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273巻10号 2020年6月6日
第1土曜特集マクロファージの功罪−疾患病態誘導と制御におけるマクロファージの役割6月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 マクロファージの功罪――疾患病態誘導と制御におけるマクロファージの役割 はじめに 樗木俊聡
  マクロファージの機能は多彩であり,免疫学の範疇に収まらない.その多彩な機能のゆえんを考えるとき,マクロファージの発生・分化は不可避である.個体発生学および系統発生学的に,マクロファージの出現は単球を含む他の血液細胞よりも圧倒的に早い.マクロファージは無脊椎動物にも存在するが,他の多くの血液細胞が出現するのは脊椎動物以降である.個体発生学的にも,初期のマクロファージが卵黄嚢に検出される.その後,胎児肝や生後骨髄で造血幹細胞から血液細胞の供給がはじまり,自然免疫系や獲得免疫系の担い手となる多様な白血球が作られる.病原微生物をはじめとする外来抗原への対応や自己と非自己の識別をさほど必要としない時期に,マクロファージは組織の発生・再生や恒常性維持に関わる細胞として出現し,その後,病原体環境の選択圧によって免疫監視機能を進化的に獲得したのかもしれない.生後は生理的ターンオーバーの早い組織,さらには炎症や損傷と再生の過程で,単球が当該組織に移入してマクロファージに分化する.この経路は,疲弊または減少した組織マクロファージを補完することにも役立っている.一般的に,M1/M2マクロファージは単球由来マクロファージに対する分類法である.
 マクロファージは組織特異的な機能を持つが,この機能獲得には組織微小環境が重要な役割を担うことが知られている.マクロファージは,正常組織環境へ適応して組織恒常性を維持しているだけでなく,病的組織環境の影響下で積極的に病態形成に関わる機能を獲得する.マクロファージは全身の組織にくまなく分布しているため,関与する疾患も多岐にわたることになる.
 本特集では,各組織マクロファージの第一線の基礎・臨床研究者を迎え,感染症,がん,慢性炎症を含むさまざまな病的・疾患環境で,マクロファージがいかに生体防御や病態形成に関わるか,各研究者自身の成果を含め最新情報を解説いただいた.マクロファージと組織環境との相互作用の詳細を解明することによって,新たな分子標的が見出され,予防や治療に応用される未来に期待したい.
目 次
【臓器不全】
疾患特異的マクロファージの機能的多様性……佐藤荘・審良静男
腎不全とマクロファージ……川村俊介・他
心不全とマクロファージ……真鍋一郎
肝疾患・肝線維化とマクロファージ……伊藤美智子・小川佳宏
皮膚疾患とマクロファージ……中溝聡・他
動脈硬化とマクロファージ……新井郷子・宮崎徹
脂肪組織のM2マクロファージ――見直されつつあるM2マクロファージ抗炎症作用説……戸邉一之・他
【脳・神経】
ミクログリアと神経障害性疼痛……津田誠
神経変性疾患におけるミクログリア――特徴と治療標的としての展望……祖父江顕・山中宏二
脳梗塞後の神経症状回復を促す脳特異的制御性T細胞……伊藤美菜子
【がん・腫瘍】
がん・悪性腫瘍におけるマクロファージ……菰原義弘・竹屋元裕
IL-34とマクロファージ……小林拓斗・他
【感染症】
HIV-1とマクロファージ……鈴伸也
結核におけるマクロファージの役割……鳥越祥太・山ア晶
マクロファージ/単球とトキソプラズマ間の寄生虫免疫学的相互作用……山本雅裕
【自己免疫・炎症】
炎症性腸疾患とマクロファージ……浅野謙一・他
関節組織とマクロファージ――関節を破壊する悪玉破骨前駆細胞の同定と可視化……長谷川哲雄・石井優
自己炎症性疾患とマクロファージ――自己炎症性病態におけるマクロファージの役割……田中孝之・八角高裕
好塩基球とマクロファージによるアレルギー炎症・寄生虫感染の制御……山西吉典
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マクロファージの功罪
273巻10号 2020年6月6日
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