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233巻9号 2010年5月29日
第5土曜特集最新 G蛋白質共役受容体研究疾患解明とシグナル制御の新時代
はじめに
第5土曜特集 最新・G蛋白質共役受容体研究――疾患解明とシグナル制御の新時代 はじめに 飯利太朗
  G 蛋白質共役受容体(G protein−coupled receptor:GPCR)は,著しい多様性と進化上保存された普遍性という対照的な特徴をあわせもつシグナル分子である.
 多様性においては,GPCR には約 1,000 の遺伝子が存在し,ゲノム最大ファミリーのひとつとなっている.また,認知,情動,感覚,代謝,内分泌,循環,炎症,免疫などの多様な生理的機能において重要な役割を果たしている.その役割は,オーファン受容体の解明によりフロンティアを広げ続けている.
 普遍性においては,GPCR はその構造と機能において進化の圧力に耐えて普遍性を保持している.細胞膜を 7 回貫通する普遍的共通構造を有し,G 蛋白質との相互作用,活性化メカニズムも進化を通じて保存されている.
 GPCR の重要性は,GPCR およびそのシグナルネットワークの異常が多くの疾患の原因となることからも自明であろう.同時に,いままでの薬剤の約 40%が GPCR を標的として発見・開発されてもきた.
 GPCR 研究は,GPCR 作動薬であるアゴニスト,アンタゴニスト,インバースアゴニストを用いて下流シグナルというアウトプットを検出・解析することで進展してきた.
GPCR の遺伝子解析は,動物モデルへの応用とともに,その異常を原因とする疾患の発見と解析を経て,GPCR の分子メカニズムの解明にフィードバックされてきた.さらに最近,GPCR の細胞内局在とそのダイナミックな変化,GPCR の高次構造変化,GPCR−GPCR 間ダイマー,GPCR と他の分子間相互作用を real time でとらえるイメージング・FRET などの技術の進歩は,詳細な作用機構の解明に大きな進歩をもたらしてきた.とくに困難であった高次構造解析におけるブレークスルーは,それら情報を集大成する場を提供しつつある.
 一方で,分子機構解明の進歩は,GPCR のパラダイムそのものを変化させつつある.機能選択的活性化やアロステリックな調節機構はそのよい例であろう.
 本特集は,GPCR 研究における最近の急速な技術の進歩と,疾患に関連した GPCR 作用機構の解明,あらたなシグナル制御法を展望したトピックスについて解説することをめざした.一方で,GPCR をできるだけ多く網羅することをめざさなかったため,他の多くの重要な GPCR の情報を割愛していることお許しいただきたい.貴重なお時間を割いてご協力くださった執筆者の先生方・友人の研究者の方々に深謝するとともに,いまもなお驚きとともに進歩している本分野の研究が,一層の疾患分子メカニズムの解明とこれを基盤とする制御法の進歩に結実していくことを期待したい.
目 次
GPCRs, twenty five years later……Olivier Civelli 詳細
G-protein coupled receptors: still a lot to be discovered……Jean−Philippe Pin 詳細
総論:受容体の解析・制御のあらたな視点
G蛋白質共役受容体の新しいパラダイム:機能選択的活性化……飯利太朗槙田紀子 詳細
ロドプシンの構造・機能における特殊性と一般性……川元洋子・岡田哲二 詳細
会合蛋白質によるG蛋白質共役型受容体の制御……斎藤将樹・中畑則道 詳細
GPCRのヘテロダイマー形成―プリン受容体を中心に……鈴木登紀子・中田裕康 詳細
GPCRによるRho活性化の新展開―GPCRシグナルと進行癌……小笹徹 詳細
オーファンGPCR標的創薬―MCH受容体の場合……斎藤祐見子 詳細
生細胞膜におけるGPCRの1分子観察法を用いた研究……笠井倫志 詳細
G蛋白質共役受容体の構造変化の全反射照明下FRET法による解析……久保義弘・立山充博 詳細
GPCRバキュロウイルス発現スクリーニング……浜窪隆雄 詳細
可溶化,精製CXCR4の構造,機能解析へのSPR法の適用……前田宜丈 詳細
GPCR標的創薬―GPCR指向性ライブラリの利用……巾下広 詳細
各論:受容体機能のあらたな展開
【摂食調節】
グレリン受容体……上野浩晶・中里雅光 詳細
NPY受容体―摂食調節ペプチドと摂食障害……小木曽和磨・他 詳細
4型メラノコルチン受容体(MC4R)……海老原健 詳細
オレキシン受容体……櫻井武 詳細
【代謝調節】
インクレチンの受容体……山田祐一郎 詳細
脂肪酸受容体に対するリガンド探索,生理機能の解明と創薬応用……平澤明・辻本豪三 詳細
TGR5/M-BARを介するシグナル伝達系が担う多彩な生理機能……森本耕吉・渡辺光博 詳細
β3アドレナリン受容体と過活動膀胱治療薬……服部浩二・濱田香理 詳細
【内分泌】
カルシウム感知受容体―アロステリックな制御と疾患・薬剤……槙田紀子飯利太朗 詳細
甲状腺刺激ホルモン受容体―その構造と機能の相関……永山雄二 詳細
TRH受容体―基礎から臨床への展開……中島康代・他 詳細
変異Gn-RH受容体とゴナドトロピン単独欠損症……碓井宏和・生水真紀夫 詳細
バゾプレシン受容体によるACTH分泌と血糖の制御……中村和昭・田上昭人 詳細
【脂質メディエータ・炎症・免疫】
リゾホスファチジン酸受容体研究Update……柳田圭介・石井聡 詳細
ロイコトリエン受容体―炎症から免疫へ……横溝岳彦 詳細
PAF/ロイコトリエン受容体と呼吸器疾患……長瀬隆英 詳細
プロスタノイド受容体―受容体欠損マウスを用いた解析……結城幸一・他 詳細
ケモカイン受容体……少作純平・松島綱治 詳細
【循環調節】
アンジオテンシンII受容体……赤澤宏小室一成 詳細
βアドレナリン受容体……仲矢道雄・他 詳細
エンドセリン受容体の多彩な機能―形態形成から病態発症まで……藤澤興・栗原裕基 詳細
アドレノメデュリン受容体の機能と役割……桑迫健二・北村和雄 詳細
α1アドレナリン受容体―その病態生理および生体内表現型α1L受容体に関する最近の知見から……西宗敦史・村松郁延 詳細
脳血管攣縮におけるトロンビン受容体PAR1の発現亢進とフィードバック制御障害……平野勝也 詳細
【感 覚】
嗅覚受容体―匂いやフェロモンの感知……吉川敬一・東原和成 詳細
味覚受容体の構造と機能の多様性……重村憲徳・二ノ宮裕三 詳細
Small Molecule Modulators of Family-C taste GPCRs……Guy Servant 詳細
GRKによる視物質のリン酸化とその制御―明順応へのかかわり……河村悟 詳細
【精神・神経】
オピオイド受容体―脱感作と耐性形成における受容体細胞内陥入の役割……南雅文 詳細
セロトニン受容体……吉岡充弘 詳細
カンナビノイド受容体……橋本谷祐輝・狩野方伸 詳細
神経ペプチド受容体/代謝型グルタミン酸受容体―うつ病との関連および抗うつ薬創製の新規ターゲットとしての可能性……茶木茂之 詳細
ドパミン受容体クロストーク……徳永正希・他 詳細
PACAP・VIP受容体の構造と機能の多様性―PACAPの中枢神経機能を中心として……宮田篤郎・三浦綾子 詳細
Prokineticin-signaling pathwayとKallmann症候群……佐藤直子・緒方勤 詳細
最新 G蛋白質共役受容体研究
233巻9号 2010年5月29日
週刊(B5判,296頁)
発行時参考価格 5,200円
注文コード:286250
雑誌コード:20475-5/29
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