医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 通常号
265巻6号 2018年5月12日
Liquid biopsyへの期待と限界
はじめに
AYUMI Liquid biopsyへの期待と限界 はじめに 吉岡祐亮・落谷孝広
  体液を用いたあらたな診断法はリキッドバイオプシー(liquid biopsy)とよばれ,多様化する治療法の選択や早期疾患の発見にまで寄与しうることがわかってきた.早期発見や適切な治療法の選択は,患者の命を救うだけではなく,高騰している医療費の削減にもつながる.リキッドバイオプシーは医療費を軽減するばかりだけではなく,患者の体への負担も軽減しうる.
 従来,患者ひとりひとりの疾患の性質を捉えるには,疾患部位における細胞の遺伝子変異や遺伝子発現解析,病理画像による診断が行われてきた.しかし,これらはいわゆる生検によって組織を採取する必要があり,患者への負担が大きい.一方のリキッドバイオプシーは低侵襲性の採血などによって,診断材料を採取できるメリットがある.また,従来の画像診断や内視鏡検査などと比較して,手間がかからず,一度に多くの人を検査することができうるため,医療現場での人手不足解消につながることもメリットとしてあげられる.
 リキッドバイオプシーによる診断を可能にするためには,体液中に存在するさまざまな物質から解析対象を選択し,どのように解析するかが鍵となる.解析対象によって得られる情報の種類も異なり,一度の採血などによって,多くの情報が得られるであろう.本特集号ではcell free DNA,circulating tumor cell,microRNA,exosome,代謝産物など多くの診断材料について,リキッドバイオプシーにおける有用性や問題点を第一人者の先生方に執筆していただいた.
 将来的には,リキッドバイオプシーによって,疾患発症前の“予兆”をとらえることで,未病状態での治療介入につながることを期待している.たとえば,毎月採尿し,近くのクリニックに提出するだけで,自分の健康状態を知ることができ,疾患の予兆があれば未病で防ぐことができる,夢のような医療が実現できるかもしれない.
 本特集号がリキッドバイオプシーの理解を深める一助となり,今後のリキッドバイオプシー研究の発展,ひいては臨床現場へとつながれば幸いである.
目 次
Cell free DNAの臨床的意義──Circulating tumor DNAを中心に……西尾和人・坂井和子 詳細
血中循環腫瘍細胞(CTC)によるliquid biopsyとプレシジョンメディシン……洪泰浩 詳細
miRNAによるliquid biopsy……松ア潤太郎 詳細
Liquid biopsyに有用なmiRNAの検出方法……田畑美幸・宮原裕二 詳細
エクソソームとliquid biopsy……小濱一作・他 詳細
メタボローム解析によるliquid biopsy……杉本昌弘 詳細
TOPICS
【免疫学】
T細胞を若返らせる技術とがん免疫療法への応用……近藤泰介・吉村昭彦 
【消化器内科学】
習慣飲酒マーカー“糖鎖欠損トランスフェリン(CDT)”のわが国における現状……野村文夫 
【病理学】
褐色細胞腫はすべて悪性腫瘍か?……木村伯子 
連載
【救急医学──現状と課題】
17.心肺蘇生と救急医療──JRC蘇生ガイドライン2015を踏まえて(最終回)……山畑佳篤 
【Sustainable Developmentを目指した予防医学】
7.運動器検診と小児運動器疾患の予防……赤木龍一郎・佐粧孝久 
フォーラム
理学療法士の現場からみた心臓リハビリテーション……福村和也
【Choosing Wiselyキャンペーンとは】
4.Choosing Wiselyと診療ガイドライン:Mindsの役割……山口直人 
【パリから見えるこの世界】
68.翻訳という作業,あるいはエドゥアール・グリッサンという作家……矢倉英隆 
週刊「医学のあゆみ」のご注文
Liquid biopsyへの期待と限界
265巻6号 2018年5月12日
週刊(B5判,70頁)
定価 1,404円(本体 1,300円+税8%)
注文コード:926506
雑誌コード:20472-5/12
買い物カゴへ追加
買い物カゴを見る
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2018 Ishiyaku Pub,Inc.