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272巻2号 2020年1月11日
ラミノパチーとはなにか
はじめに
AYUMI ラミノパチーとはなにか はじめに 小室一成
  ラミノパチーとは,核ラミナを構成するラミン分子の異常によって引き起こされる遺伝性疾患である.ラミン遺伝子にはラミンA/CとラミンBが存在し,ラミンA/C遺伝子によってコードされるmessenger RNA(mRNA)はスプライシングによってラミンAとCへと翻訳される.ラミンAはプレラミンとして合成され,C末端のアミノ酸のプロセッシングにより成熟したラミンA/Cが形成される.ラミンは細胞分裂時の核の分解と再構築やテロメアのダイナミクスに関わっているばかりでなく,クロマチンに直接作用して遺伝子発現を制御している.またラミンは,動物にのみ存在する中間径フィラメントであり,核膜の足場となる核ラミナを構成することから,核におけるメカニカルストレスの受容体とも考えられている.ラミノパチーの多くはラミンA/C遺伝子の変異によって発症するが,その変異の部位によって筋ジストロフィー,拡張型心筋症(dilated cardiomyopathy:DCM),リポジストロフィー(脂肪萎縮症),白質ジストロフィー,早老症などさまざまな疾患を発症する.変異の部位によって病態が大きく変わる機序については多くのことが不明であるが,ラミン異常による傷害は骨格筋,心筋,皮膚,結合組織といったメカニカルストレスを受けやすい臓器に生じやすい.
 わが国において心臓移植を必要とする重症心不全患者の大部分を占めるのがDCMである.DCMについては数多くの原因遺伝子が同定されているが,そのなかでも最も予後不良なのがラミン遺伝子変異によるものである.ラミン変異によるDCM患者は通常の心不全治療に抵抗性であり,心臓移植が必要になることが多い.ラミン遺伝子変異からラミノパチーを発症する機序がわかれば,重症心不全をはじめ多くの疾患に対する新規治療法の開発につながるのではないかと期待して,本特集を企画させていただいた.本特集によってラミノパチーに関する理解が深まり,研究が発展することを期待したい.
目 次
【基礎】
核ラミナ崩壊に応答して活性化する膜貫通型転写因子OASIS……今泉和則
細胞核への力学刺激とクロマチン分布……松本健郎
早老症ラミン変異とメカノバイオロジー……久保純・他
ラミンとクロマチンの連携による核構造の維持メカニズム……島本勇太・前島一博
【臨床】
核膜タンパク質ラミンAの異常が引き起こす早老症のメカニズム……井原健二
拡張型心筋症におけるラミン変異の意義と分子病態……伊藤正道
ラミンをはじめとする核膜関連蛋白質と筋疾患……林由起子
TOPICS
【神経精神医学】
日本作業療法士協会による新たな作業療法の定義と精神医学との協働作業……寺山久美子 
【医療行政】
新専門医制度の現状……寺本民生 
【癌・腫瘍学】
乳がんにおけるSERMsの抗腫瘍効果を規定する分子機構……中西真・他 
連載
【地域医療の将来展望】
13.地域医療と文化人類学……小谷和彦 
【診療ガイドラインの作成方法と活用方法】
8.精神科治療ガイドラインの普及・教育・検証活動:EGUIDEプロジェクト……橋本亮太・稲田健 
フォーラム
【パリから見えるこの世界】
87.『これからの微生物学』から見えるこの世界,そして科学の言葉再び……矢倉英隆 
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ラミノパチーとはなにか
272巻2号 2020年1月11日
週刊(B5判,70頁)
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