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268巻11号 2019年3月16日
膵癌の予後改善に向けて
はじめに
AYUMI 膵癌の予後改善に向けて はじめに 古瀬純司
  国立がん研究センターのがん登録・統計による「2018年のがん統計予測」では,膵癌の年間罹患数予測は40,000名で前立腺癌に次いで6位,年間死亡数予測は34,900名で胃癌に次いで4位と報告されている.罹患数・死亡数ともに従来の5大がんのひとつである肝癌を抜いてしまった.これは膵癌患者が年々増えているだけでなく,依然予後の悪さを示している.膵癌患者の5年生存割合は切除例を含めても10%未満であり,主要ながん種のなかでは最低の状況である.膵癌の予後改善は,喫緊かつ世界共通の課題である.
 がんの予後の改善のためには,早期診断,根治切除,そして進行例に対する有効な薬物療法の確立が必要である.膵臓は腹部深部にあり,画像診断が難しい.早期の特徴的な症状に乏しく,特異的なバイオマーカーもない.これらが早期診断を困難にしている.したがって,切除手術が唯一治癒の期待できる治療であるにもかかわらず,切除可能例は20〜30%程度であり,根治切除後も再発がきわめて多い.膵癌は血流に乏しく,さらに厚い間質に囲まれ,薬剤の到達も難しく,免疫担当のリンパ球浸潤も乏しい.つまり,化学療法をはじめ,最近の免疫チェックポイント阻害薬もなかなか効果が期待できない.
 これらの膵癌治療の困難なハードルを越えるべく,多くの専門家がさまざまな方面から工夫し努力している.有効な膵癌のスクリーニングと早期診断に向けた取組みも成果を上げつつある.手術手技だけでなく,術前・術後補助療法も格段に進歩した.最近の化学療法の進歩から切除不能例全体の予後の改善が得られ,さらに切除不能から切除に移行する例も増えてきた.
 本特集では膵癌の早期診断から切除手術,薬物療法を中心に予後改善に向けた最新情報をまとめていただいた.これらの取組みが膵癌の5年生存割合を20%,30%と押し上げていくものと期待したい.最後に,今回このような特集を企画いただいた本誌編集部に深謝申し上げたい.
目 次
膵癌早期診断の現状と課題……花田敬士
切除企図膵癌に対する術前・術後補助療法の意義──膵癌に対する切除を含む集学的治療戦略……元井冬彦・海野倫明
Borderline resectable膵癌の治療戦略……川井学・山上裕機
切除不能膵癌に対するconversion surgery……岡野尚弘・古瀬純司
局所進行膵癌に対する治療戦略……石井浩
遠隔転移を伴う膵癌に対する化学療法──一次治療の動向……尾阪将人
膵癌における二次治療の最新情報……水野伸匡
TOPICS
【生化学・分子生物学】
生細胞内で蛋白質の動きを超長時間追跡するイメージング技術……角山貴昭・楠見明弘 
【呼吸器内科学】
呼吸器疾患に対するクライオバイオプシー……馬場智尚 
【神経内科学】
冠動脈攣縮に対する腎交感神経除神経術……松本泰治・他 
連載
【医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及】
13.心肺蘇生のトレーニングに使用されるシミュレータの進歩――心肺蘇生用マネキン・AEDトレーナー……西本泰久 
【健康寿命延伸に寄与する体力医学】
はじめに……鈴木政登 
1.先進諸国民の健康を脅かしている生活習慣病の最上流因子――DOHaDとエピジェネティクス……久保田健夫 
フォーラム
【医師のバーンアウト(燃え尽き症候群)をふせぐためには?――脳神経内科領域の取組みから学ぶ】
5.女性医師における燃え尽き症候群(バーンアウト)の課題と対策……饗場郁子 
【医療社会学の冒険】
11.医療と殺人の現在形……美馬達哉 
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膵癌の予後改善に向けて
268巻11号 2019年3月16日
週刊(B5判,70頁)
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