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266巻8号 2018年8月25日
老化の分子基盤
はじめに
AYUMI 老化の分子基盤 はじめに 黒尾誠
 少子高齢化社会を迎えた日本では,医療費の急増が社会問題化している.年間40兆円を超えて増大し続ける医療費を抑制しようと思うなら,これまでの医療の方向性を根本的に変える必要がある.つまり,病気を治して平均寿命を延ばすことをめざした高度先端医療から,病気を予防して健康寿命を延ばすことをめざす“看取り”の医療へと大きく舵を切る必要がある.健康寿命とは「医療や介護に依存せずに自立した生活ができる期間」のことであり,平均寿命が延びても健康寿命が延びなければ,医療費はむしろ増大してしまう.したがって,医療費抑制のためには,健康寿命を縮めるおもな疾患の最大かつ普遍的な危険因子である“老化”のメカニズムを理解し,現実的な治療介入点を同定する“実践的抗加齢医学”の確立と普及がとくに重要と考えられる.
 老化のメカニズムの研究は,これまでおもに酵母・線虫・ショウジョウバエの寿命に影響を与える遺伝的および環境的要因の同定を中心に行われ,その知見がマウスや霊長類に敷衍されるという形で発展してきた.その結果,カロリー制限が種を超えて寿命を延ばす操作であることが明らかとなり,ヒトにも当てはまると類推されるようになった.しかし,寿命を延ばすには必要な栄養素は摂取したうえでカロリーだけを半分近くに減らした食生活を生涯続ける必要があり,とうてい現実的ではない.つまり,すくなくとも現時点ではこれまでの老化研究の成果が実践的な抗加齢医学へと結実していないといわざるを得ない.これからの老化研究では,高等動物に特有なメカニズムを同定し,あらたな治療介入点を探求することも重要であろう.
 本特集では,ヒトの老化を臨床医学的視点から俯瞰することとし,運動や食など,実践的な治療介入点を追及している諸先生方に最新の知見を紹介していただいた.本特集が“実践的抗加齢医学”への道標となることを期待している.
目 次
リンと老化……岩津好隆
慢性腎臓病と老化……谷口正智
習慣的な運動による老化関連疾患の予防……小崎恵生・前田清司
老化と聴力障害──酸化ストレスによる内耳障害予防に対する転写因子NRF2の機能……本蔵陽平
免疫と老化……八村敏志
運動による脳の老化予防──認知予備力と神経・分子メカニズム……西島壮
食と老化……宮川拓也
おわりに:老化研究の将来……田之倉優
TOPICS
【皮膚科学】
妊娠期に腹部の皮膚が広がる仕組み……一條遼・豊島文子 
【産業衛生】
禁煙科学の地域での実践――産業医活動と禁煙外来で健康づくり……春木宥子 
【免疫学】
IRF4-BATF複合体と刺激強度依存的遺伝子誘導……岩田有史 
連載
【Sustainable Developmentを目指した予防医学】
17. Sustainable Developmentと予防医学:WHOの動向……戸恵美子 
【移行期医療──成人に達する/達した患者への医療】
10.小児リウマチ・自己免疫疾患・自己炎症疾患……宮前多佳子・井上祐三朗 
フォーラム
【Choosing Wiselyキャンペーンとは】
14.EBMの立場からみたCW:Choosing Wisely®はどれだけ役に立っているのか……南郷栄秀 
【病院建築への誘い――医療者と病院建築のかかわりを考える】
Vol.6……亀谷佳保里 
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老化の分子基盤
266巻8号 2018年8月25日
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