医学のあゆみ
276巻8号
免疫チェックポイント阻害薬のirAE(免疫関連有害事象)
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2021年2月
- 注文コード:927608
- 雑誌コード:20473-2/20
内容紹介
・近年,免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の臨床開発が成功し,多数のがん腫に対して適応の拡大が順調に進んでおり,がんに対する標準的な治療のひとつとなった.
・ICI特有の有害事象として,免疫関連有害事象(irAE)が出現する.それぞれの有害事象は頻度が低いものがほとんどであるが,そのマネジメントにあたっては注意が必要である.
・本特集では,ICIの特有の副作用であるirAEについて作用機序,特徴,診断方法,マネジメント方法について,それぞれの領域の研究者に最近の知見を交えながら概説いただく.
目次
はじめに 北野滋久
irAEの機序−抗CTLA-4抗体,抗PD-1抗体,抗PD-L1抗体の違い 山下万貴子
irAEのマネジメント−総論 北野滋久
症状別にみたirAEの鑑別方法 須藤洋崇・清田尚臣
注意すべきirAE
免疫関連肺臓炎 加藤晃史
免疫チェックポイント阻害薬による下痢/大腸炎 山ア嵩之・加藤 健
神経疾患・筋疾患 鈴木重明
下垂体の免疫関連有害事象 岩間信太郎・有馬 寛
内分泌障害:1型糖尿病−新たなoncological emergencyとして 大橋 健
癌におけるirAE
肺癌−免疫チェックポイント阻害薬と化学療法の併用,免疫チェックポイント阻害薬同士の併用 水柿秀紀
腎細胞がんにおける免疫関連有害事象−免疫チェックポイント阻害薬同士の併用,免疫チェックポイント阻害薬とVEGFR-TKIの併用 五十嵐大樹・小原 航
乳がんにおける免疫チェックポイント阻害薬の登場と開発の足跡 古川孝広
連載
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学(20)
再生医療と移植免疫−iPS細胞由来再生細胞を他家移植で用いたときに起こりうる免疫反応 増田喬子・河本 宏
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用(16)
蚊を模倣した無痛注射針 青柳誠司
TOPICS
遺伝・ゲノム学 活性酸素産生にかかわる遺伝子の多型が膠原病発症リスクを高める 川崎 綾
循環器内科学 心磁図と心臓CT合成による心室期外収縮の新たな非侵襲的起源同定法 會田 敏・吉田健太郎
生化学・分子生物学 記憶の持続メカニズムを解明−新たな分子記憶の原理 実吉岳郎
FORUM
天才の精神分析−病跡学(パトグラフィ)への誘い(14) エゴン・シーレ−その駆け抜けた人生とミューズたち 伊集院清一
書評 『倫理コンサルテーション ケースブック』(堂囿俊彦・竹下 啓 編著) 稲葉一人
次号の特集予告
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