医学のあゆみ
275巻3号
クローン性造血とは? −高齢化社会における新たな研究テーマ
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年10月
- 注文コード:927503
- 雑誌コード:20473-10/17
内容紹介
・1996年に,BusqueらがX染色体不活化の偏りから同定した高齢者における血液クローンの偏りをARCHと命名したときに,“クローン性造血(CH)”という言葉がはじめて使われた.
・CHを有する人は造血器腫瘍を発症しやすいが,生命予後を悪化させるのは心筋梗塞,脳梗塞,癌であり,近年注目されている.本特集では,CHに関する8つの総説を専門家にご執筆いただいた.
・CHはこの超高齢者社会において社会的に重要な研究テーマであるが,数多くの疑問をかき立てられる研究対象として,基礎研究においても重要である.CHの研究はいまだ端緒についたばかりである.
目次
はじめに 北村俊雄
クローン性造血とゲノム異常 牧島秀樹
加齢とクローン性造血 木崎昌弘
Preleukemia,造血幹細胞移植とクローン性造血 横山泰久
クローン性造血とミエロイド系腫瘍 藤野赳至・北村俊雄
クローン性造血とリンパ系腫瘍 坂田(柳元)麻実子・他
クローン性造血と治療関連性白血病 高橋康一
クローン性造血のAML移行のバイオマーカー 野本順子・小林幸夫
クローン性造血と心血管疾患,および慢性炎症 佐藤 成・北村俊雄
連載
再生医療はどこまで進んだか(16)
神経変性疾患に対するiPS創薬と臨床試験 坂野晴彦・他
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学(9)
生体イメージング研究により明らかになったこと 粟生智香・他
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用(5)
生物に学ぶバイオフィルムの成長抑制−生物模倣(バイオミメティクス)による表面構造の設計 宮内昭浩・宮崎真理子
TOPICS
臨床検査医学 簡易核酸検査機器による微生物検査の変革 加勢田富士子・他
薬理学・毒性学 スポーツにおけるアンチ・ドーピングと医科学 鈴木秀典
膠原病・リウマチ学 濾胞性ヘルパーT細胞による関節リウマチ自己抗体シアル化の負の制御 藏田 泉・松本 功
FORUM
天才の精神分析−病跡学(パトグラフィ)への誘い(4) 夏目漱石II−三兄和三郎とカイン・コンプレックス 高橋正雄
パリから見えるこの世界(96) 現代の汎心論,あるいはその問題点と可能性 矢倉英隆
次号の特集予告
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