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266巻4号 2018年7月28日
SGLT2阻害薬による可能性を探る
はじめに
AYUMI SGLT2阻害薬による可能性を探る はじめに 西山成
  腎に作用して尿糖を生じるSGLT2阻害薬が登場した際には,他の糖尿病治療薬とはまったく異なる作用機序で血糖を下げるので,さまざまな“からだ”の変化が生じるのではないかと危惧されていた.すなわち,カロリーロスによる体重減少や,一過性の利尿による体液量の減少などが副作用として心配されていたのである.しかし,EMPA-REG OUTCOM試験とCANVAS programという2つの大規模臨床試験が発表され,SGLT2阻害薬の心血管・腎イベントの抑制効果が証明され,さらに基礎研究レベルでも,尿糖の作用では説明のつかないSGLT2阻害薬のさまざまな効果が報告されている.
 著者がSGLT2と出会ったのは10年弱前である.カテーテルアブレーションで腎交感神経焼灼術を行うと,高血圧患者の糖代謝が改善するという臨床論文を目にし,大学院生のプロジェクトとして,その原因を探求する基礎実験を開始した.糖尿病ラットに対して腎交感神経切除を実施すると,尿糖が増加して糖代謝が改善されたため,スクリーニング解析を実施したところ,腎交感神経切除術によって腎のSGLT2発現が減少することをつきとめた.この結果を逆に考えると,交感神経が活性化されると,腎でSGLT2発現が増加して糖代謝が悪化する可能性が示唆されたのである.最近著者らは,逆にSGLT2阻害薬を投与すると交感神経が抑制されるデータを得ている.交感神経の変化がSGLT2の発現を調節し,逆にSGLT2阻害薬で交感神経活動が抑制されるという,非常に興味深い知見を得たことから,その後著者は,薬理学研究者としてSGLT2阻害薬のさまざまな基礎実験を開始したが,まだまだ解明されていないSGLT2阻害薬のポテンシャルが隠されていると感じている.
 そこで本稿では,「SGLT2阻害薬が生じるさまざまな作用が,どのようなメカニズムでもたらされているのか?」について,それぞれの分野の研究を積極的に進めておられる先生方に執筆をお願いし,アップデートされた最新の情報を発信したいと考えた.ご執筆いただきました世界のトップランナーの先生方に改めて深く感謝申し上げます.
目 次
糖毒性軽減および膵β細胞保護作用……金藤秀明
神経系に対する作用の可能性……与那嶺真一・他
SGLT2阻害薬の心血管保護作用……八木秀介・佐田政隆
腎組織保護作用の可能性……長谷川一宏
脂肪肝に対する作用の可能性──脂肪肝に対するSGLT2阻害薬のpossible effectsとその機序……伊藤大輔・島田朗
利尿・尿酸降下作用の可能性……安西尚彦・大内基司
グルコーストランスポーターを標的とする癌治療の可能性──SGLT2阻害による糖代謝制御を標的とした肝癌治療の試み……鍛治孝祐・吉治仁志
TOPICS
【再生医学】
中枢神経回路の修復を制御する生体システム……山下俊英 
【神経内科学】
脳アミロイドアンギオパチーの新規病態関連分子SRPX1……井上泰輝・植田光晴 
【循環器内科学】
Non-coding RNAの新知見……尾野亘 
連載
【Sustainable Developmentを目指した予防医学】
15.正確なサンガ法を行うために……関根章博・他 
【移行期医療──成人に達する/達した患者への医療】
8.小児内分泌疾患……天野直子・長谷川奉延 
フォーラム
【Choosing Wiselyキャンペーンとは】
12.インターネット時代のヘルス・リテラシー──メディカルノートにおけるChoosing Wiselyを啓発するための取組み……井上祥 
学会レポート
フィリップ・クリルスキー著『免疫の科学論――偶然性と複雑性のゲーム』と「免疫と感染症に関する日仏セミナー」で考えたこと……矢倉英隆
書評
『小児期発症慢性疾患患者のための移行支援ガイド』(水口 雅 監修,石ア優子 編著)……五十嵐隆 
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SGLT2阻害薬による可能性を探る
266巻4号 2018年7月28日
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