベルがついに,この問いに答えることのできるレベルまで向上してきたのである.
 本特集では,技術編で,この技術開発の最先端の状況を紹介させていただいた.1細胞解析は欧米中心に研究開発が猛烈な勢いで進んでいるが,日本もそれほど負けてはいない.応用編では,日本で得られた1細胞解析での成果を紹介させていただいた.応用では,どうしても技術レベルが最先端の1つ前になる.そこで,技術としては分離された細胞の1細胞解析が中心で,ターゲットとしては血液が中心になることをお断りしておきたい.そのなかでは,野村らによる心筋の解析,文東らの脳細胞の解析は特異なものである.
 本特集が,今後起こるであろう1細胞解析の爆発的進展を理解する一助となり,ご自身の研究に1細胞解析を取り入れてみようと考えるきっかけになれば,これに勝る喜びはない.
 コロナ禍が進み,日々の対応できわめてお忙しいなか,快く執筆をお引き受けいただいた著者の方々に深く感謝いたします.
目 次
技術
1細胞エピゲノム解析技術開発の最前線……大川恭行・他
1細胞プロテオーム解析はどこまできたか……松本雅記
1細胞メタボローム解析の現状……和泉自泰・馬場健史
ライブイメージングによる1細胞動態解析……大石裕晃・落合博
組織切片の空間トランスクリプトーム解析……永澤慧・鈴木穣
1細胞ゲノム解析で多様な細菌叢を捉える……細川正人・小川雅人
電気化学的なケミカルイメージングによる実時間1細胞解析……橋康史
1細胞トランスクリプトームデータの解析技術……二階堂愛
国際動向――Human Cell Atlasプロジェクト……安藤吉成・他
応用
感染症の1細胞解析……鹿島幸恵・他
新型コロナウイルス感染症の1細胞解析……橋本真一
免疫系の1細胞解析による転写制御機構の予測……Johannes Nicolaus Wibisana・他
1細胞解析でがん免疫療法に迫る……入江拓磨・西川博嘉
百寿者免疫細胞の1細胞トランスクリプトーム解析……橋本浩介・新井康通
発生・再生研究における1細胞遺伝子発現解析の現状……渡辺亮・他
1細胞解析からわかる循環器病態……野村征太郎
精神疾患患者試料を使用した1細胞研究の現在……文東美紀・他
がん治療における薬剤応答性の1細胞解析……小林進
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